到達目標
物理学の主要分野である古典力学,電気学,波動学の基本的な内容を理解し,関連する基本的な計算ができ,与えられた課題に関しては実験を遂行した上で適切にレポートをまとめることができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 古典力学に関する応用的な問題を解くことができる. | 古典力学に関する基本的な問題を解くことができる. | 古典力学に関する応用的な問題を解くことができない. |
評価項目2 | 電気学に関する応用的な問題を解くことができる. | 電気学に関する基本的な問題を解くことができる. | 電気学に関する基本的な問題を解くことができない. |
評価項目3 | 波動学に関する応用的な問題を解くことができる. | 波動学に関する基礎的な問題を解くことができる. | 波動学に関する基礎的な問題を解くことができない. |
評価項目4 | 指示書に従い実験およびレポートの作成を期限内に行うことができる. | 指示書に従い実験およびレポートの作成を行うことができる. | 指示書に従い実験およびレポートの作成を行うことができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
物理学は工学全般を学ぶ上で最も重要な基礎科目である.物理学の本質を捉えるためには,数学に基づいて論理的に構成された理論の構築と,その実験的検証が必要である.
この授業では,1学年に引き続き高等学校程度の物理学を学ぶ.物理の問題を自分で考えて解く力を養うと同時に,実験において物理学のいくつかのテーマを取り上げ,体験を通して自然界の法則を学ぶことを目的とする.
授業の進め方・方法:
前後期共に第1週~第15週の内容はすべて,学習・教育目標(B)<基礎>に相当する
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
到達目標1~17が習得できたかの評価は定期試験(中間試験2回,期末試験3回),演習課題の評価によって行う.なお、定期試験における1~17の重みは概ね同じである.到達目標18と19に関しては,実験状況および実験レポートにて評価を行う.学業評価における各到達目標の重みは,1~17を3/4,18と19を1/4とし,これらの総合評価が100点法で60点以上の場合に目標の達成とする.試験問題のレベルは高等学校程度である.
<学業成績の評価方法および評価基準>
{(前期中間・前期末・後期中間・学年末試験(波分野)またはそれに代わる再試験(上限60点,各試験につき1回限り)の結果)×1+(学年末試験(電気分野))×0.5+(実験評価)×1.5+(課題の評価)}÷6を学業成績の総合評価とする.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
1年生までに習った物理および数学(とりわけベクトル,三角関数),およびレポート作成に必要な一般的国語能力を必要とする.本教科は1年時の物理の学習が基礎となる教科である.
<レポート等>
実験に関しては毎回レポートの提出を求める.講義に関しては,演習課題を課す.
<備考>
物理においては,これまでに習得した知識・能力を基盤とした上でしか新しい知識・能力は身に付かない.演習課題や実験レポートは確実にこなして,新しい知識・能力を確かなものにすること.本教科は後に学習する「応用物理Ⅰ」の基礎となる科目である.
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
平面内の運動/クーロンの法則 |
1. ベクトルによる速度の概念が理解できる.9. クーロン力を求めることができる.
|
2週 |
落体の運動/電界 |
2. 放物運動に関する計算ができる.10. 電界を説明し,計算できる.
|
3週 |
剛体にはたらく力のモーメント、剛体のつり合い/電位 |
3. 力のモーメントを理解し,計算ができる.11. 電位を説明し,計算できる.
|
4週 |
剛体にはたらく力の合成、偶力/電界と電位の関係,等電位面,導体と電界・電位 |
3. 力のモーメントを理解し,計算ができる.12. 電界と電位について説明できる.
|
5週 |
重心、物体が倒れない条件/電気容量 |
3. 力のモーメントを理解し,計算ができる.13. 電気容量を計算できる.
|
6週 |
運動量、運動量の変化と力積/平行板コンデンサー |
4. 運動量と力積の関係が理解できる.14. 平行板コンデンサーの諸量を計算できる.
|
7週 |
運動量の保存/コンデンサーが蓄えるエネルギー |
5. 運動量保存の法則に関する計算ができる.15. コンデンサーが蓄えるエネルギーを計算できる.
|
8週 |
前期中間試験 |
これまでに学習した内容について理解している。
|
2ndQ |
9週 |
反発係数/コンデンサーの接続 |
5. 運動量保存の法則に関する計算ができる.16. コンデンサーを含む回路について記述できる.
|
10週 |
円運動/磁気力と磁界,電流がつくる磁界 |
6. 円運動,単振動に関する計算ができる.17. 磁気力と磁界の概念を理解し,記述できる.
|
11週 |
慣性力/電流が磁界から受ける力 |
6. 円運動,単振動に関する計算ができる.、7. 慣性力の概念が理解できる.18. 電流が磁界から受ける力を記述できる.
|
12週 |
単振動、単振動の変位・速度・加速度、復元力/ローレンツ力 |
6. 円運動,単振動に関する計算ができる.19. ローレンツ力を説明できる.
|
13週 |
ばね振り子、単振り子、単振動の力学的エネルギー/電磁誘導の法則 |
6. 円運動,単振動に関する計算ができる.20. 電磁誘導を理解し,必要な計算ができる.
|
14週 |
惑星の運動,万有引力/磁界中を運動する導体の棒 |
8. 万有引力および重力の概念が理解できる.21. 磁界中を運動する導体の棒について記述できる.
|
15週 |
重力,人工衛星、万有引力による位置エネルギー,万有引力を受けて運動する物体の運動/自己誘導と相互誘導 |
8. 万有引力および重力の概念が理解できる.22. 自己誘導と相互誘導を説明できる.
|
16週 |
|
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
実験のガイダンス(指導書「物理・応用物理実験」を使用) |
実験遂行上の注意,実験室でのマナーを理解できる.
|
2週 |
長さ測定の実習 |
23.実験内容を理解し、適切に遂行することができる.
|
3週 |
長さ測定のレポート作成 |
24.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる.
|
4週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.単振動 |
23.実験内容を理解し、適切に遂行することができる.
|
5週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.単振動 |
24.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる.
|
6週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.単振動 |
23.実験内容を理解し、適切に遂行することができる
|
7週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.単振動 4.音速測定 のレポート作成 |
24.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる.
|
8週 |
後期中間試験 |
これまでに学習した内容について理解している。
|
4thQ |
9週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.単振動 |
23.実験内容を理解し、適切に遂行することができる.
|
10週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.単振動 |
24.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる.
|
11週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.単振動 |
23.実験内容を理解し、適切に遂行することができる.
|
12週 |
1.摩擦係数測定 2.向心力 3.単振動 |
24.実験結果を整理・分析し、レポートにまとめることができる.
|
13週 |
実験の反省 |
25. 実験したテーマの物理法則を説明できる.
|
14週 |
波の伝わり方 |
26. 波の要素を理解し,正弦波,縦波と横波を説明できる.
|
15週 |
波の性質 |
27. 波の性質を踏まえて定常波を説明できる.
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 3 | |
電場・電位について説明できる。 | 3 | |
クーロンの法則が説明できる。 | 3 | |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 3 | |
物理実験 | 物理実験 | 力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 実験 | 相互評価 | 態度 | 発表 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 75 | 25 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
配点 | 75 | 25 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |