電磁気学および電子の発見から前期量子論に至るまでの理論の基本的な内容を理解し,関連する基本的な計算ができ,与えられた課題に関しては実験を遂行した上で適切にレポートをまとめることができる.
概要:
近世以降,物理学は科学の発展をリードしてしてきた.その手法は,自然の本質を捉えるために数式に基づいた論理的モデルの構築と実験による新たな発見や検証の繰り返しである.この授業では,2年生に引き続き高等学校程度の物理学を学ぶ.前期量子論や古典物理学の学習を通して自然科学共通の言語を学ぶと共に問題を自分で考えて解く力を養う.また,既知の実験を通して自然の法則を体験的に学ぶ.
授業の進め方・方法:
・前後期共に第1週~第15週の内容はすべて,学習・教育目標(B)<基礎>に相当する.
・授業は実験と講義形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
到達目標3~14を網羅した問題を1回の中間試験,1回の定期試験、CBT及び宿題で出題し,1,2については実験状況の視察およびレポートによって目標の達成度を評価する.試験問題のレベルは高等学校程度である.
<学業成績の評価方法および評価基準>
講義:後期中間,学年末の2回の試験の平均点を50%,実験の評価を40%,CBT及び宿題の評価を10%として,100点満点で評価する.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
2年生までに習った物理および数学(とりわけベクトル,三角関数),およびレポート作成に必要な一般的国語能力を必要とする.本授業科目は「物理」の学習が基礎となる授業科目である.
<レポート等>
実験に関しては毎回レポートの提出を求める.講義に関しては,演習課題を課す.
<備考>
物理においては,これまでに習得した知識・能力を基盤とした上でしか新しい知識・能力は身に付かない.演習課題や実験レポートは確実にこなして,新しい知識・能力を確かなものにすること.本授業科目は後に学習する「応用物理Ⅱ」の基礎となる授業科目である.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
実験ガイダンス,実験テーマ解説 |
1.および2.(後述)
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2週 |
1.分光計 2.レーザー光による光の干渉 3.直線電流のまわりの磁界 4.電子の比電荷(e/m)の測定 5.等電位線 の実習 |
1. 実験を通して,基本的な機器の使い方を習得し,自分の力で実験を進めることができる.
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3週 |
1.分光計 2.レーザー光による光の干渉 3.直線電流のまわりの磁界 4.電子の比電荷(e/m)の測定 5.等電位線 のレポート作成 |
2. 実験内容の把握とその結果について分析し,レポートにまとめることができる.
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4週 |
1.分光計 2.レーザー光による光の干渉 3.直線電流のまわりの磁界 4.電子の比電荷(e/m)の測定 5.等電位線 の実習 |
上記1
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5週 |
1.分光計 2.レーザー光による光の干渉 3.直線電流のまわりの磁界 4.電子の比電荷(e/m)の測定 5.等電位線 のレポート作成 |
上記2
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6週 |
1.分光計 2.レーザー光による光の干渉 3.直線電流のまわりの磁界 4.電子の比電荷(e/m)の測定 5.等電位線 の実習 |
上記1
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7週 |
1.分光計 2.レーザー光による光の干渉 3.直線電流のまわりの磁界 4.電子の比電荷(e/m)の測定 5.等電位線 のレポート作成 |
上記2
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8週 |
中間試験(実施しない) |
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2ndQ |
9週 |
1.分光計 2.レーザー光による光の干渉 3.直線電流のまわりの磁界 4.電子の比電荷(e/m)の測定 5.等電位線 の実習 |
上記1
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10週 |
1.分光計 2.レーザー光による光の干渉 3.直線電流のまわりの磁界 4.電子の比電荷(e/m)の測定 5.等電位線 のレポート作成 |
上記2
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11週 |
1.分光計 2.レーザー光による光の干渉 3.直線電流のまわりの磁界 4.電子の比電荷(e/m)の測定 5.等電位線 の実習 |
上記1
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12週 |
1.分光計 2.レーザー光による光の干渉 3.直線電流のまわりの磁界 4.電子の比電荷(e/m)の測定 5.等電位線 のレポート作成 |
上記2
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13週 |
クーロンの法則,電界 |
3. 電界を理解し基本的な計算が出来る.
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14週 |
電界と電位の関係,等電位線,導体と電界・電位 |
4.電位と電界の関係を理解している.
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15週 |
電気容量,平行板コンデンサー |
5.コンデンサーに関する基本的な計算ができる
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
コンデンサーが蓄えるエネルギー |
上記5
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2週 |
コンデンサーの接続 |
上記5
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3週 |
電流 |
6.電流の自由電子モデルを理解している.
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4週 |
電圧降下,抵抗の接続,電池の起電力と内部抵抗 |
7.オームの法則および抵抗の特徴を理解し,関連する計算ができる.
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5週 |
キルヒホッフの法則 |
8.直流回路の特徴を理解し,関連する計算ができる.
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6週 |
磁気力と磁界,電流がつくる磁界 |
9.磁界や,電流のつくる磁界に関する計算ができる.
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7週 |
電流が磁界から受ける力 |
上記9
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
ローレンツ力 |
10.ローレンツ力に関連する計算ができる.
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10週 |
電磁誘導の法則 |
11.電磁誘導を理解し,関連する計算ができる.
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11週 |
磁界中を運動する導体の棒 |
上記11
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12週 |
CBT |
これまでに習った内容の基礎が理解できる.
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13週 |
電子の電荷と質量 |
12.電子の電荷と質量について理解できる.
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14週 |
光の粒子性,粒子の波動性 |
13.光やX線,物質波の特徴について理解できる.
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15週 |
原子モデル |
14.原子モデルに関する基本的な知識を有している.
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | |
波の独立性について説明できる。 | 3 | |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |