機器分析化学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 機器分析化学
科目番号 0051 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:エキスパート応用化学テキストシリーズ「機器分析」大谷 肇 編著(講談社) および 配布プリント 参考書:基礎教育シリーズ「分析化学 <機器分析編> 本水昌二 他著 (東京教学社), 「入門機器分析化学」庄野利之・脇田久伸 編著(三共出版) 
担当教員 山本 智代

到達目標

機器分析化学に関する基本的事項を理解し,吸光光度法,原子スペクトル,紫外可視分光分析,蛍光分析,X線分析,熱分析,クロマトグラフィー,電気分析,質量分析など機器分析化学についての専門知識を習得して,実試料の機器による分析に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機器分析化学に関する基本的な事項(光の波長・エネルギー,ランベルト・ベールの法則,定量・検量線法)を正しく理解し説明できる.機器分析化学に関する基本的な事項を正しく理解している.機器分析化学に関する基本的な事項を正しく理解していない.
評価項目2各種分光分析機器(原子スペクトル,紫外可視分光,蛍光・りん光,X線)の原理や特徴について正しく理解し説明できる.各種分光分析機器の原理について正しく理解している.各種分光分析機器の原理について理解していない.
評価項目3熱分析・電子顕微鏡等の原理や特徴について正しく理解し説明できる.熱分析・電子顕微鏡等の原理について理解している.熱分析・電子顕微鏡等の原理について理解していない.
評価項目4各種クロマトグラフィーの原理や装置,特徴について正しく理解し説明できる.各種クロマトグラフィーの原理や装置について理解している.各種クロマトグラフィーの原理や装置について理解していない.
評価項目5電気分析の原理や装置,特徴について正しく理解し説明できる.電気分析の原理や装置について理解している.電気分析の原理や装置について理解していない.
評価項目6質量分析の原理や装置,特徴について正しく理解し,分子構造を決定できる.質量分析の原理や装置,特徴について理解している.質量分析の原理や装置について理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
分析機器を利用した分析方法は,物理的,化学的な事象,現象を基礎としている.これらの基礎的な事象,現象の理解を通して,吸光光度法,原子スペクトル,紫外可視分光分析,蛍光分析,X線分析,熱分析,クロマトグラフィー,電気分析,質量分析等に関する機器分析化学の修得をめざす.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育目標の(B)の<専門>,JABEE基準1(1)(d)(2)a)に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」は,この授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を中間試験・定期試験で出題し,目標達成度を評価する.達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等とするが,基本的事項を重ねて問うこともある.評価結果が百点法で60点以上の場合に目標の達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間・前期末・後期中間・学年末の試験結果を80%,小テストおよび課題レポートの結果を20%として,それぞれの期間毎に評価し,これらの平均値を最終評価とする.ただし,学年末試験を除く3回の試験について60点に達していない者のうち、希望者については再試験を実施し(無断欠席の者を除く)、60点を上限として再試験の成績で置き換えるものとする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>分析化学についての知識,物理についての力学と電磁気学の基礎知識が必要である.
<注意事項>本科目は4年に履修する環境分析化学に必要な基礎的内容を含むので,長期的な視野を持って授業に臨んでほしい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【吸光光度法】発色,光の波長,エネルギー 1.発色,光の波長,エネルギーに関する知識を持っている
2週 【吸光光度法】化合物による光の吸収と吸収帯
2.化合物による光の吸収と吸収帯に関する知識を持っている
3週 【吸光光度法】ランベルト-ベールの法則 3.ランベルト-ベールの法則に関する知識を持っている
4週 【吸光光度法】光源,分光器,セル,検出器 4.光源,分光器,セル,検出器に関する知識を持っている
5週 【吸光光度法】発色操作,定量 5.発色操作と定量に関する知識を持っている
6週 【原子スペクトル】原理,吸光、炎光分析 6.原子スペクトルの原理、吸光、炎光分析に関する知識を持っている
7週 【原子スペクトル】発光分析,原理, ICP 7.発光分析の原理、ICPに関する知識を持っている
8週 前期中間試験 8.到達目標1~7に関する内容について説明できる
2ndQ
9週 【紫外可視分光分析】原理,測定,電子遷移と吸収帯
9.紫外吸収分析法の原理,電子遷移と吸収帯に関する知識を持っている
10週 【紫外可視分光分析】化学構造と吸収スペクトル 10.化学構造と紫外可視スペクトルに関する知識を持っている
11週 【蛍光・りん光】原理,化学構造,消光 11.蛍光とりん光の原理と化学構造、消光に関する知識を持っている
12週 【X線分析】X線源,分光器,検出器 12.X線源,分光器,検出器について理解している
13週 【X線分析】X線回折,蛍光X線分析 13.X線回折,蛍光X線分析について理解している
14週 【熱分析】DTA,TGA,DSC 14.DTA,TGA,DSCについて理解している
15週 【その他】SEM,TEM,AFMなど 15.SEM,TEM,AFMについて理解している
16週
後期
3rdQ
1週 測定法選択と前処理,シグナル解析,クロマトグラフィにおける分離機構 16.測定法の選択と前処理,シグナル解析、クロマトグラフィの分離機構について理解している
2週 【ガスクロマトグラフィ】分離能力の指標,理論段数・理論段高,van Deemterの式
17.ガスクロマトグラフィにおける原理,理論段数・理論段高の求め方を理解している
3週 【ガスクロマトグラフィ】固定相,昇温分析 18.ガスクロマトグラフィで用いられる固定相の種類と昇温分析について理解している
4週 【ガスクロマトグラフィ】検出器(TCD,FID,ECD,FPD) 19.ガスクロマトグラフィで用いられる検出器の原理と性質について理解している
5週 【液体クロマトグラフィ】HPLCの分離と移動相 20.液体クロマトグラフィの原理,装置について理解している
6週 【液体クロマトグラフィ】検出器(UV,RI,蛍光) 21.液体クロマトグラフィで用いられる検出器の原理と性質について理解している
7週 【液体クロマトグラフィ】GPC原理,固定相,較正曲線 22.ゲルパーミエーションクロマトグラフィについて理解している
8週 後期中間試験 23.到達目標16~22に関する内容について説明できる
4thQ
9週 【キャピラリー電気泳動】原理,装置,分離モード 24.キャピラリー電気泳動の原理について理解している
10週 【電気分析】電位差測定法と電極 25.電位差測定の原理と電極について理解している
11週 【電気分析】電量分析,電量滴定法,ボルタンメトリー 26.電量分析,電量滴定法,ボルタンメトリーの特徴,測定法について理解している
12週 【質量分析】原理,分解能,イオン化 27.質量分析法の原理,イオン化に関する知識を持っている
13週 【質量分析】質量の分離,検出器,スペクトルの基礎事項 28.質量分離部,検出器、およびスペクトルの基礎的事項に関する知識を持っている
14週 【質量分析】分子構造の決定,同位体比率.フラグメンテーション 29.質量分析法による分子式の決定法に関する知識を持っている
15週 【質量分析】スペクトル解析 30.質量分析スペクトルによる分子構造の決定に関する知識を持っている
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4

評価割合

試験発表レポート小テスト平常点その他合計
総合評価割合80002000100
配点80002000100