微分方程式,確率統計,フーリエ解析、複素関数論に関して,それらの基本的事項を理解し,工学上の応用問題を解決するための数学的知識と計算技術を習得すること.
概要:
微分方程式,確率統計,フーリエ解析、複素関数論は,あらゆる工学の基礎であり,技術者にとって重要な応用数学の一分野である.したがって,微分方程式に関しては,基本的な性質や一般的な解法を理解し,それらを運用できることが必要である.また,確率統計,フーリエ解析、複素関数論に関しても,それらの基礎を理解し,工学上の応用問題を解決できる能力を養うことが必要である.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<基礎>およびJABEE基準1(2)(c)に相当する.
・授業は講義形式とする.
・授業計画における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
〈到達目標の評価方法と基準〉下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を2回の中間試験,2回の定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における各「到達目標」の重みは概ね均等とする.評価結果が100点法で60点以上の場合に,目標の達成とする.
〈学業成績の評価方法および評価基準〉前期中間・前期末・後期中間・学年末の,計4回の試験結果の平均点を最終評価とする.成績不振者に対し,レポート・補講を課した後の再試験を実施する場合がある.ただし,学年末試験についての再試験は実施しない.
〈単位修得条件〉学業成績で60点以上を取得すること.
〈あらかじめ要求される基礎知識の範囲〉微分積分学,線形代数,順列と組み合せに関する基本的な理解が必要である.また,本教科の学習には,とくに「微分積分Ⅰ」「微分積分Ⅱ」の習得が必要である.
〈自己学習〉授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験,復習テストのための学習も含む)及びレポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
〈備考〉微分方程式,確率統計,フーリエ解析,複素関数論は,あらゆる工学の基礎であり,技術者にとって重要な応用数学の一分野である.基本的な例題を理解し,問題演習(トレーニング)に取り組むことが大切である. また,本教科は後に学習する「応用数学Ⅱ」に強く関連する教科である.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
微分方程式と解 |
1.微分方程式の一般解,特殊解,特異解について理解している.
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2週 |
変数分離形 |
2.変数分離形の微分方程式を解くことができる.
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3週 |
同次形 |
3.同次形の微分方程式を解くことができる.
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4週 |
線形微分方程式 |
4. 1階線形微分方程式を解くことができる.
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5週 |
完全微分形 |
5.完全微分形の微分方程式を解くことができる
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6週 |
1階微分方程式の応用例 |
6.基本的な初期値問題と境界値問題を解くことができる.
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7週 |
定数係数2階線形微分方程式 |
7.定数係数の2階斉次線形微分方程式を解くことができる.
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8週 |
中間試験 |
これまでに学習した内容を理解し,微分方程式に関する具体的な問題を解くことができる.
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2ndQ |
9週 |
微分方程式についての補足 |
これまでの学習と試験の結果を振り返り,微分方程式への理解を深めることができる.
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10週 |
試行と事象、確率の意味 |
8.確率の定義と基本的性質を理解し,計算ができる.
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11週 |
確率の計算, 独立事象 |
8.確率の定義と基本的性質を理解し,計算ができる.
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12週 |
確率変数と確率分布,平均値・分散・標準偏差 |
9.確率分布の期待値,分散,標準偏差を理解している.
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13週 |
二項分布 |
10.二項分布を理解している.
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14週 |
1変量の平均値・分散 |
11.1変量の平均値,分散,標準偏差を理解している.
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15週 |
2変量の相関,回帰直線 |
12.2変量での相関係数,回帰直線を理解している.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
母集団と標本,連続型確率分布 |
13.記述統計と推定統計の概念を理解できる.
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2週 |
正規分布 |
14.正規分布を理解し、応用することができる.
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3週 |
二項分布の正規分布による近似 |
14.正規分布を理解し、応用することができる.
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4週 |
周期2πの関数のフーリエ級数 |
15.周期関数のフーリエ級数を求めることができる.
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5週 |
一般の周期関数のフーリエ級数 |
15.周期関数のフーリエ級数を求めることができる.
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6週 |
複素フーリエ級数,微分方程式への応用 |
16.周期関数の複素フーリエ級数を求めることができる.
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7週 |
フーリエ変換の定義と性質 |
17.フーリエ変換の定義と基本的な性質を理解できる.
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8週 |
後期中間試験 |
これまでに学習した内容を理解し,統計,フーリエ級数に関する問題を解くことができる.
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4thQ |
9週 |
フーリエ変換と積分定理 |
17.フーリエ変換の定義と基本的な性質を理解できる.
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10週 |
偏微分方程式への応用 |
18.フーリエ解析と偏微分方程式について答えることができる.
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11週 |
スペクトル |
19.フーリエ解析と波形分析について答えることができる.
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12週 |
複素数と極形式 |
20.複素数の極形式を理解できる.
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13週 |
複素関数 |
21.複素関数の概念を理解し,計算ができる.
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14週 |
正則関数 |
22.正則関数の概念を理解し,計算ができる.
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15週 |
コーシー・リーマンの関係式 |
23.コーシー・リーマンの関係式を理解し,複素関数の正則性を判定することができる.
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。 | 3 | |
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。 | 3 | |
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。 | 3 | |
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。 | 3 | |
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。 | 3 | |
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。 | 3 | |
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。 | 3 | |
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。 | 3 | |
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。 | 3 | |
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。 | 3 | |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 3 | |
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。 | 3 | |
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 3 | |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 3 | |
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 3 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 3 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 3 | |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 3 | |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 3 | |
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。 | 3 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 3 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 3 | |