光電子工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 光電子工学
科目番号 0113 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:指定なし プリントを適時配布する参考書:「基礎半導体工学」小林敏志、金子双男 加藤景三(コロナ社),「改訂電子工学」 西村信雄、落合謙三 (コロナ社), 「光デバイス」Ohm Mook 光シリーズ No.1 (オーム社),「やさしい光技術」(財)光産業技術振興協会 (オプトロニクス社),「見てわかる 半導体の基礎」 高橋 清(森北出版株式会社),「図説雑学 半導体」燦 ミアキ、大河 啓(ナツメ社)
担当教員 青木 裕介

到達目標

光波の性質,半導体工学の等,光電子工学における基本的事項について理解し,光ファイバ,発光デバイス,レーザ-,電子ディスプレイなどの主なオプトエレクトロニック素子の構造と基本動作の説明ができる.。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1光の波動性,粒子性に関する問題を解くことができる.光の波動性,粒子性について説明することができる.光の波動性,粒子性について説明することができない.
評価項目2電子と光の相互作用に関する問題を解くことができる.電子と光の相互作用について説明することができる.電子と光の相互作用について説明することができない.
評価項目3主なオプトエレクトロニック・デバイスの構造と基本動作に関する問題を解くことができる.主なオプトエレクトロニック・デバイスの構造と基本動作について説明することができる.主なオプトエレクトロニック・デバイスの構造と基本動作について説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
マルチメディア時代を支える基幹技術の1つとして,光電子工学(オプトエレクトロニクス)は重要な技術である.光を電気信号に変換する,あるいは電気信号を光信号に変換する技術の総称である光電子工学は,従来の電子工学(エレクトロニクス)と光工学(オプティクス)が組み合わされたもので、CDやDVDなどの光ディスクの他、光ファイバを用いた通信技術などに応用されている.本講義ではオプトエレクトロニクスの基礎について学ぶことを目的とする.具体的にはまず光の波動性、粒子性について学ぶ.ついで電子と光の相互作用について理解を深め,光ファイバ,光導波路,発光ダイオード,半導体レーザ-,電子ディスプレイなどの主なオプトエレクトロニック・デバイスの構造と基本動作を理解することを目的とする.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は、「複合型生産システム工学プログラム」学習・教育到達目標の(B)<専門>およびJABEE基準1.2(d)(2)aに対応する.内容を講義する.
・授業は講義形式で行う。
・「授業計画」における各週の「到達目標」は、この授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする。
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
 光電子工学に関する「知識・能力」1~18の確認を小テストおよび中間試験,定期試験で行う.1~18に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.

<学業成績の評価方法および評価基準>
 前期中間,前期末,後期中間,学年末の4回の試験の平均点を90%,小テストの得点を10%として評価する.再試験は実施しない.

<単位修得要件>
 学業成績で60点以上を取得すること.

<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
物理学,量子力学,半導体工学,電磁気学の基本的事項は理解している必要がある.本教科は応用物理Ⅱと電気磁気学の学習が基礎となる教科である.

<レポート等>
 授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験,小テスト等のための学習も含む)に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.理解を深めるため、小テスト、課題を適宜与える.

<備考>対象が広範囲にわたるため,積極的な取り組みを期待する.疑問が生じたら直ちに質問すること.本教科は後に学習するマイクロプロセス工学(専攻科),センサ工学(専攻科)と強く関連する教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 光電子工学の概要 1.光電子工学の概要を説明できる.
2週 光の波動性(光の反射・屈折・回折・干渉) 2.光の波動性(光の反射,屈折,回折,干渉)について説明できる.
3週 光の粒子性(光電効果、コンプトン効果、光及び電子の二重性) 3、光の粒子性(光電効果、コンプトン効果、光及び電子の二重性)について説明できる.
4週 半導体工学の基礎 (バンド理論) 4.バンド理論および金属、半導体、絶縁体の違いについて説明できる.
5週 半導体の電気伝導(伝導型、フェルミ準位,キャリア濃度、p-n接合) 5.半導体の電気伝導について説明できる.
6週 半導体と光の相互作用(吸収と発光) 6.半導体と光の相互作用について説明できる.
7週 太陽電池,フォトダイオードの構造と動作 7.太陽電池とフォトダイオードの構造と動作原理を説明できる.
8週 前期中間試験 これまでに学習した内容を説明できる.
2ndQ
9週 フォトダイオードの高性能化とフォトトランジスタ 8.フォトダイオードの高性能化技術とフォトトランジスタの構造と動作原理を説明できる.
10週 発光ダイオード(LED)の動作 9.発光ダイオードの構造と動作原理を説明できる.
11週 レーザーの基本的性質(反転分布、誘導放出、共振作用) 10.レーザーの基本的性質を説明できる.
12週 気体レーザー、液体レーザー、固体レーザーの動作原理 11.気体レーザー、液体レーザー、固体レーザの動作原理を説明できる.
13週 半導体レーザーの動作原理 12.半導体レーザーの動作原理を説明できる.
14週 レーザーの応用(光センシング技術・レーザー加工技術) 13.レーザーの応用(光センシング技術・レーザー加工技術)について説明できる.
15週 光通信技術(光ファイバの原理と光ファイバを用いた通信技術) 14.光ファイバの原理と光ファイバを用いた通信技術見ついて説明できる.
16週
後期
3rdQ
1週 光半導体素子製造プロセスと実装プロセス 15.光半導体素子製造プロセスと実装プロセスについて説明できる.
2週 エピタキシャル結晶成長技術 16.エピタキシャル結晶成長技術について説明できる.
3週 フォトリソグラフィ技術 17.フォトリソグラフィ技術について説明できる.
4週 エッチング技術,ドーピング技術,電極形成技術 18.エッチング技術,ドーピング技術,電極形成技術について説明できる.
5週 光半導体製造プロセスまとめ ここまでに学んだ光半導体製造プロセスを説明できる.
6週 光ディスクの基礎 19.光ディスクの構造とデータ読み取りの原理を説明できる.
7週 追記型光ディスク,書き換え型光ディスク 20.追記型光ディスク,書き換え型光ディスクについて,構造とデータ書き込み,あるいは書き換えの原理を説明できる.
8週 中間試験 これまでに学習した内容を説明できる.
4thQ
9週 光入出力装置(レーザープリンタ) 21.レーザープリンタの原理を説明できる.
10週 光入出力装置(デジタルカメラ,スキャナ) 22.デジタルカメラ,スキャナで用いられる撮像素子(CCD)の動作原理を説明できる.
11週 電子ディスプレイ(ブラウン管ディスプレイ,プラズマディスプレイ) 23.ブラウン管ディスプレイ,プラズマディスプレイの原理を説明できる.
12週 電子ディスプレイ(液晶ディスプレイ) 24.液晶ディスプレイの原理を説明できる.
13週 電子ディスプレイ(ELディスプレイ) 25.無期EL,有機ELの発光の原理とELディスプレイの原理を説明できる.
14週 有機太陽電池 26.有機太陽電池の構造と動作原理を説明できる.
15週 光電子工学の今後の展望 27.光電子工学の今後の展望について説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表レポート小テスト平常点その他合計
総合評価割合90001000100
配点90001000100