画像処理工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 画像処理工学
科目番号 0113 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「コンピュータ画像処理」田村秀行(オーム社)
担当教員 青山 俊弘

到達目標

画像情報処理の基礎となるデジタル画像の概念,直交変換を理解し,画像の画質改善,再構成,抽出,認識などの基本的な画像処理アルゴリズムを理解し,説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1デジタル画像の概念,直交変換に関する問題を解くことができる.デジタル画像の概念,直交変換について説明することができる.デジタル画像の概念,直交変換について説明することができない.
評価項目2基本的な画像処理アルゴリズムに関する問題を解くことができる.基本的な画像処理アルゴリズムについて説明することができる.基本的な画像処理アルゴリズムについて説明することができない.
評価項目3メディア情報の主要な表現形式や処理技法に関する問題を解くことができる.メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明することができる.メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
これまで学んできた情報関連科目の応用として,画像処理への応用について学ぶ.コンピュータ画像処理は画質改善や特徴抽出,CG,動画像処理など多岐に渡るが,本科目では主に入力,出力がともに画像である場合(画像処理)について学ぶ.3年生の「データ構造とアルゴリズム」の基本的なアルゴリズム,4年生の「基礎制御工学」のフーリエ変換,畳み込み,伝達関数の概念,「数値計算」の行列計算などを画像処理に適用し,どのような効果が得られるかを理解する
授業の進め方・方法:
すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>および JABEE基準1.2(a)(d)に対応する.
「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする
注意点:
教科書を中心に講義するが,他の参考資料も使いながら講義を行う.適宜Moodleを活用する.プログラム演習としてpythonによる画像処理アルゴリズムの実装を行う.本教科は後に学習するヒューマンインターフェース(専攻科)と強く関連する教科である.
<到達目標の評価方法と基準>
授業計画の「達成目標」1~24を網羅した問題を定期試験およびレポートで出題し、目標の達成度を評価する。達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等とする。合計点の60%の得点で、目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
前期末、学年末の試験の平均を60%,レポートを40%で評価する。再試験は行わない。
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<自己学習>授業で保証する学習時間と、予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)に必要な標準的な学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 コンピュータによる画像処理 1. 画像データのデジタル化について理解する
2週 画像データの取り扱い 2. コンピュータによる画像データの扱いについて理解する.
3週 周波数領域での処理 3. 画像データの周波数領域での扱いについて理解する.
離散フーリエ変換の計算ができる.
4週 その他の直交変換 4. 二次元離散フーリエ変換とFFTについての原理を理解する.
直交変換について理解する.
5週 中間調表示 5. ディザ法,誤差拡散法の計算ができる.
6週 色彩情報の扱い 6. 色彩情報の表現方法について理解する.
7週 コントラスト強調 7. 画質の強調,復元,再構成の原理を理解し,計算ができる
8週
2ndQ
9週 平滑化,先鋭化 7. 画質の強調,復元,再構成の原理を理解し,計算ができる
10週 画像の復元 8.逆フィルタ,ウィナーフィルタの原理を理解する
11週 画像の補正 9. 幾何学的ひずみの補正方法の原理を理解する
12週 画像の再構成 7. 画質の強調,復元,再構成の原理を理解し,計算ができる
13週 画像の2値化処理 10. 画像の2値化処理方法を理解する
14週 2値画像の連結性と距離,膨張,収縮処理 11. 2値画像の連結性と距離の概念を理解し,連結数,距離を計算できる
15週 距離変換,細線化処理,形状特徴の計測 12. 距離の3公理を理解する
16週
後期
3rdQ
1週 細線化処理,形状特徴の計測 13. 2値画像の処理アルゴリズムを理解する
2週 図形の形状表現 13. 2値画像の処理アルゴリズムを理解する
3週 エッジ抽出(勾配) 14. 画像の微分について理解し,計算できる
4週 エッジ抽出(ラプラシアン) 14. 画像の微分について理解し,計算できる
5週 線検出 15. ハフ変換の原理を理解する
6週 領域分割 16. テクスチャがさまざまな特徴量で表現できることを理解する
7週 テクスチャ解析 16. テクスチャがさまざまな特徴量で表現できることを理解する
8週
4thQ
9週 距離情報の抽出 17. 距離情報の取得方法について代表的な手法の原理を理解する.
10週 3次元形状の復元 18. 形状復元手法について原理を理解する.
11週 距離画像からの特徴抽出 19. 距離画像からの特徴抽出手法について原理を理解する.
12週 時系列画像からの動きの抽出 20. 時系列画像から動きを抽出する代表的な手法について理解する.
13週 2次元画像照合による位置検出 21. 画像認識の原理を理解し,さまざまな手法について理解する
14週 2次元画像照合による認識 21. 画像認識の原理を理解し,さまざまな手法について理解する
15週 統計的パターン認識 22. 統計的パターン認識の原理を理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合60400000100
配点60400000100