無機に関する専門用語および代表的な実験手法を理解しており,データ整理,実験結果に関して検討ができ,さらに,得られた結果を論理的にまとめ,報告ができる.
概要:
「生物化学実験」では,主に(1)生体物質の検出法,(2)生体物質の定量法,(3)無菌操作法,(4)バイオアッセイを通じて,生体物質の性質や代謝について理解する.
授業の進め方・方法:
・内容はすべて,「生物応用化学科」学習・教育到達目標(B)<基礎>に相当する.
・授業計画に記載のテーマについて,班に分かれて実験を行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の達成目標1~6の項目を各実験テーマに関して提出された報告書の内容より評価する.各項目の重みは概ね同じである.満点の60%の得点で,目標の達成を確認する.満点の60%の得点で,目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>各実験テーマのレポートで評価する.ただし,未提出レポートがある場合は原則的に評価を行わない.学年末評価は,前期評価と後期評価の平均で評価とする.
<単位修得要件>前期評価,後期評価ともに60点以上であること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>生物化学の基礎知識及び基礎化学実験で学んだ化学実験の基本操作が基礎となる科目である.
<レポート等>実験ノートを作成し、実験結果やそれに基づく考察をなるべく詳細に記入すること.各実験テーマのレポートの提出を求める.
<備考>ほぼ毎回,実験実習に入る前に10-60分程度の実験説明を行うのでクラスルームで待機していること.
実験室内では,保護メガネ,実験衣,実験にふさわしい靴の着用を義務づける.実験中は実験経過や結果をできるだけ詳細に実験ノートに記入し,問題点や着想などもその都度控えておく.電卓を常に携帯すること.本実験は4年に履修する生物応用化学実験,創造工学,5年で履修する卒業研究に必要な基礎知識や技術を修得するための内容を多く含むので,長期的な視野を持って実験に臨んでほしい.
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
実験オリエンテーション |
1.生化学実験に必要な器具を正しく取り扱うことができる.
|
2週 |
実験1. マイクロピペットの取り扱いと検定 |
1.生化学実験に必要な器具を正しく取り扱うことができる.
|
3週 |
実験2. 糖の定性反応 |
2.数種類の糖の定性反応から,各糖の化学的性質を理解している.
|
4週 |
実験3-1. SDS-PAGEを利用したタンパク質の分離-ゲル作製 |
3.SDS-PAGEでタンパク質の分離ができ,目的タンパク質の分子量を推定する方法を理解している.
|
5週 |
実験3-2. SDS-PAGEを利用したタンパク質の分離-電気泳動と染色 |
3.SDS-PAGEでタンパク質の分離ができ,目的タンパク質の分子量を推定する方法を理解している.
|
6週 |
実験3-3. SDS-PAGEを利用したタンパク質の分離-ゲルの解析 |
3.SDS-PAGEでタンパク質の分離ができ,目的タンパク質の分子量を推定する方法を理解している.
|
7週 |
実験4. アミラーゼによるデンプンの糖化 |
4.ヨウ素―デンプン反応と糖検出とを組み合わせ,酵素反応と酸加水分解によるデンプンの分解との違いを理解している.
|
8週 |
|
|
2ndQ |
9週 |
実験5. アミノ酸の定性反応 |
5.数種類のアミノ酸の定性反応から,各アミノ酸の化学的性質を理解している.
|
10週 |
実験6.消毒と微生物数の変化 |
6.無菌操作ができ,消毒の意味を理解している.
|
11週 |
実験7.顕微鏡を用いた環境中の微生物の観察 |
7.顕微鏡観察から,微生物の形状や性質を理解している.
|
12週 |
実験8−1.抗菌作用を持つ植物の探索ーバイオアッセイプレートの作製 |
8.純粋培養した微生物を利用したバイオアッセイによる植物の抗菌作用の評価方法を理解している.
|
13週 |
実験8-2.抗菌作用を持つ植物の探索ー抗菌作用の評価 |
8.純粋培養した微生物を利用したバイオアッセイによる植物の抗菌作用の評価方法を理解している.
|
14週 |
実験9.pHメーターによる緩衝液のpH測定 |
9.pHメーターを正しく取り扱うことができ,緩衝液の性質を理解している.
|
15週 |
実験10.Lowry法によるタンパク質の定量ー測定 |
10.Lowry法によるタンパク質定量法から,検量線の作成法および未知試料の推定法を理解している.
|
16週 |
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 物理化学実験 | 温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。 | 4 | |
生物工学実験 | 光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。 | 4 | |
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。 | 4 | |
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。 | 4 | |
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。 | 4 | |
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。 | 4 | |