質点の力学,質点系と剛体の力学,熱力学及び現代物理の基礎を理解し,それらに関連した諸物理量を求めるために数学的知識に基づいて問題を式に表すことができ,解を求めることができる
概要:
物理は自然界の法則,原理を追求する学問であり,専門科目を学ぶための重要な基礎科目となっている.本講義では,微分,積分,ベクトルを使い,大学程度の物理を学ぶ.質点の力学,質点系と剛体の力学に続き,熱力学及び現代物理の基礎を学ぶ.
授業の進め方・方法:
第1週~第30週までの内容はすべて,学習・教育到達目標(B)<専門>に相当する.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を1回の中間レポート,1回の中間試験,2回の定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等とする.随時演習課題の提出を求める.各試験と課題の評価結果が百点法で60点以上の場合に目標の達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間レポートを10%,前期末試験を30%,後期中間試験を20%,学年末試験を20%,課題の得点を20%として評価する.定期試験で60点を取得できない場合には,再試験を行う場合がある(60点を上限として評価する).
<単位修得条件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>3年生までに習った数学および「物理」「応用物理Ⅰ」の学習が基礎となる教科である.
<自己学習>授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験,小テストのための学習も含む)に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<備考>随時演習課題の提出を求める.本教科は後に学習する応用物理学(専攻科)の基礎となる教科である.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
質点と質点の位置,ベクトル,速度と加速度 |
1.加速度,速度,位置・変位を求めることができる.
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2週 |
運動の法則 |
2.与えられた条件下において適切な運動方程式を記述できる.
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3週 |
簡単な運動I |
上記2
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4週 |
簡単な運動II |
上記2
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5週 |
抵抗を受ける運動 |
上記2
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6週 |
仕事と運動エネルギー |
3.仕事と運動エネルギーの関係や保存力場の性質を利用して,適切な関係式を記述でき,関連する諸物理量を求めることができる.
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7週 |
保存力と位置エネルギー |
上記3
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8週 |
万有引力 |
上記3
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2ndQ |
9週 |
束縛運動と摩擦,相対運動と見かけの力 |
上記3
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10週 |
質点系の運動 |
4.運動量や角運動量が保存される系において,適切な関係式を記述でき,関連する諸物理量を求めることができる.
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11週 |
質点系の角運動量と運動エネルギー |
上記4
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12週 |
剛体にはたらく力と力のモーメント |
5.並進と回転における運動方程式を記述でき,関連する諸物理量を求めることができる.
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13週 |
固定軸の周りの剛体の運動 |
上記5
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14週 |
慣性モーメントの求め方 |
6.慣性モーメントを求めることができる.
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15週 |
剛体の平面運動 |
上記5
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
温度と熱 |
7.熱現象について理解し,関連する諸物理量を求めることができる.
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2週 |
相転移と固体の熱的性質,熱の移動 |
上記7
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3週 |
気体の分子運動論 |
8.気体分子運動の観点から状態量を求めることができる.
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4週 |
熱力学第1法則 |
9.熱力学第1法則を利用して,様々な変化条件の下で,関連する諸物理量を求めることができる.
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5週 |
理想気体の内部エネルギーと比熱 |
上記9
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6週 |
理想気体の等温変化と断熱変化 |
上記9
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7週 |
カルノー・サイクルと熱効率 |
上記9
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8週 |
後期中間試験 |
これまでに学習した内容について理解している.
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4thQ |
9週 |
熱力学第2法則,エントロピー |
10.熱力学第2法則を適用して,与えられた条件下で,エントロピーの変化量を求めることができる.
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10週 |
エントロピーの分子論的意味と自由エネルギー |
上記10
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11週 |
熱放射と量子仮説,光電効果 |
11.光の粒子性と電子の波動性を理解し,関連する諸物理量を求めることができる.
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12週 |
コンプトン効果,X線スペクトル |
上記11
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13週 |
電子の波動性 |
上記11
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14週 |
原子模型とボーアの量子理論 |
12.原子の構造に関して,基礎的概念を理解し,関連する諸物理量を求めることができる.
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15週 |
原子核と素粒子 |
上記12
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 3 | |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 3 | |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 3 | |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 3 | |
慣性の法則について説明できる。 | 3 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | |
運動の法則について説明できる。 | 3 | |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 3 | |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 3 | |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | |
角運動量を求めることができる。 | 3 | |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 3 | |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | |
重心に関する計算ができる。 | 3 | |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 3 | |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 3 | |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | |