基礎化学実験に関する正しい実験操作法,原理,得られたデータに関する整理法を理解し,実験誤差に対する検討ができ,さらに得られた結果を論理的にまとめ,報告することができる.
概要:
この科目は,基礎的な化学反応,化学物質の取り扱い,化学系実験の基本操作及び基本測定を学び,また,基本的な実験記録法・報告書の作成法を体得することを目標としている.
授業の進め方・方法:
・前後期共に第1週~第15週までの内容はすべて,学習・教育到達目標(B)<基礎>に相当する.
・授業計画に記載のテーマについて,2人一組の班に分かれて実験を行う.
・「授業計画」における各週の「達成目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の達成目標の4に関しては提出された作品で評価し,その他の項目は報告書の内容により評価する.評価に関するの各項目の重みは概ね同じである.満点の60%の得点で,目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>各実験テーマのレポートまたは作品(100点満点)の平均点で評価する.ただし,未提出レポートがある場合は原則的に学年末評価を行わない.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>化学の授業で学習する基礎的,基本的な内容.ただし必要な基礎知識はその都度解説する.
<レポート等>実験終了後,指定した期日までに実験レポート(ノート)を提出する. ただし独自のものに限る.
<備考>ほぼ毎回,実験実習に入る前に10-30分程度の実験説明を行うのでクラスルームで待機している事.
実験室内では,必ず保護メガネ,実験衣,靴を着用する.実験中は実験経過や結果をできるだけ詳細に実験ノートに記入し,問題点や着想などもその都度控えておく.電卓を常に携帯する事.また,本実験は,2年生以降で履修する生物応用化学実験の基礎知識や技術を学ぶ科目である.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス:種々の実験操作における注意事項(火傷,怪我,薬品の有毒性,廃液の取り扱い等),ガラス細工の解説 |
1. 種々の実験操作において怪我や火傷等の事故を起こさないための基礎的な心得を把握している. 2. 実験廃液,取り扱う薬品に関しての人体や環境に対する基礎的な注意事項を把握している.
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2週 |
ガラスの切断,ガラス管の曲げ |
3.ガラス細工における火傷,怪我に対する注意事項を把握している. 4. 実験器具に用いるガラスの種類を把握し,ガラスの切断,引き伸ばし,曲げなど基礎的なガラス細工法を体得している.
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3週 |
ガラス管の曲げ,攪拌棒の作製 |
3.ガラス細工における火傷,怪我に対する注意事項を把握している. 4. 実験器具に用いるガラスの種類を把握し,ガラスの切断,引き伸ばし,曲げなど基礎的なガラス細工法を体得している.
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4週 |
ガラス管の曲げ,攪拌棒の作製 |
3.ガラス細工における火傷,怪我に対する注意事項を把握している. 4. 実験器具に用いるガラスの種類を把握し,ガラスの切断,引き伸ばし,曲げなど基礎的なガラス細工法を体得している.
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5週 |
ガラス管の曲げ,攪拌棒の作製 |
3.ガラス細工における火傷,怪我に対する注意事項を把握している. 4. 実験器具に用いるガラスの種類を把握し,ガラスの切断,引き伸ばし,曲げなど基礎的なガラス細工法を体得している.
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6週 |
常圧蒸留の原理と役割,実験装置の組み立て,常圧.蒸留操作 |
5.常圧蒸留の原理と役割,装置の組み立てと操作法を把握している.
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7週 |
水蒸気蒸留装置の原理と役割, 実験装置組み立て |
6.水蒸気蒸留の原理と役割,装置の組み立てと操作法を把握している.
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8週 |
水蒸気蒸留操作 |
6.水蒸気蒸留の原理と役割,装置の組み立てと操作法を把握している.
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2ndQ |
9週 |
融点測定の原理と役割,装置の組み立て |
7.融点測定操作の原理と役目,装置の組み立てと操作法を把握している.
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10週 |
有機物質の融点測定 |
8.融点測定における物質の純度の比較法を理解している.
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11週 |
混融測定による物質の純度の比較 |
8.融点測定における物質の純度の比較法を理解している.
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12週 |
固体の密度測定 |
9.密度計(ピクノメーター)による固体の密度測定の原理と測定法を把握している.
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13週 |
ガラス器具の洗浄法,各種液量計の取り扱い方,定められたモル濃度,重量%濃度の試薬の調整(塩酸水溶液の調製)
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10.代表的なガラス器具の正しい洗浄方法を把握している.11. 代表的な受け用,出し用液量計の取扱法を把握している.12. 液量計を用いて定められたモル濃度の標準液が調整できる.
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14週 |
定められたモル濃度,重量%濃度の試薬の調整(水酸化ナトリウム水溶液の調製) |
12. 液量計を用いて定められたモル濃度の標準液が調整できる.
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15週 |
定められたモル濃度,重量%濃度の試薬の調整炭酸ナトリウム水溶液の調製 |
12. 液量計を用いて定められたモル濃度の標準液が調整できる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
pHの意味,各種pH指示薬に関する解説 |
13. 代表的なpH指示薬について把握している.
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2週 |
万能pH試験紙等による身の回りの物質のpH測定 |
14. 万能pH試験紙によるpHの測定法を把握している
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3週 |
調整した試薬のpH測定, 酸塩基混合によるpH変化の測定 |
15. 中和滴定曲線に関する基礎知識,基礎操作を把握している.
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4週 |
鉄イオンの性質 |
16. 鉄,銅イオンの各種試薬との反応や代表的な性質を理解している.
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5週 |
銅イオンの性質 |
16. 鉄,銅イオンの各種試薬との反応や代表的な性質を理解している.
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6週 |
硫酸銅の合成(金属銅の硝酸への溶解) |
17. 硫酸銅・5水和物の代表的な性質を理解している.
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7週 |
硫酸銅の合成(緑青の合成) |
18. 金属銅からの硫酸銅の合成法を把握している.
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8週 |
硫酸銅の合成(硫酸銅の合成) |
18. 金属銅からの硫酸銅の合成法を把握している.
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4thQ |
9週 |
硫酸銅の合成(硫酸銅の再結晶操作,収率計算) |
18. 金属銅からの硫酸銅の合成法を把握している.
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10週 |
石鹸・洗剤の合成 (石鹸,洗剤の解説 |
19. 石鹸と洗剤の違いを理解している.
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11週 |
石鹸の合成 |
20. 石鹸および洗剤の合成法を把握している.
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12週 |
洗剤の合成 |
20. 石鹸および洗剤の合成法を把握している.
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13週 |
エステルの合成の解説 |
21. 代表的なエステルの合成法を理解している.
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14週 |
エステルの合成 |
21. 代表的なエステルの合成法を理解している.
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15週 |
エステルの合成 |
21. 代表的なエステルの合成法を理解している.
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
試薬の調製ができる。 | 3 | |
代表的な気体発生の実験ができる。 | 3 | |
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。 | 3 | |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 1 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 1 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 1 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 1 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 1 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 1 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 1 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 1 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 1 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 1 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 1 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 物理化学実験 | 各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。 | 4 | |