画像処理工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 画像処理工学
科目番号 0191 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「コンピュータ画像処理」田村秀行(オーム社)
担当教員 青山 俊弘

到達目標

画像情報処理の基礎となるデジタル画像の概念,直交変換を理解し,画像の画質改善,再構成,抽出,認識などの基本的な画像処理アルゴリズムを理解し,説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1デジタル画像の概念,直交変換に関する問題を解くことができる.デジタル画像の概念,直交変換について説明することができる.デジタル画像の概念,直交変換について説明することができない.
評価項目2基本的な画像処理アルゴリズムに関する問題を解くことができる.基本的な画像処理アルゴリズムについて説明することができる.基本的な画像処理アルゴリズムについて説明することができない.
評価項目3メディア情報の主要な表現形式や処理技法に関する問題を解くことができる.メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明することができる.メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
これまで学んできた情報関連科目の応用として,画像処理への応用について学ぶ.コンピュータ画像処理は画質改善や特徴抽出,CG,動画像処理など多岐に渡るが,本科目では主に入力,出力がともに画像である場合(画像処理)について学ぶ.3年生の「データ構造とアルゴリズム」の基本的なアルゴリズム,4年生の「基礎制御工学」のフーリエ変換,畳み込み,伝達関数の概念,「数値計算」の行列計算などを画像処理に適用し,どのような効果が得られるかを理解するこの科目は研究所で脳神経科学の研究を行なっていた教員が,その経験を生かし,画像データの解析手法などについて講義,演習形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>に対応する.
「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする
注意点:
教科書を中心に講義するが,他の参考資料も使いながら講義を行う.適宜Moodleを活用する.プログラム演習としてpythonによる画像処理アルゴリズムの実装を行う.
<到達目標の評価方法と基準>
授業計画の「達成目標」1~14を網羅した問題を定期試験およびレポートで出題し、目標の達成度を評価する。達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等とする。合計点の60%の得点で、目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
前期末、学年末の試験の平均を50%,レポートを50%で評価する。再試験は行わない。
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<自己学習>授業で保証する学習時間と、予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)に必要な標準的な学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 コンピュータによる画像処理,画像データの取り扱い 1. 画像データのデジタル化,画像データの扱いについて理解する
2週 周波数領域での処理,その他の直交変換 2. 画像データの周波数領域での扱い,FFTについて理解する.離散フーリエ変換,直交変換の計算ができる.
3週 中間調表示 3. ディザ法,誤差拡散法の計算ができる.
4週 色彩情報の扱い 4. 色彩情報の表現方法について理解する.
5週 コントラスト強調,平滑化,先鋭化 5. 画質の強調,復元,再構成の原理を理解し,計算ができる
6週 画像の復元,画像の補正,画像の再構成 6. 逆フィルタ,ウィナーフィルタの原理を理解する.幾何学的ひずみの補正方法の原理を理解する.
7週 復習 ここまでの内容を理解し、実画像に応用できる
8週
4thQ
9週 画像の2値化処理,2値画像の連結性と距離,膨張,収縮処理 7. 画像の2値化処理方法を理解する.2値画像の連結性と距離の概念を理解し,連結数,距離の3公理を理解し距離を計算できる
10週 距離変換,細線化処理,形状特徴の計測、細線化処理,形状特徴の計測,図形の形状表現 8. 2値画像の処理アルゴリズムを理解する
11週 エッジ抽出,線検出 9. 画像の微分,ハフ変換について理解し,計算できる
12週 領域分割 10. 領域分割アルゴリズムについて理解する
13週 テクスチャ解析 11. テクスチャがさまざまな特徴量で表現できることを理解する
14週 2次元画像照合による位置検出,2次元画像照合による認識 12. 画像認識の原理を理解し,さまざまな手法について理解する
15週 距離画像からの特徴抽出,時系列画像からの動きの抽出 13. 距離画像からの特徴,時系列画像から動きの抽出手法について原理を理解する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。4
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合50500000100
配点50500000100