集積回路工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 集積回路工学
科目番号 0087 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:集積回路工学(安永守利 著,森北出版)
担当教員 伊藤 明

到達目標

・MOSトランジスタやCMOS回路について学習することで,今までブラックボックスとして扱っていた集積回路の動作原理を理解する.
・「ディジタル回路」で学習したANDやNOT,D-FF等がどのような回路で実現されているか理解し,設計できるようになる.
・集積回路の設計・製造手法について理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1集積回路の動作原理に関する物性的な問題を解くことができる.集積回路の基本的な動作原理に関する問題を解くことができる.集積回路の動作原理について理解していない.
評価項目2応用的なデジタルCMOS回路を設計することができる.基本論理素子を組み合わせたCMOS回路を設計することができる.基本論理素子がどのような回路で実現されているか理解していない.
評価項目3集積回路の設計・製造手法に関する問題を解くことができる.集積回路の設計・製造手法について説明することができる.集積回路の設計・製造手法について説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
集積回路はパソコン等のOA機器だけでなく,携帯電話,デジタルカメラ,テレビ,エアコン等,多くの家電製品で使用されており,産業界ではこれらの設計をできる人材の育成が求められている.そこで本講義では,MOSトランジスタの動作原理だけでなく,電子情報工学科出身の学生が会社等で実際に集積回路を設計する上で必要となる知識を習得する.
<学習の目的>
・集積回路の動作原理を理解する.
・集積回路を設計する上で必要となる回路に関する知識,製造プロセスに関する知識を習得する.
・近年のプロセス微細化に伴うムーアの法則の崩壊,消費電力増大の問題を理解し,将来的にそれらの問題に立ち向かえる基礎知識を身につける.
授業の進め方・方法:
全体の週において,学習・教育到達目標の(B)<専門>およびJABEE 基準1.2(d)(1)に対応する.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
「知識・能力」の確認を中間試験,期末試験で行う.達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等である.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
中間試験・定期試験の2回の試験の平均点を80%、レポート課題20%で評価する.再試験は行わない.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
本教科は3年生で開講されている電子工学,3年生および4年生で開講されている電気磁気学および電気回路論の学習が基礎となる教科である.
<自己学習>
授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)及びレポート課題提出に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 集積回路と論理ゲート 1. スイッチや可変抵抗を用いて論理ゲートの基本を説明できる
2週 半導体物性の基礎 2. シリコン基板、pn接合の基礎を説明できる
3週 トランジスタの基礎 3. MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタの基本動作を説明できる
4週 トランジスタによる論理回路(その1) 4. MOSトランジスタによる論理回路の基本が説明できる
5週 トランジスタによる論理回路(その2) 5. バイポーラトランジスタによる論理回路の基本が説明できる
6週 動作速度(その1) 6. CMOS論理ゲート間の動作解析モデルの基本を説明できる
7週 動作速度(その2) 7. CMOS論理ゲートの動作速度の基本を説明できる
8週 中間試験 これまでに学習した内容を説明し,基本的なCMOS回路の動作を説明できる.
4thQ
9週 消費電力 8. 消費電力の概要を説明できる
10週 スケーリング則 9. 記憶回路の概要を説明できる
11週 SRAM 10. SRAMの基本動作を説明できる
12週 DRAM 11. DRAMの基本動作を説明できる
13週 フラッシュメモリ 12. フラッシュメモリの基本動作を説明できる
14週 LSIの構造と設計方法 13. LSIの構造と設計方法の概要を説明できる
15週 集積回路の実装 14. 検査と実装の概要を説明できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合80200000100
配点80200000100