数学特講Ⅱ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 数学特講Ⅱ
科目番号 0108 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:担当教員自作の授業プリント、編入数学徹底研究,桜井基春著(聖文新社)
担当教員 堀江 太郎

到達目標

微分積分・微分方程式の理論の基礎となる解析学の知識を理解し,それに基づいて多変数の場合を含む微分積分の具体的な問題を解くことができ,大学編入学後に必要となる知識を体系的に身につける.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目11変数関数の微分・積分を理解し,応用問題を解くことができる.1変数関数の微分・積分の基本的な問題を解くことができる.1変数関数の微分・積分の基本的な問題を解くことができない.
評価項目2多変数関数の偏微分・重積分を理解し,応用問題を解くことができる.多変数の偏微分・重積分の基本的な問題を解くことができる.多変数関数の微分・積分の基本的な問題を解くことができない.
評価項目3発展的な微分方程式を解くことができる.基本的な微分方程式を解くことができる.基本的な微分方程式を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
すでに一通り学習している微分積分学を編入学試験などの応用問題を通じて復習し,より一層の理解を深める.また,低学年の授業では扱い切れなかった連続性や微分可能性などの高度な内容も扱う.1変数関数の微積分と多変数関数の微積分とからなる.
授業の進め方・方法:
すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<基礎>に対応する.
「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で修得する「知識・能力」に相当するものとする.
資料の配布,課題の提出(小テスト)等はmoodle,Teamsを利用して行う.学内無線LANにつながる端末を準備するとよい(原則は対面授業).
注意点:
<到達目標の評価方法と基準> 下記授業計画の「到達目標」の習得の度合を中間試験,期末試験及び小テストにより評価する.各項目の重みは概ね授業時間に比例する.評価結果において,100点法で60点以上の成績を取得したとき目標を達成したとする.
<学業成績の評価方法および評価基準> 中間・期末の各試験の平均点を60%,毎回の課題(または小テスト)の成績を40%として,それぞれの期間毎に評価し,これらの平均値を最終評価とする.なお、再試験は原則実施しない.
<単位修得要件> 学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲> 微分積分Ⅰ・Ⅱで学習した全ての内容の修得が必要である.
<課題・小テスト> 毎回の授業の最後に理解度を確認するための課題や小テストを課す.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 導関数,高次導関数 1. 高次導関数の計算ができる.
2週 平均値の定理,不定形の極限 2. ロピタルの定理や漸近展開を利用し,不定形の極限が計算できる.
3週 テイラーの定理 3. 関数のテイラー展開やマクローリン展開を求めることができる.
4週 関数の連続性と微分可能性 4. 関数の連続性と微分可能性を理解し,具体的な問題に応用ができる.
5週 2変数の関数,偏微分と全微分 5. 2変数関数の連続性・全微分可能性を理解し,偏微分・全微分を求めることができる.
6週 高次偏導関数,合成関数の偏微分 6. 高次偏導関数,合成関数の偏微分の計算ができる.
7週 2変数関数の極値,陰関数定理 7. ヘッシアン,ラグランジュの乗数法を用いて,2変数関数の極値を求めることができる.
8週 中間試験 上記1.~7.
4thQ
9週 不定積分の計算 8. いろいろな1変数関数の積分を計算することができる.
10週 定積分,図形への応用 9. リーマン和による定積分の定義を理解している.
10. サイクロイド,カージオイドなどの媒介変数表示された曲線に関するさまざまな問題を解ける.
11週 2重積分の定義,2重積分の計算 11. 累次積分により,重積分を計算することができる.また、累次積分の積分の順序を交換できる.
12週 2重積分の変数変換 12. 変数変換を利用し,重積分を計算することができる.また重積分の計算を利用し,様々な立体の体積や曲面積を求めることができる
13週 1階線形微分方程式 13. 1階の微分方程式を解くことができる
14週 2階線形微分方程式 14. 2階の微分方程式を解くことができる
15週 複素関数論の初歩1:コーシー・リーマンの関係式,複素線積分 15. 複素解析関数を理解し,その微分や積分を算できる
16週 複素関数論の初歩2:コーシーの積分定理,留数定理 16. 複素線積分(経路積分)の値を留数定理などを用いて計算できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3

評価割合

定期試験課題・小テスト合計
総合評価割合6040100
配点6040100