集積回路工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 集積回路工学
科目番号 0104 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:なし(授業資料をPDFで配布) 参考書:LSI工学(小谷教彦・西村正著,森北出版)
担当教員 佐々木 敬泰

到達目標

・MOSトランジスタやCMOS回路について学習することで,今までブラックボックスとして扱っていた集積回路の動作原理を理解する.
・「ディジタル回路」で学習したANDやNOT,D-FF等がどのような回路で実現されているか理解し,設計できるようになる.
・集積回路の設計・製造手法について理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1集積回路の動作原理に関する物性的な問題を解くことができる.集積回路の基本的な動作原理に関する問題を解くことができる.集積回路の動作原理について理解していない.
評価項目2応用的なデジタルCMOS回路を設計することができる.基本論理素子を組み合わせたCMOS回路を設計することができる.基本論理素子がどのような回路で実現されているか理解していない.
評価項目3集積回路の設計・製造手法に関する問題を解くことができる.集積回路の設計・製造手法について説明することができる.集積回路の設計・製造手法について説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
集積回路はパソコン等のOA機器だけでなく,携帯電話,デジタルカメラ,テレビ,エアコン等,多くの家電製品で使用されており,産業界ではこれらの設計をできる人材の育成が求められている.そこで本講義では,MOSトランジスタの動作原理だけでなく,電子情報工学科出身の学生が会社等で実際に集積回路を設計する上で必要となる知識を習得する.
<学習の目的>
・集積回路の動作原理を理解する.
・集積回路を設計する上で必要となる回路に関する知識,製造プロセスに関する知識を習得する.
・近年のプロセス微細化に伴うムーアの法則の崩壊,消費電力増大の問題を理解し,将来的にそれらの問題に立ち向かえる基礎知識を身につける.
授業の進め方・方法:
全体の週において,学習・教育到達目標の(B)<専門>およびJABEE 基準1(2)(d)(1)に対応する.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
「知識・能力」の確認を中間試験,期末試験で行う.達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等である.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
中間試験・定期試験の2回の試験の平均点で評価する.再試験は行わない.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
本教科は3年生で開講されている電子工学,3年生および4年生で開講されている電気磁気学および電気回路論の学習が基礎となる教科である.
<自己学習>
授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)及びレポート課題提出に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<注意事項>
講義資料を事前に公開し,学生が予習できるようにする.また,授業の初めに前回の講義内容を簡単に復習し,その週の講義内容を理解しやすくする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 集積回路とは? 1. 集積回路の機能や定義を説明できる
2週 スタティックCMOS論理回路 2. スタティックCMOS回路の原理を説明できる
3週 メモリ素子 3. メモリ素子、記憶素子の原理を説明できる
4週 MOSトランジスタのデバイス構造(その1) 4. MOS構造とそのバンド構造が説明できる
5週 MOSトランジスタのデバイス構造(その2) 5. CMOS回路の動作原理を説明できる
6週 ダイナミックCMOS論理回路 6. ダイナミック回路の動作原理を説明できる
7週 集積回路の設計手法 7. 集積回路の設計手法を説明できる
8週 中間試験 これまでに学習した内容を説明し,基本的なCMOS回路の設計ができる.
4thQ
9週 レイアウト 8. CMOS回路のレイアウト設計手法を説明できる
10週 集積回路の動作速度と消費電力 9. 集積回路の設計手法を説明できる動作速度と消費電力を求められる
11週 回路シミュレーション(その1) 10. 回路シミュレーションの原理について説明できる
12週 回路シミュレーション(その2) 11. デジタル回路のネットリストを設計できる
13週 製造/テスト 12. 集積回路の製造、テスト技術について説明できる
14週 リコンフィギュラブル・デバイス 13. リコンフィギュラブル・デバイスの原理、及び設計方法について説明できる
15週 最近の集積回路 14. 現在の集積回路の課題や各業界の取り組みについて説明できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学英語英語運用の基礎となる知識聞き手に伝わるよう、句・文における基本的なリズムやイントネーション、音のつながりに配慮して、音読あるいは発話できる。3
明瞭で聞き手に伝わるような発話ができるよう、英語の発音・アクセントの規則を習得して適切に運用できる。3
中学で既習の語彙の定着を図り、高等学校学習指導要領に準じた新出語彙、及び専門教育に必要となる英語専門用語を習得して適切な運用ができる。3
中学で既習の文法や文構造に加え、高等学校学習指導要領に準じた文法や文構造を習得して適切に運用できる。3
英語運用能力の基礎固め日常生活や身近な話題に関して、毎分100語程度の速度ではっきりとした発音で話された内容から必要な情報を聞きとることができる。3
日常生活や身近な話題に関して、自分の意見や感想を基本的な表現を用いて英語で話すことができる。3
説明や物語などの文章を毎分100語程度の速度で聞き手に伝わるように音読ができる。3
平易な英語で書かれた文章を読み、その概要を把握し必要な情報を読み取ることができる。3
日常生活や身近な話題に関して、自分の意見や感想を整理し、100語程度のまとまりのある文章を英語で書くことができる。3
母国以外の言語や文化を理解しようとする姿勢をもち、実際の場面で積極的にコミュニケーションを図ることができる。3
実際の場面や目的に応じて、基本的なコミュニケーション方略(ジェスチャー、アイコンタクト)を適切に用いることができる。3
英語運用能力向上のための学習英語でのディスカッション(必要に応じてディベート)を想定して、教室内でのやり取りや教室外での日常的な質問や応答などができる。3
英語でディスカッション(必要に応じてディベート)を行うため、学生自ら準備活動や情報収集を行い、主体的な態度で行動できる。3
母国以外の言語や文化を理解しようとする姿勢をもち、教室内外で英語で円滑なコミュニケーションをとることができる。3
関心のあるトピックについて、200語程度の文章をパラグラフライティングなど論理的文章の構成に留意して書くことができる。3
関心のあるトピックや自分の専門分野のプレゼン等にもつながる平易な英語での口頭発表や、内容に関する簡単な質問や応答などのやりとりができる。3
実際の場面や目的に応じて、効果的なコミュニケーション方略(ジェスチャー、アイコンタクト、代用表現、聞き返しなど)を適切に用いることができる。3
工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合10000000100
配点10000000100