情報通信ネットワーク

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 情報通信ネットワーク
科目番号 0094 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 特になし参考書: 「TCP/IPで学ぶネットワークシステム」 小高知宏著(森北出版),     「コンピュータネットワーク」 宮原・尾家著(森北出版)     「情報通信システム」 岡田・桑原著(コロナ社)
担当教員 飯塚 昇

到達目標

情報通信ネットワークの基礎となる知識・技術を理解し,合わせて情報通信ネットワークにおける倫理や,最新動向について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1無線通信ネットワークの基礎的な技術を移動体通信に応用できる.無線通信ネットワークの基礎的な技術を説明できる.無線通信ネットワークの基礎的な技術を説明できない.
評価項目2インターネットの各層のプロトコルをネットワーク設計に応用できる. インターネットの各層の基本的なプロトコルを説明できる.インターネットの各層の基本的なプロトコルを説明できない.
評価項目3ネットワークの最新技術の応用について説明ができる.ネットワーク技術の最新動向について基本的な説明ができる.ネットワーク技術の最新動向について基本的な説明ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
情報通信ネットワークのネットワークインタフェース層,インターネット層,トランスポート層及びアプリケーションで用いられる規約や技術と,インターネットや携帯電話に代表される最新の情報伝送技術を理解し,実務に応用できる基礎知識を身につけることを目的とする.この科目は企業でネットワークの研究開発を担当していた教員が,その経験を生かし無線通信ネットワークの基礎理論やネットワークのプロトコルについて講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>およびJABEE基準1.2(d)(2)a)に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
授業計画の各到達目標を網羅した問題を前期末試験、後期中間試験、学年末試験の3回に出題し,目標の達成度を評価する.評価結果が百点法で60点以上の場合を目標の達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>
前期中間・前期末・後期中間・学年末の4回の試験の成績の平均点を80%,レポートを20%として学業成績を評価する.期限遅れのレポートは0点とする.再試験を行う場合がある.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
コンピュータの基礎事項を理解していること.さらに,微分積分,確率統計の基礎知識があれば申し分ない.本教科は,電気電子基礎,電子機器学,プログラム設計,データ構造とアルゴリズムの学習が基礎となる教科である.
<自己学習>授業で保障する学習時間と予習・復習(中間試験,定期試験のための学習を含む)に必要な標準的な学習時間の総計が90時間に相当する学習内容である.
<注意事項>特に進歩の著しい情報通信ネットワーク分野を対象とするため,普段の生活における様々な事象と習得した知識・技術とを結びつけようとする姿勢を期待する.本教科は後に学習する情報理論Ⅰ,情報理論Ⅱ,情報通信工学特論(専攻科),データ処理システム(専攻科)の基礎となる教科である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ディジタル変復調 1.各種ディジタル変調方式の特徴を説明できる.
2週 平均送信電力と誤り率特性 2.各種ディジタル変調方式の平均送信電力とQPSKの誤り率を求めることができる.
3週 時間領域表示と周波数領域表示 3.時間領域と周波数領域の関係を説明できる.
4週 標本化定理 4.標本化定理を説明できる.
5週 フェーディングとダイバーシティ 5.フェーディングチャネルとダイバーシティの効果を説明できる.
6週 FEC 6.FECの概要を説明できる.
7週 まとめと演習 1週~6週の内容を説明できる.
8週 ナイキスト基準 7.ナイキスト基準を説明できる.
2ndQ
9週 マルチキャリア伝送 8.フェーディングチャネルにおけるマルチキャリア伝送の効果を説明できる.
10週 TDMAとFDMA 9.TDMAとFDMAの特徴を説明できる.
11週 スペクトル拡散とCDMA 10.スペクトル拡散方式の特徴を説明できる.
12週 半二重と全二重、FDDとTDD 11.半二重と全二重の違いや各種デュプレクス方式の特徴を説明できる.
13週 ARQ 12.ARQの概要を説明できる.
14週 MIMOとOFDM 13.MIMOとOFDMの概要を説明できる.
15週 まとめと演習 8週~14週の内容を説明できる.
16週
後期
3rdQ
1週 ネットワークとプロトコル 13.プロトコルの概念を説明できる.
2週 OSIの参照モデル 14.プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる.
3週 TCP/IPの階層モデル 15.TCP/IPの各階層について、役割を説明できる.
4週 インターネット層(1) 16.インターネット層の標準的な規約や技術を説明できる.
5週 インターネット層(2) 16.インターネット層の標準的な規約や技術を説明できる.
6週 インターネット層(3) 16.インターネット層の標準的な規約や技術を説明できる.
7週 まとめと演習 1週~6週の内容を説明できる.
8週 後期中間試験 1週~7週の内容を説明できる.
4thQ
9週 ルーティングプロトコル 17.ルーティングプロトコルの動作を説明できる.
10週 トランスポート層(1) 18.トランスポート層の標準的な規約や技術を説明できる.
11週 トランスポート層(2) 18.トランスポート層の標準的な規約や技術を説明できる.
12週 アプリケーションのプロトコル 19.代表的なアプリケーションのプロトコルを説明できる.Socketの使い方を説明できる.サーバの構築方法を説明できる.
13週 ネットワークインタフェース層と携帯電話ネットワークの概要 20.ネットワークインタフェース層の標準的な規約や技術を説明できる.携帯電話ネットワークの概要を説明できる.
14週 セキュリティとネットワークの倫理  学習・教育目標(A) 21.セキュリティ技術について説明できる.ネットワークの倫理的な側面を理解できる.<技術者倫理>(JABEE基準1(2)(b)))
15週 まとめと演習 9週~14週の内容を説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。4
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。4
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。4
インターネットの概念を説明できる。4
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。4
主要なサーバの構築方法を説明できる。4
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。4
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。4
無線通信の仕組みと規格について説明できる。4
有線通信の仕組みと規格について説明できる。4
SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる。4
基本的なルーティング技術について説明できる。4
基本的なフィルタリング技術について説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合80200000100
配点80200000100