化学工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学工学Ⅰ
科目番号 0056 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「改訂新版 化学工学通論Ⅰ」 疋田晴夫著(朝倉書店)「化学工学演習 第2版」 藤田重文編(東京化学同人)
担当教員 船越 邦夫

到達目標

化学工学の基礎である単位換算法,次元解析法,特殊方眼紙の使用法,物質収支,熱収支を理解し,回分単蒸留・連続単蒸留・精留の計算に必要な専門知識を習得し,蒸留装置を設計することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1種々の単位系の説明と数式の単位換算ができ,化学工学計算への応用ができる.種々の単位系の説明と数式の単位換算ができる.種々の単位系の説明と数式の単位換算方法を理解していない.
評価項目2次元解析,特殊方眼紙の使い方を理解しており,化学工学計算への応用が出来る.次元解析,特殊方眼紙の使い方を理解している.次元解析,特殊方眼紙の使い方を理解していない.
評価項目3沸点―組成線図,x-y線図,Raoultの法則を理解しており,蒸留計算に応用できる.沸点―組成線図,x-y線図,Raoultの法則を理解している.沸点―組成線図,x-y線図,Raoultの法則を理解していない.
評価項目4Rayleighの式およびMaCabe-Thiele図法を理解しており,蒸留計算に応用できる.Rayleighの式およびMaCabe-Thiele図法を理解している.Rayleighの式およびMaCabe-Thiele図法を理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
化学工学は,化学製品等を安全にかつ経済的に生産するために,化学プロセスを設定し原料から製品に至る物質およびエネルギーの流れの収支関係を明らかにし,各種装置の設計を行うための学問である.化学工学Ⅰ(3年)では,各種製造プロセスの単位操作を理解する上で必要な基礎知識の習得と蒸留に関する基礎知識を身につける.この科目は研究所でセラミックスに関する研究を担当していた教員が,その経験を活かし,物質収支や熱収支、蒸留等について授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
・以下の内容は,すべて,学習・教育到達目標(B)<専門>に相当する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準> 化学工学基礎・蒸留に関する「知識・能力」1~8の確認を課題および中間試験,期末試験で行う.1~8に関する重みは概ね同じである.合計点の60%の得点で目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準> 中間・定期試験の成績の平均点を80%,課題を20%として学業成績を評価する.ただし中間試験の成績が60点に達していない者のうち希望者に対して再試験を実施し,再試験の成績が中間・定期試験の成績を上回った場合には60点を上限として再試験の成績で置き換えるものとする.また学業成績が60点に達しない者のうち希望者に対しては期末試験の再試験を実施し,再試験の結果を考慮した成績が最終成績を上回った場合には60点を上限として置き換えるものとする.
<単位修得要件> 与えられた課題を全て提出し,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲> 本教科は,数学(微分・積分学の基礎)や物理(力学),化学(物質の状態),および物理化学Ⅰ(相平衡,熱力学)の学習が基礎となる教科である.
<自己学習>授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)及び課題作成に必要な標準的な学習時間の総計が,45時間に相当する学習内容である.
<注意事項> 本教科は, 後に学習する 化学工学Ⅰ,化学工学II, 化学工学Ⅲ, 反応工学,情報処理応用,生物応用化学実験, および 移動現象論 の基礎となるため, とくに数式の背景にある物理的意味の理解が重要である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 化学工学の概要,単位系(絶対単位系・工学単位系,国際単位系) 1. 種々の単位系の説明と,数式の単位換算ができる.
2週 化学工学で取り扱う諸量の単位,単位の換算 上記1
3週 次元解析 2. 次元解析の手法を理解し,物理量相互の関係をもとに次元解析ができる.
4週 特殊方眼紙(両対数紙・片対数紙)の使用方法 3. 特殊方眼紙(両対数方眼紙,片対数方眼紙)を用いて,実験式の係数を決定することができる.
5週 反応を伴わない化学プロセスの物質収支 4. 化学プロセスの物質収支式や熱収支式を取ることができる.
6週 反応を伴う化学プロセスの物質収支 上記4
7週 熱収支 上記4
8週 中間試験
4thQ
9週 気液平衡(沸点-組成線図) 5. 沸点-組成線図,x-y線図,Raoultの法則を説明できる.
10週 気液平衡(x-y線図),Raoultの法則 上記5
11週 回分単蒸留,Rayleighの式 6. Rayleigh式の導出ならびに回分単蒸留と連続単蒸留に関する問題を解くことができる.
12週 連続単蒸留、分縮 上記6
13週 精留の原理,理論段,物質収支,濃縮線と回収線の導出 7. 精留の原理について説明できる.
14週 q線,McCabe-Thieleの図解法 8. 精留塔の理論段数をMcCabe-Thieleの図解法を用いて求めることができる.
15週 還流比と理論段数の関係 上記7,8
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4
蒸留の原理について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4

評価割合

試験課題・レポート相互評価態度発表その他合計
総合評価割合80200000100
配点80200000100