生物応用化学実験(生物化学コース)

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 生物応用化学実験(生物化学コース)
科目番号 0073 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:「生物応用化学実験テキスト」 鈴鹿高専・生物応用化学科編集参考書:「化学英語の活用辞典」  千原秀昭ら(化学同人)
担当教員 小川 亜希子,今田 一姫

到達目標

実験操作を通じて,熱力学,電気化学,機器分析化学に必要な基礎知識を習得しており,物理化学,分析化学などの専門分野に適用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1無菌操作により目的微生物の純粋培養ができる.無菌操作ができる.無菌操作ができない.
評価項目2生体物質の単離・精製法を用いて目的物質の精製ができる.生体物質の単離・精製法を理解している.生体物質の単離・精製法を理解していない.
評価項目3バイオアッセイを用いて目的物質を分析できる.バイオアッセイを理解している.バイオアッセイを理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生物化学や細胞生物学および微生物学に関する実験の基本操作の習熟を図る.物理化学実験は生物応用化学実験の基礎実験として,物理化学Ⅰ・Ⅱで学習した(学習する)内容の中の典型的なテーマが選定されている.機器分析化学実験は迅速かつ正確に測定するための知識や技術を習得する.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>及びJABEE基準1(2)(d)(2)a)に対応する.
・授業計画に記載のテーマについて実験を行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」に向けた達成度を報告書の内容により評価する.評価に対する「知識・能力」の各項目の重みは同じである.満点の60%の得点で,目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期の物理化学・機器分析化学実験の評価を40%,後期のコース別実験(応用化学コース実験,生物化学コース実験)の評価を40%,応用実験の評価を20%とする.それぞれの評価を総合したものを最終評価とする. 
<単位修得要件>前期実験と本コース別実験,応用実験のそれぞれの目標を達成し,学業成績で60点以上を取得すること.また,課された全てのレポートを指定された期限までに提出すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は「生物化学(3C)」, 「基礎細胞生物学(3C)」,「微生物学(4C)」の学習が基礎となる教科である.
<自己学習>実習で保証する学習時間と,予習・復習,レポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が180時間に相当する学習内容である.
<備考>培養工学実験では,生体物質を取り扱うほか,ガラス機器やガスといった化学実験の要素も多い.これらの取り扱いを誤ると怪我や事故につながる.これらを未然に防ぐためには,使用する薬品の性質や器具及び機器の取り扱いを熟知しておくことである.実験に先だってガイダンスでこれらの諸注意を説明するが,各自でも試薬の諸性質などの注意事項などを十分予習しておくこと.また,実験室に入る場合,必ず保護メガネを着用すること.英文による記述もあるので,十分予習しておくこと.
各テーマのレポートを定められた期限以内に各自が提出すること.考察の不十分なものは提出したとは認めない.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.実験ガイダンスと培地作製 1.培養工学実験を安全に行うのに必要な知識について説明できる.
2週 2-1.クリーンベンチ内での無菌操作―寒天培地作製 2.クリーンベンチを用いた無菌操作から,微生物の純粋培養法や継代方法を理解している.
3週 2-2.クリーンベンチ内での無菌操作―植菌・培養 2.クリーンベンチを用いた無菌操作から,微生物の純粋培養法や継代方法を理解している.
4週 3.細胞の染色と顕微鏡観察 3.グラム染色と芽胞染色で標本を作製し顕微鏡観察を行い,それらの結果から微生物の特徴を理解している.
5週 4.大腸菌の回分培養と増殖曲線 4、大腸菌の回分培養を行い増殖曲線を描くことで,回分培養の特徴と各培養期を理解している.
6週 5-1.土壌からの放線菌の分離 5.土壌から放線菌を単離して交叉画線培養を行うことによって,抗生物質生産の有無を判断する方法を理解している.
7週 5-2.放線菌の抗生物質生産 5.土壌から放線菌を単離して交叉画線培養を行うことによって,抗生物質生産の有無を判断する方法を理解している.
8週
4thQ
9週 6-1.植物からのカルス誘導 6.植物の組織培養について理解している.
10週 6-2.組織片の顕微鏡観察 6.植物の組織培養について理解している.
11週 7-1.バイオアッセイによる抗生物質の力価測定―微生物培養 7.拡散法による力価測定を理解している.
12週 7-2.バイオアッセイによる抗生物質の力価測定-検量線作成と力価決定 7.拡散法による力価測定を理解している.
13週 8-1.麹による酵素生産―麹の調製 8.麹を利用した酵素生産法を理解している.
14週 8-2.麹による酵素生産―バイオアッセイによる酵素活性の測定 8.麹を利用した酵素生産法を理解している.
15週 8-3.麹による酵素生産―麹を利用した食品生産について 8.麹を利用した酵素生産法を理解している.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合01000000100
配点01000000100