計算機アーキテクチャ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 計算機アーキテクチャ
科目番号 0139 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「コンピュータアーキテクチャ」馬場敬信(オーム社),参考書:「基礎から学ぶコンピュータアーキテクチャ」遠藤敏夫(森北出版),「コンピュータの構成と設計(上)ハードウエアとソフトウエアのインタフェース」D・A・パターソンほか(日経BP社),「図解 コンピュータアーキテクチャ入門 [第2版]」堀桂太郎(森北出版),ほか
担当教員 平野 武範

到達目標

CPUの内部構造を理解し,コンピュータ内部でのデータ表現ならびに命令の実行方法を理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1コンピュータのハードウェアの主要な技術を説明できる.コンピュータのハードウェアの原理を説明できる.コンピュータのハードウェアの原理を説明できない.
評価項目2コンピュータを構成する要素間でのデータの流れを説明できる.コンピュータを構成する基本的な要素について説明できる.コンピュータを構成する基本的な要素について説明できない.
評価項目3ハードウェアの設計を行うことができる.マイコンを用いたシステムを構成することができる.マイコンを用いたシステムを構成することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
CPUの内部構造を理解することによってコンピュータ内部でのデータ表現ならびに命令の実行方法を理解する.これを基にコンピュータの基本的な構成や各部の動作原理について理解を深める.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>およびJABEE基準1.2(d)(1)に対応する.
・授業は講義・輪講形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を中間試験,2回の定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.各到達目標に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期末,後期中間,学年末の3回の試験の平均点80%とレポート20%で評価する.再試験は行わない.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>2年のマイクロコンピュータ基礎,3年で学ぶオペレーティングシステム,データ構造とアルゴリズムとの関係が深い講義となるので,この教科が十分理解できなかった学生は復習をしておいてほしい.また,3年のディジタル回路との関連も深いのであわせて理解できるようがんばってほしい.
<自己学習>授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験,小テストのための学習も含む)に必要な標準的な学習時間の総計が90時間に相当する学習内容である.
<注意事項>CPUの動作,機能向上のためのメカニズムを中心に学ぶ.命令やデータの移動のタイミングについても詳細に説明するので十分理解することを望む.また本教科は後に学習する計算機工学,情報理論,数値解析,画像処理工学,人工知能の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ハードウェア構成要素
1.コンピュータ技術の発展の経緯について理解できる.
2週 基数変換,負数表現
2.基数変換,負数表現ができる.
3週 2進数の乗除算
3.2進数の乗除算ができる.
4週 コンピュータ内部の数値表現
2.基数変換,負数表現ができる.
3.2進数の乗除算ができる.
5週 コンピュータ内部の記号表現
2.基数変換,負数表現ができる.
3.2進数の乗除算ができる.
6週 論理関数(論理代数)
4.論理代数の基本を理解している.
7週 論理関数(カルノー図表)
4.論理代数の基本を理解している.
8週 論理関数(カルノー図表)
4.論理代数の基本を理解している.
2ndQ
9週 コンピュータの論理回路(基本論理回路)
5.基本論理回路について理解している.
10週 コンピュータの論理回路(組み合わせ論理回路)
5.基本論理回路について理解している.
11週 コンピュータの論理回路(フリップフロップ)
5.基本論理回路について理解している.
12週 演算装置(算術加減算回路)
6.ALUについて理解している.
13週 演算装置(ALUの構成)
6.ALUについて理解している.
14週 演算装置(シフト演算)
6.ALUについて理解している.
15週 演算装置(乗算器)
6.ALUについて理解している.
16週
後期
3rdQ
1週 命令セットアーキテクチャ
7.実効アドレスについて理解している.
8.アセンブリ言語で記述されたプログラムの流れがわかる.
2週 命令の形式
7.実効アドレスについて理解している.
8.アセンブリ言語で記述されたプログラムの流れがわかる.
3週 機械語命令とアセンブラ
7.実効アドレスについて理解している.
8.アセンブリ言語で記述されたプログラムの流れがわかる.
4週 COMMETⅡの仕様
7.実効アドレスについて理解している.
8.アセンブリ言語で記述されたプログラムの流れがわかる.
5週 機械語命令
7.実効アドレスについて理解している.
8.アセンブリ言語で記述されたプログラムの流れがわかる.
6週 機械語命令(つづき)
7.実効アドレスについて理解している.
8.アセンブリ言語で記述されたプログラムの流れがわかる.
7週 COMMETⅡに関する問題演習
7.実効アドレスについて理解している.
8.アセンブリ言語で記述されたプログラムの流れがわかる.
8週 中間試験
これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
4thQ
9週 制御アーキテクチャ
9.コンピュータの基本構成を説明できる.
10週 命令実行の流れ
10.命令読み出しサイクルの動作を理解している.
11週 入出力操作,割り込み操作
11.パイプライン処理の動作原理を理解している.
12週 コンピュータシステム(集中処理システム)
12.集中処理システムについて,特徴と代表的な例を説明できる.
13週 コンピュータシステム(分散処理システム)
13.分散処理システムについて,特徴と代表的な例を説明できる.
14週 コンピュータシステムの利用形態 14.コンピュータシステムの利用形態について説明できる.
15週 コンピュータシステムの信頼性と機能向上
15.コンピュータシステムの信頼性や機能向上について説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。4
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。4
集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。4
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合80200000100
配点80200000100