科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 化学
科目番号 0073 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「高等学校 化学」 山内薫 他(第一学習社)問題集:「ニューレッツトライノートVol.1,2,4 」 東京書籍編集部(東京書籍)参考書:「フォトサイエンス化学図録」 数研出版編集(数研出版)
担当教員 山崎 賢二

到達目標

<この授業の達成目標>
「化学基礎」および「化学」に関する基本的事項を理解し,物質の状態,物質の変化と平衡,有機化合物,無機物質に関する知識,原理や用語を理解し,関連する問題を解くことができ,化学実験を通して,実験の方法や実験器具の扱い方を身に付けるとともに,実験結果を整理して,実験レポートを作成できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物質の状態に関する知識,原理や用語を理解し,関連する応用的な問題を解くことができる.物質の状態に関する知識,原理や用語を理解し,関連する基本的な問題を解くことができる.物質の状態に関する知識,原理や用語を理解しておらず,関連する問題を解くことができない.
評価項目2物質の変化と平衡に関する知識,原理や用語を理解し,関連する応用的な問題を解くことができる.物質の変化と平衡に関する知識,原理や用語を理解し,関連する基本的な問題を解くことができる.物質の変化と平衡に関する知識,原理や用語を理解しておらず,関連する問題を解くことができない.
評価項目3有機化合物や無機物質に関する知識,原理や用語を理解し,関連する応用的な問題を解くことができる.有機化合物や無機物質に関する知識,原理や用語を理解し,関連する基本的な問題を解くことができる.有機化合物や無機物質に関する知識,原理や用語を理解しておらず,関連する問題を解くことができない.
評価項目4化学実験を通して,実験方法や実験器具の扱い方を身に付けるとともに,実験結果を整理して実験レポートを作成できる.化学実験を通して,基本的な実験方法や実験器具の扱い方を身に付けるとともに,助言を受けることで実験結果を整理して,実験レポートを作成できる.化学実験を通して,基本的な実験方法や実験器具の扱い方を身に付けられず,助言を受けても実験結果を整理することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
<授業のねらい>
 1年に引き続き本科目の学習を通し,物質の状態や物質の変化と平衡,その理論的な扱い,及び無機物質,有機化合物を理解し,化学的なものの見方や考え方を身に付ける.またこれらを身に付けることで,高学年における実践的技術者教育の基礎をつくる
授業の進め方・方法:
<授業の内容>
前期・後期 すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<基礎>に相当する.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
 上記の「知識・能力」1~21に関して2回の中間試験,2回の定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.
また化学実験においては出席を重視し,実験レポートを評価する.百点法で60点以上の場合に目標の達成とする.

<注意事項>
 「化学」には1年次の「化学基礎」と重複する項目もあるが,その部分は省略することがある.授業中に演習問題を解くので電卓は必要である.また試験時においても電卓の持ち込みは可である.後期最後の5週は化学実験を行う.本科目は後に学習する化学特講,化学総論の基礎となる教科である.

<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
1年生からの引き続きの授業であり,1年次の「化学基礎」の習得が必要である.

<レポート等>
 限られた授業時間の中で取り組む練習問題だけではその量は足りない.家庭での学習状況をアピールする手段の一つとして,「ニューレッツトライノート」に取り組み,中間,定期試験時毎に提出することを薦める.

<学業成績の評価方法および評価基準>
 前期中間,前期末,後期中間,学年末の各試験および化学実験評価の平均点で,80%の評価をする.ただし,前期中間,前期末,後期中間の3回の試験のそれぞれについて60点に達していない者には再試験を課し,再試験の成績が再試験の対象となった試験の成績を上回った場合には,60点を上限としてそれぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.また,授業中に行う演習問題の可否に対して20%の評価をする。
その他,授業中における質疑応答,演習問題への取り組み,「ニューレッツトライノート」の学習状況等を評価して加味する.

<単位修得要件>
 学業成績で60点以上を取得すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ◆物質の状態
化学結合と結晶の性質,金属結晶,イオン結晶の構造
2.金属結晶,イオン結晶の性質について理解し,原子半径,充填率,密度が計算できる.
2週 共有結晶の構造,分子間力と分子結晶,非晶質 1.イオン結合,共有結合,金属結合の性質について理解できる.
3.共有結晶,分子結晶,非晶質の性質について理解できる.
3週 物質の三態とその変化,気液平衡と蒸気圧 4.物質の三態,状態変化に伴う熱について理解し,熱量が計算できる.
5.気体の圧力,飽和蒸気圧と蒸気圧曲線について理解できる.
4週 気体の体積変化 6.ボイル,シャルル,ボイル-シャルルの法則,気体の状態方程式について理解し,公式を用いた計算ができる.
5週 気体の状態方程式 7.混合気体について理解し,全圧,分圧が計算できる.
6週 溶解と溶液 8.溶解,固体の溶解度,気体の溶解度について理解し,結晶の析出量が計算できる.
7週 ◆物質の変化と平衡
希薄溶液の性質,コロイド溶液
9.希薄溶液の性質,コロイドの性質について理解できる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 反応熱と熱化学方程式 10.反応熱の種類と熱化学方程式について理解できる.
10週 ヘスの法則と結合エネルギー 11.ヘスの法則と結合エネルギーについて理解し,反応熱が計算できる.
11週 電池 12.電池のしくみと電気分解について理解し,量的関係が計算できる.
12週 電気分解 12.電池のしくみと電気分解について理解し,量的関係が計算できる.
13週 化学反応の速さと濃度・圧力・温度 13.反応速度の表し方,反応速度と活性化エネルギー,触媒の役割について理解できる.
14週 触媒,可逆変化と平衡,平衡状態の変化と平衡移動 14.化学平衡,平衡移動,ルシャトリエの原理について理解できる.
15週 平衡定数,電離平衡 15.平衡定数,電離平衡ついて理解し,公式を用いた計算ができる.
16週
後期
3rdQ
1週 ◆有機化合物
特徴と分類,化学式の決定
16.代表的な脂肪族化合物の特徴,性質,分析法について理解できる.
2週 飽和炭化水素,不飽和炭化水素 16.代表的な脂肪族化合物の特徴,性質,分析法について理解できる.
3週 アルコールとエーテル,アルデヒドとケトン 16.代表的な脂肪族化合物の特徴,性質,分析法について理解できる.
4週 カルボン酸とエステル,油脂とセッケン 16.代表的な脂肪族化合物の特徴,性質,分析法について理解できる.
5週 芳香族炭化水素,酸素を含む芳香族化合物 17.代表的な芳香族化合物の特徴,性質について理解できる.
6週 窒素を含む芳香族化合物
(有機化合物については内容を抜粋して行う.)
17.代表的な芳香族化合物の特徴,性質について理解できる.
7週 ◆無機物質
非金属元素の単体とその化合物
18.代表的な非金属元素の性質について理解できる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 典型金属元素の単体とその化合物 19.代表的な金属元素の性質について理解できる
10週 遷移元素の単体とその化合物
(無機物質については内容を抜粋して行う.)
19.代表的な金属元素の性質について理解できる
11週 ◆化学実験
化学実験ガイダンス
20.各実験テーマを理解して,実験の方法や実験器具の扱い方を身に付ける.
12週 化学実験 20.各実験テーマを理解して,実験の方法や実験器具の扱い方を身に付ける.
21.実験結果を整理して,実験レポートを作成できる.
13週 化学実験 20.各実験テーマを理解して,実験の方法や実験器具の扱い方を身に付ける.
21.実験結果を整理して,実験レポートを作成できる.
14週 化学実験 20.各実験テーマを理解して,実験の方法や実験器具の扱い方を身に付ける.
21.実験結果を整理して,実験レポートを作成できる.
15週 化学実験 20.各実験テーマを理解して,実験の方法や実験器具の扱い方を身に付ける.
21.実験結果を整理して,実験レポートを作成できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3後1,後4,後5,後6,後7,後9,後10
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3後1,後4,後5,後6,後7,後9,後10
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前3
水の状態変化が説明できる。3前3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前4,前5
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前4,前5
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前1,前2
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前1,前2
共有結合について説明できる。3前2
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前1
金属の性質を説明できる。3前1
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前6
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前6
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前6
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3前14
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3前14
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3前14
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3前15
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3前15
中和滴定の計算ができる。3前15
酸化還元反応について説明できる。3前11,前12
イオン化傾向について説明できる。3前11,前12
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3前11,前12
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3前11
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3前11
一次電池の種類を説明できる。3前11
二次電池の種類を説明できる。3前11
電気分解反応を説明できる。3前12
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3前12
ファラデーの法則による計算ができる。3前12
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3後11
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3後11
測定と測定値の取り扱いができる。3後12,後13,後14,後15
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3後12,後13,後14,後15
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3後12,後13,後14,後15
ガラス器具の取り扱いができる。3後12,後13,後14,後15
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3後12,後13,後14,後15
試薬の調製ができる。3後12,後13,後14,後15
代表的な気体発生の実験ができる。3後12,後13,後14,後15
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3後12,後13,後14,後15

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合80200000100
配点80200000100