応用数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用数学Ⅰ
科目番号 0048 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「高専の数学3」田代・難波著(森北出版)問題集:「高専の数学3問題集」(第2版) 田代嘉宏編(森北出版) 参考書:「常微分方程式 」 矢嶋信男著 (岩波書店),「新訂確率統計」 高藤節夫・斉藤斉等(大日本図書)
担当教員 松岡 勇気

到達目標

<この授業の達成目標>
 微分方程式,確率・統計の理論の基礎となる数学の知識(特に,解析学)を理解し,それに基づいて微分方程式の解を求めたりデータを分析したりすることが可能で,専門教科等に表れる問題を含めてこの分野の様々な問題を解決することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微分方程式を理解し基本的な1階及び2階の微分方程式に関する様々な問題で適切に解くことができる.  微分方程式を理解し基本的な1階及び2階の微分方程式に関する典型的な問題で適切に解くことができる.  微分方程式を理解せず基本的な1階及び2階の微分方程式に関する問題を解くことができない.
評価項目2確率や確率分布の基礎概念(平均,分散,標準偏差等)を理解し,様々な問題で適切な計算ができる.確率や確率分布の基礎概念(平均,分散,標準偏差等)を理解し,典型的な問題で適切な計算ができる.確率や確率分布の基礎概念(平均,分散,標準偏差等)を理解せず,関連する問題を解くことができない.
評価項目3統計の基礎概念を理解し1次元,2次元の場合に関連する様々な問題で適切な計算ができる.統計の基礎概念を理解し1次元,2次元の場合に関連する典型的な問題で適切な計算ができる.統計の基礎概念を理解せず,1次元,2次元の場合に関連する問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
<授業のねらい>講義は微分方程式と確率・統計の理論からなる.これらの計算や理論は工学にとって必須のものであり, 道具として自由に使いこなせるようになることが授業の狙いである.どの理論も今まで学んできた微分積分学を始めとする数学全般の生きた知識が要求されるので,その都度確認し復習する.
授業の進め方・方法:
・<授業の内容>この授業の内容は全て学習・教育到達目標 (B)<基礎>及びJABEE基準1(2)(c)に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」(微分方程式)1~9,確率・統計10~15を網羅した問題を2回の中間試験,2回の定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における各到達目標の重みは概ね均等とするが,各試験においては,結果だけでなく途中の計算を重視する.合計点が百点法で60点以上の場合に目標の達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間,前期末,後期中間,学年末の4回の試験の平均点で評価する.ただし,前期中間,前期末,後期中間の3回の試験でそれぞれについて60点に達していない者には再試験を課し(無断欠席者を除く),再試験の成績が再試験の対象となった試験の成績を上回った場合には,60点を上限としてそれぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換えることがある.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.[あらかじめ要求される基礎知識の範囲]微積分の全ての基礎知識.その他に低学年の数学の授業で学んだこと.本教科は微分積分Ⅱ,線形代数Ⅱや数学講究の学習が基礎となる教科である.
<注意事項>微積分を始めとして数学の多くの知識を使うので,低学年次に学んだことの復習を同時にすること.疑問が生じたら直ちに質問すること. 他の専門教科との関連で授業内容の順序を変更することがあるがその都度事前に連絡する.本教科は後に学習する応用数学Ⅱの基礎となる教科である.
<レポート等>理解を深めるための課題を適宜出題する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,微分方程式の例. 1 微分方程式を導いたり,一般解や特殊解等の基本概念を理解している.
2週 変数分離形の解法.

2 変数分離形微分方程式が解ける.
3週 斉次形の解法.
3 斉次形微分方程式が解ける.
4週 一階線形微分方程式の解法.
4 1階線形微分方程式が解ける.
5週 完全微分方程式の解法.
5 完全形微分方程式が解ける.
6週 一階非線形微分方程式の解法.
6 簡単な一階非線形微分方程式が解ける.
7週 二階線形微分方程式の例と解法.
7 2階微分方程式を1解の微分方程式に帰着して解くことができる.
8週 中間試験. これまでに学習した内容を説明し,微分方程式を解くことができる.
2ndQ
9週 二階定数係数斉次線形微分方程式.

8 定数係数斉次2階線形微分方程式が解ける.
10週 特性方程式が重複度を持つ場合について.
8
11週 二階定数係数非斉次線形微分方程式(1).
9 特殊解を用いて非斉次線形微分方程式が解ける.
12週 二階定数係数非斉次線形微分方程式(2).
9.
13週 ロンスキアンを使った特殊解の見つけ方.
9.
14週 初期値問題と境界値問題.
1,7,8,9
15週 微分方程式の纏め. 1,7,8,9
16週
後期
3rdQ
1週 記述統計学,推測統計学とは何か.

10 確率統計を学ぶ意義や,その定義と基本的性質を理解し計算できる.
2週 確率の定義と性質.
10 確率統計を学ぶ意義や,その定義と基本的性質を理解し計算できる.
3週 条件付確率と事象の独立,ベイズの定理. 10 確率統計を学ぶ意義や,その定義と基本的性質を理解し計算できる.
4週 確率変数,二項分布とポアッソン分布.
 
12 二項分布,ポアソン分布,正規分布を理解し,確率などを具体的に計算できる.
5週 確率変数の平均と分散.
11 確率変数と確率分布の基本概念を理解している.
6週 正規分布.
 
12 二項分布,ポアソン分布,正規分布を理解し,確率などを具体的に計算できる.
7週 正規分布の標準化.
 
11,12
8週 中間試験. これまでに学習した内容を説明し,関連する諸量を求めることができる.
4thQ
9週 中心極限定理.
 
12 二項分布,ポアソン分布,正規分布を理解し,確率などを具体的に計算できる.
10週 データの代表値と散布度.
 
13 データを解析するときの統計の考え方を理解し,平均・分散・標準偏差等を計算できる
11週 相関グラフと相関係数. 
14 代表値や散布度,相関係数,回帰直線等を求めることができる.
12週 母平均,母分散の点推定.
 
13
13週 母平均の区間推定.
 
12,13.
14週 統計的検定.
 
15 推定・検定の考え方を理解し,具体例を扱える.
15週 演習. 12,13,14,15.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合10000000100
配点10000000100