電子制御工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電子制御工学
科目番号 0070 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 「はじめての現代制御理論」 佐藤 和也・他著(講談社)
担当教員 森島 佑

到達目標

1. システムを状態空間表現で表現し, 応答を計算により求めることができる.
2. 安定性や可制御性・可観測性についてその概念を理解し, 各性質が成立するか判別することができる.
3. オブザーバ・レギュレータの設計をすることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1システムを状態空間表現で表現し, 応答を求め, 自由応答や強制応答の概念について説明できる.システムを状態空間表現で表現し, 応答を計算により求めることができる.システムを状態空間表現で表現することができない.
評価項目2安定性や可制御性・可観測性についてその概念を理解し, 各性質が成立するか判別することができ, 各種の判別法の判別基準について説明できる.安定性や可制御性・可観測性についてその概念を理解し, 各種の判別法により, 各性質が成立するか判別することができる.安定性や可制御性・可観測性についての理解が不十分であり, 各性質が成立するか判別することができない.
評価項目3応答の速さ, 評価関数を考慮したオブザーバ・レギュレータの設計をすることができる.オブザーバ・レギュレータの設計をすることができる.オブザーバ・レギュレータの設計をすることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
計算機の演算能力が飛躍的に向上し,それに伴いソフトウェアライブラリが整備されたことは,高度な制御理論を誰もが簡単に用いることを可能とした.ここでは,そのような理論の一つである現代制御理論について学ぶ.この理論は状態方程式表現に基づく制御系の解析・設計手法であり,入出力信号の関係性だけに着目する伝達関数表現では知ることができなかった対象システムの構造を明らかにしてくれる.さらにシステムの構造について理解することが,コントローラの設計にどのように関係するのかを学ぶ.
授業の進め方と授業内容・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>およびJABEE基準1(2)(d)(2)a)に対応する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.

注意点:
<到達目標の評価方法と基準>「知識・能力」を網羅した問題を2回の中間試験,2回の定期試験およびレポート課題で出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等とする.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間・前期末・後期中間・学年末の計4回にわたる試験の成績の平均点を80%,提出されたレポートの成績を20%として評価する.なお,それぞれの試験について再試験は行わない.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>現代制御理論を理解するためには,線形代数,ならびに微分方程式に関する理解が必須である.また,基礎制御工学の内容を一通り復習しておくことが必要である.
<レポート等> 授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験, レポート課題のための学習も含む)に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<備考> 本教科は後に学習する制御機器工学(専攻科)の基礎となる科目である.

授業計画

授業内容・方法 週ごとの到達目標
前期
1週 状態空間表現 1. モデルに対する状態空間表現を導出することができる.
2週 行列とベクトルの基本事項1 2. 行列とベクトルの基本計算ができる.
3週 行列とベクトルの基本事項2 3. 行列の演算に関し幾何的な解釈から一次変換と正則性について説明できる.
4週 状態空間表現と伝達関数表現の関係1 4. 状態空間表現から伝達関数表現へと変換できる.
5週 状態空間表現と伝達関数表現の関係2 5. 伝達関数表現から状態空間表現へと変換できる.
6週 状態変数変換 6. 状態変数変換を用いて対角化したシステムの状態空間表現を求めることができる.
7週 問題演習:システムの状態空間表現 7. 具体的なシステムの例について, 微分方程式から状態空間表現を求めることができる.
8週 前期中間試験 8. これまでに学習した内容を説明し, 状態空間表現を用いたシステム表現を求めることができる.
9週 状態変数線図と状態変数変換 9. 状態空間表現と状態変数線図の対応関係を把握し, システムを状態変数線図で表現することができる.
10週 状態方程式と自由応答 10. 状態遷移行列,自由応答を求めることができる.
11週 システムの応答 11. 操作量(入力)が加わる場合の応答を求めることができる.
12週 システムの応答と安定性1 12. システムの固有値と漸近安定性の関係性について説明できる.
13週 システムの応答と安定性2 13. システムの固有値とBIBO安定性の関係性について説明できる.
14週 問題演習:システムの応答 14. 具体的なシステムの例について, 入力が与えられた場合の応答を求めることができる.
15週 問題演習:システムの安定性 15. 具体的なシステムの例について, システムの安定性を評価することができる.
16週
後期
1週 状態フィードバックと極配置 16. システムを安定にする状態フィードバックを設計できる.
2週 システムの可制御性 17. 可制御性を判定することができる.
3週 システムの可観測性 18. 可観測性を判定することができる.
4週 オブザーバの設計1 19. オブザーバの原理. 目的について説明できる.
5週 オブザーバの設計2 20. 極配置を考慮したオブザーバの設計をすることができる.
6週 状態フィードバック制御とオブザーバの併合システムの設計 21. 分離定理を考慮し, 併合システムの設計をすることができる.
7週 問題演習:併合システムの設計 22. 具体的なシステムの例について, 併合システムの設計を行うことができる.
8週 後期中間試験 23. これまでに学習した内容を説明し, 状態フィードバック, オブザーバを用いたシステムの設計ができる.
9週 サーボ系の設計1 24. サーボ系を設計することができる.
10週 サーボ系の設計2 25. サーボ系において補償器を設計することができる.
11週 最適制御 26. 評価関数を設計し, 最適レギュレータの設計法について説明できる.
12週 カルマンフィルタ 27. カルマンフィルタの基本的な動作を説明できる.
13週 カルマンフィルタを用いた最適制御 28. オブザーバにカルマンフィルタを用いた制御系を設計できる.
14週 問題演習:サーボ系の設計 29. 具体的なシステムの例について, サーボ系を設計することができる.
15週 問題演習:最適制御 30. 具体的なシステムの例について, 最適制御の考え方にもとづいてシステムを設計できる.
16週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合80200000100
配点80200000100