| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 反応速度論の基本的な術語を用いてこの学問に関する事象を説明することができる. | 反応速度論の基本的な術語の意味を記述できる. | 反応速度定数,反応次数の意味を述べられない. |
評価項目2 | 化学親和力の値から自発的に反応の進む向きを根拠を踏まえて説明できる. | 反応進行度や化学親和力の数値を計算により求めることができる. | 反応進行度,化学親和力の意味を述べられない. |
評価項目3 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,与えられた実験値から速度定数と反応次数を求めることができる. | 変数分離法による微分方程式を解いて,反応物濃度を時間の関数として表すことができる. | 時間微分による反応速度の表現と反応次数・速度定数による反応速度の表現を結びつけることができない. |
評価項目4 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,与えられた実験値から速度定数と反応次数を求めることができる. | 半減期と反応次数との関係式を導出できる. | 半減期の意味を述べられない. |
評価項目5 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,与えられた実験値から速度定数と反応次数を求めることができる. | 反応初速度と反応次数との関係式を導出できる. | 分離法の意味を述べられない. |
評価項目6 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,与えられた実験値から速度定数と反応次数を求めることができる. | Microsoft Excelの関数機能を用いて与えられた数値を適切に処理できる. | Microsoft Excelを用いて線形近似の近似曲線式を求めるための操作ができない. |
評価項目7 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,与えられた実験値から活性化エネルギーと頻度因子を求めることができる. | アレニウスの式をもとに,活性化エネルギーと頻度因子を実験的に求める方法を説明できる. | アレニウスの式を記述できない. |
評価項目8 | 衝突理論に基づく頻度因子の計算式を導出し,アレニウスの式と結び付けられる. | 衝突理論に基づく頻度因子の計算式を用いて頻度因子の計算値や立体因子を求めることができる. | 衝突理論に基づく頻度因子の計算式を記述できない. |
評価項目9 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,アイリングの式をもとに,活性化エネルギーと頻度因子を実験的に求める方法を説明できる. | アイリングの式を導出することができる. | アイリングの式を記述できない. |
評価項目10 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,活性化パラメータの値より,遷移状態の構造を推定できる. | アイリングプロットにより活性化パラメータを求めることができる. | アイリングプロットの方法を述べられない. |
評価項目11 | 与えられた反応機構に対し定常状態近似と前駆平衡を適用し,複合反応の速度則を求められる. | 定常状態近似や前駆平衡を適用できる条件について説明できる. | 複合反応と素反応の違いを述べられない. |
評価項目12 | 与えられた反応機構に対し定常状態近似と前駆平衡を適用し,複合反応の速度則を求められる. | 定常状態近似や前駆平衡を適用できる条件について説明できる. | 逐次反応,併発反応,可逆反応を区別できない. |
評価項目13 | 速度定数や平衡定数と緩和時間との関係式を導出できる. | 与えられた実験値から速度定数を求めることができる. | 緩和時間の定義を述べられない. |
評価項目14 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,連鎖長を求めることができる. | 定常状態近似をラジカル連鎖反応に適用し,速度則を求められる. | 連鎖反応に含まれる素反応の名称を述べられない. |
評価項目15 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,与えられた実験値から無限希釈時の速度定数を求めることができる. | 反応機構と反応溶媒の性質をもとに,反応速度の溶媒依存性について説明できる. | 溶媒和の定義を述べられない. |
評価項目16 | 与えられた反応機構に対し定常状態近似と前駆平衡を適用し,複合反応の速度則を求められる. | 定常状態近似や前駆平衡を適用できる条件について説明できる. | 触媒の定義を述べられない. |
評価項目17 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,与えられた実験値よりミカエリス定数と最大速度を求めることができる.さらに阻害剤の影響についても説明することができる. | ミカエリス-メンテン機構に対し定常状態近似を適用し,ラインウィーバー-バークプロットの関係式を導出できる. | ミカエリス-メンテン機構を記述できない. |
評価項目18 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,固体表面で起こる反応の速度則と,その圧力依存性について説明することができる. | Langmuirの吸着等温式を導出できる. | 吸着と脱着の定義を述べられない. |
評価項目19 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,重合の連鎖長や重合度を大きくするための方法を説明できる. | 定常状態近似を適用して重合反応の速度則を表すことができる. | 重合反応の定義を述べられない. |
評価項目20 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,ド・ブロイ波の性質よりボーアの量子条件を導くことができる. | 二重性の視点から粒子の運動量と波の運動量を結びつけることができる. | 粒子と波の二重性の意味を述べられない. |
評価項目21 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,ハミルトニアンを運動エネルギー項とポテンシャルエネルギー項に分けて記述し,簡単な系に対してシュレーディンガー方程式を立てることができる. | 二重性をもつ粒子の運動量と運動エネルギーの関係式を導出できる. | ハミルトニアンとエネルギー,波動関数を用いたシュレーディンガー方程式を記述できない. |
評価項目22 | 一次元の箱の中の粒子についてシュレーディンガー方程式を解いて,規格化された波動関数とエネルギー準位を求めることができる. | 境界条件などを利用して,一次元の箱の中の粒子のエネルギーが量子化されていることを示すことができる. | 一般的な一次元の箱の中の粒子を考える際の前提を述べることができない. |
評価項目23 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,原子軌道の電子密度分布について根拠をあわせて説明できる. | 水素様原子の波動関数を三次元極座標による動径関数と球面調和関数の積で表し,これらと量子数との関係を説明できる. | 量子数の定義と区別について述べることができない. |
評価項目24 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,等核二原子分子の基底状態における電子配置,結合次数,磁性について説明できる。 | 第2周期元素の等核二原子分子の分子軌道の成り立ちについて説明できる. | 水素分子の分子軌道の成り立ちについて述べられない. |
評価項目25 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,簡単なπ電子系に対して単純ヒュッケル近似により分子軌道とエネルギー準位を求めることができる. | 単純ヒュッケル近似の方法および各種パラメータの意味を説明できる. | 原子軌道の線形結合の意味を述べられない. |
評価項目26 | 標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,HOMOとLUMOのエネルギー準位,係数の大きさより有機化合物の反応性を予測することができる. | HOMOとLUMOをローブを用いて図示することができる. | HOMOとLUMOの意味を述べられない. |
評価項目1a | 右記標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,与えられた実験値から速度定数や反応次数を求めることができる. | 微分系の反応速度式から出発して反応物濃度を時間の関数として表すことができる.さらに半減期と反応物初濃度との関係式,反応初速度と反応次数との関係式を導くことができる. | 反応次数,反応速度定数など反応速度論に関する基本的な術語の意味を述べられない. |
評価項目2a | 右記標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,アレニウスプロットやアイリングプロットにより活性化エネルギー頻度因子,活性化エンタルピー,活性化エントロピーを求められる. | 衝突理論や繊維状態理論に基づきアレニウスの式,アイリングの式をそれぞれ導出することができる | アレニウスの式とアイリングの式を記述することができない. |
評価項目3a | 右記標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,定常状態近似や前駆平衡の考え方を複雑な複合反応の速度則を表すために利用し,さらに与えられた実験値から反応速度論に関する値を求めることができる. | 複合反応の機構より,定常状態近似と前駆平衡を適切に用いることができる. | 複合反応に含まれる素反応の組み合わせの様式(逐次反応,併発反応,可逆反応)を区別できない. |
評価項目4a | 右記標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,一元の箱の中の粒子に対してはシュレーディンガー方程式の解として企画された波動関数を求め,エネルギー準位を計算することができる. | 単純な系についてシュレーディンガー方程式を立てることができ,そのハミルトニアンを運動エネルギー項とポテンシャルエネルギー項に分けて表すことができる. | 二重性,量子化,量子数などの量子化学に関する基本的な術語の意味を述べられない. |
評価項目5a | 右記標準的な到達レベルの目安を達成できた上で,フロンティア軌道論などに基づき分子の性質を予測することができる. | 変分法,単純ヒュッケル近似などを用いて比較的単純な分子に対して分子軌道の近似解を求める方法を説明できる. | 変分法や線形結合など分子軌道法に関する基本的な術語の意味を述べられない. |