機器分析化学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機器分析化学
科目番号 0047 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:エキスパート応用化学テキストシリーズ「機器分析」大谷 肇 編著(講談社) および 配布プリント 参考書:基礎教育シリーズ「分析化学 <機器分析編> 本水昌二 他著 (東京教学社), 「入門機器分析化学」庄野利之・脇田久伸 編著(三共出版) 
担当教員 山本 智代

到達目標

機器分析化学に関する基本的事項を理解し,吸光光度法,原子スペクトル,紫外可視分光分析,蛍光分析,X線分析,熱分析,クロマトグラフィー,電気分析など機器分析化学についての専門知識を習得して,実試料の機器による分析に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種分光分析機器(原子スペクトル,紫外可視分光,蛍光・りん光,X線)の原理や特徴について正しく理解し説明できる.各種分光分析機器の原理について正しく理解している.各種分光分析機器の原理について理解していない.
評価項目2熱分析・電子顕微鏡等の原理や特徴について正しく理解し説明できる.熱分析・電子顕微鏡等の原理について理解している.熱分析・電子顕微鏡等の原理について理解していない.
評価項目3各種クロマトグラフィーの原理や装置,特徴について正しく理解し説明できる.各種クロマトグラフィーの原理や装置について理解している.各種クロマトグラフィーの原理や装置について理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
分析機器を利用した分析方法は,物理的,化学的な事象,現象を基礎としている.これらの基礎的な事象・現象の理解を通して,原子スペクトル,紫外可視分光分析,蛍光分析,X線分析,電気分析,クロマトグラフィー,熱分析等に関する機器分析化学の修得をめざす.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育目標の(B)の<専門>に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」は,この授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を小テストまたは課題,中間試験,前期末試験で出題し,目標達成度を評価する.達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等とするが,基本的事項を重ねて問うこともある.評価結果が百点法で60点以上の場合に目標の達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間・前期末の試験結果を80%,小テスト・課題の結果を20%として最終評価とする.ただし,各試験で60点に達していない者のうち,希望者については再試験を実施し、60点を上限として再試験の成績で置き換えるものとする.小テストは再試を行わない。
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>分析化学についての知識,物理についての力学と電磁気学の基礎知識が必要である.
<注意事項>本科目は4年に履修する環境分析化学に必要な基礎的内容を含むので,長期的な視野を持って授業に臨んでほしい.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【原子スペクトル】発光分析,原理, ICP 1.発光分析の原理,ICPについて知識を持っている
2週 【紫外可視分光分析】原理,測定,電子遷移と吸収帯
2.紫外吸収分析法の原理,電子遷移と吸収帯に関する知識を持っている
3週 【紫外可視分光分析】化学構造と吸収スペクトル 3.化学構造と紫外可視スペクトルに関する知識を持っている
4週 【蛍光・りん光】原理,化学構造,消光 4.蛍光とりん光の原理と化学構造、消光に関する知識を持っている
5週 【X線分析】X線源、分光、検出器 5.X線源、分光、検出器について理解している。
6週 【X線分析】X線回折、蛍光X線分析 6.X線回折,蛍光X線分析について理解している
7週 【熱分析】DTA,TGA,DSC 7.DTA,TGA,DSCについて理解している
8週 【中間試験】 8.達成目標1~7の内容について説明や諸計算ができ、課題を完成することができる.
2ndQ
9週 【クロマトグラフィー】測定法選択と前処理,シグナル解析,クロマトグラフィにおける分離機構
9.測定法の選択と前処理,シグナル解析、クロマトグラフィの分離機構について理解している
10週 【ガスクロマトグラフィ】分離能力の指標,理論段数・理論段高,van Deemterの式 10.ガスクロマトグラフィにおける原理,理論段数・理論段高の求め方を理解している
11週 【ガスクロマトグラフィ】固定相,昇温分析,検出器(TCD,FID,ECD,FPD) 11.ガスクロマトグラフィで用いられる固定相の種類と昇温分析,検出器について理解している
12週 【液体クロマトグラフィ】HPLCの分離と移動相 12.液体クロマトグラフィの原理について理解している
13週 【液体クロマトグラフィ】HPLCの検出器,SEC 13.液体クロマトグラフィの検出器,SECについて理解している
14週 【キャピラリー電気泳動】原理,装置,分離モード 14.キャピラリー電気泳動の原理について理解している
15週 【その他】SEM,TEM,AFMなど 15.SEM,TEM,AFMについて理解している
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4

評価割合

試験発表小テスト・課題レポート平常点その他合計
総合評価割合80020000100
配点80020000100