電気回路論

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気回路論
科目番号 0072 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:続 電気回路の基礎 第2版,西巻正郎、下川博文、奥村万規子(森北出版)参考書:詳解 電気回路演習(下),大下真二郎(共立出版)
担当教員 板谷 年也

到達目標

2端子対回路および基本的な電気回路の過渡現象について理解し,計算することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電磁誘導および変圧器結合について応用的な等価回路の計算ができる.電磁誘導および変圧器結合について基本的な等価回路の計算ができる.電磁誘導および変圧器結合について基本的な等価回路の計算ができない.
評価項目2共振回路にいて応用的な問題を計算できる.共振回路にいて基本的な問題を計算できる.共振回路にいて基本的な問題を計算できない.
評価項目33相交流回路について応用的な計算ができる.3相交流回路について基本的な計算ができる.3相交流回路について基本的な計算ができない.
評価項目4過渡現象に関する応用的な回路方程式を解くことができる.過渡現象に関する基本的な回路方程式を解くことができる.過渡現象に関する基本的な回路方程式を解くことができない.
評価項目52端子対回路の定義にしたがって応用的なZパラメータ,Yパラメータ,Fパラメータの計算ができる.2端子対回路の定義にしたがって基本的なZパラメータ,Yパラメータ,Fパラメータの計算ができる.2端子対回路の定義にしたがって基本的なZパラメータ,Yパラメータ,Fパラメータの計算ができない.
評価項目6ラプラス変換を用いて,応用的な過渡現象を解析することができる.ラプラス変換を用いて,基本的な過渡現象を解析することができる.ラプラス変換を用いて,基本的な過渡現象を解析することができるない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3年生で学んだ「電気回路論」の続きを学び,抵抗RとインダクタLおよびキャパシタCから構成される電気回路について,2端子対回路網および過渡現象の基本的な内容を理解する.
授業の進め方・方法:
すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>に対応する.
「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
上記の「知識・能力」1~8に関する問題を2回の中間試験,2回の定期試験および小テストで出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等である.評価結果が百点法で60点以上の場合に目標の達成とする.
<備考>
4年生で同時に開講されている「基礎制御」と「応用数学」(いずれも必修科目)でのラプラス変換に関する内容を十分理解しておくことが必要である.本科目では,後期からこれら微分方程式の解法を繰り返し用いる.本教科は後に学習する電子計測の基礎となる教科である.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
 3年生の「電気回路論」の内容を十分復習しておくこと.数学(線形代数)で学習した行列計算を用いる.本教科は電子情報工学序論,電気電子基礎,電気回路論(第3学年)が基礎となる教科である.
<自己学習>
 授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験,小テストのための学習も含む)およびレポート課題提出に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<学業成績の評価方法および評価基準>
前期中間・前期末・後期中間・学年末の4回の試験の成績の平均点を80%,小試験を10%、レポートを10%として学業成績を評価する.再試験を実施することがある.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電磁誘導結合回路の基礎 1.電磁誘導について等価回路を理解している.
2週 電磁誘導結合回路の基礎(つづき) 1.電磁誘導について等価回路を理解している.
3週 変圧器結合回路 2.変圧器結合について等価回路を理解している.
4週 変圧器結合回路(つづき) 2.変圧器結合について等価回路を理解している.
5週 交流回路の周波数特性 3. 組み合わせ回路の周波数特性を理解している.
6週 交流回路の周波数特性(つづき) 4.インピーダンスおよびアドミタンスの軌跡について理解している.
7週 直列共振 5.直列共振回路について理解している.
8週 小テスト 第7週までの内容に関する内容を理解している.
2ndQ
9週 並列共振 6.並列共振回路について理解している.
10週 対称3相交流回路 7.対称3相交流について理解している.
11週 非正弦波交流 8.非正弦波交流について理解している.
12週 2端子対回路の解析 9.二端子対回路の解析法を理解する.
13週 Zパラメータ,Yパラメータ 10.2端子対回路の定義にしたがってZパラメータ,Yパラメータの計算ができる.
14週 Fパラメータ 11.2端子対回路の定義にしたがってFパラメータの計算ができる.
15週 各種パラメータの相互変換 12.各種パラメータの相互変換ができる.
16週 2端子対回路の相互接続 13.2端子対回路の従続接続や直・並列接続を理解している.
後期
3rdQ
1週 回路の過渡状態と定常状態 14.回路の定常状態と過渡状態について理解している.
2週 回路の初期状態と定常状態の導出法 14.回路の定常状態と過渡状態について理解している.
3週 微分方程式による回路の過渡現象の解法 15.過渡現象を解析するための計算式を立てることが出来る.
4週 微分方程式による回路の過渡現象の解法(つづき) 16.RL,RC回路の過渡現象に関する回路方程式を解くことができる.
5週 微分方程式による回路の過渡現象の解法(つづき) 第4週に同じ.
6週 微分方程式による回路の過渡現象の解法(つづき) 第4週に同じ.
7週 第6週までの問題演習 第6週までの内容に関する問題を解くことができる.
8週 ラプラス変換とその諸定理 17.ラプラス変換および諸定理について理解している.
4thQ
9週 電源関数 18.電源関数について理解している.
10週 ラプラス変換を用いた回路の過渡現象の解法 19.ラプラス変換を用いて過渡現象を解析することができる.
11週 ラプラス変換を用いた回路の過渡現象の解法(つづき) 第10週に同じ.
12週 ラプラス変換を用いた回路の過渡現象の解法(つづき) 第10週に同じ.
13週 ラプラス変換を用いた回路の過渡現象の解法(つづき) 第10週に同じ.
14週 ラプラス変換を用いた回路の過渡現象の解法(つづき) 第10週に同じ.
15週 第14週までの問題演習 第14週までの内容に関する問題を解くことができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合80200000100
配点80200000100