化学設計製図

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 化学設計製図
科目番号 0076 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「化学設計製図」 生物応用化学科編著
担当教員 澤田 善秋

到達目標

化学機器の設計,製図に関する基本的事項を理解し,反応器・熱交換器・蒸留塔の設計に必要な専門知識,およびフローシート,配管図および経済性評価に関する専門知識を習得し,化学機器の設計および評価に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1反応速度定数の決定,温度の速度定数への影響(活性化エネルギー,頻度因子)を設計に応用できる.反応速度定数の決定,温度の速度定数への影響(活性化エネルギー,頻度因子)が計算できる.反応速度定数の決定,温度の速度定数への影響(活性化エネルギー,頻度因子)が計算方法を理解していない.
評価項目2貸借対照表,損益計算書の概略を理解し経営分析に応用できる.貸借対照表,損益計算書の概略を理解し経営指標の計算ができる.貸借対照表,損益計算書の概略を理解し経営指標の計算方法を理解していない.
評価項目3境膜伝熱係数,総括伝熱係数をから伝熱面積を計算し熱交換器の設計に応用できる.境膜伝熱係数,総括伝熱係数をから伝熱面積の計算方法を理解している.境膜伝熱係数,総括伝熱係数をから伝熱面積の計算方法を理解していない.
評価項目4蒸留計算モデルを用いて還流比の製品純度,収量等に与える影響を計算し蒸留塔の設計に応用できる.蒸留計算モデルを用いて還流比の製品純度,収量等に与える影響が計算できる.蒸留計算モデルを用いて還流比の製品純度,収量等に与える影響の計算方法を理解していない.
評価項目5リサイクル反応器の物質収支を計算しプロセスの設計に応用できる.リサイクル反応器の物質収支が計算できる.リサイクル反応器の物質収支の計算方法を理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
Excel 2013を用いて反応器,熱交換器,蒸留塔等の設計,製図を行う.また,Excel VBAを用いて簡易シミュレーションモデルを作成し経済的効果を含めたプロセス最適化を行い,実社会の技術者に要求されるエンジニアリングセンスを習得する.
授業の進め方・方法:
・以下の内容はすべて,学習・教育到達目標(B)<専門>(JABEE基準1(2)(d)(1))に相当する.
・授業は講義およびPCを用いた演習形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>「知識・能力」1~15の確認を前期中間試験,前期末試験,後期中間試験,学年末試験およびレポート等提出物で行う.1~15に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験・レポートを課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間・前期末・後期中間・学年末の4回の試験の平均値を最終評価とする.但し,学年末試験を除く3回の評価で60点に達していない学生については再試験を行い,再試験の結果のみで評価する.再試験の成績が該当する期間の評価を上回った場合には,60点を上限としてそれぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換える.学年末試験においては再試験を行わない.
<単位修得要件>与えられた課題レポートを全て提出し,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は,化学工学Ⅰ,Ⅱの学習が基礎となる教科である.また,情報処理に関する基礎的な事項を理解していること.
<自己学習>授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)及びレポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の概要,反応速度 : 反応転化率から擬一次反応速度定数の決定,アレニウスの式 : 反応温度の速度定数への影響,転化率から活性化エネルギー,頻度因子の決定 1.反応速度定数の決定,温度の速度定数への影響(活性化エネルギー,頻度因子)が計算できる.
2週 物質 & 熱収支 : 反応器,熱交換器の物質 & 熱収支作成, 2. 反応器廻りの物質収支,熱収支が計算できる.
3週 反応器 : 反応器容積の決定,強度計算,重量と反応器製作費の推算,付属熱交換器 : 熱交換器概略伝熱面積の決定,伝熱面積と熱交換器製作費推算 3. 反応器容積の決定,強度計算および重量と製作費の関係を計算できる.
4週 プロセス最適化 : 反応温度と反応器,熱交換器製作費,触媒費用および必要な用役費との関係から最適運転条件の決定 4. 反応温度と反応器容積,製作費および触媒費用と用役費との関係を基に最適化が図れる.
5週 フローシート: EFD構成要素と反応器反応器廻りEFD作成 5 Excel 2010の図形描画を用いて装置構成要素の作図,フローシートの作成ができる.
6週 経営分析の基礎概説,貸借対照表,損益計算書からの経営指標計算 6.貸借対照表,損益計算書の概略を理解し経営指標の計算ができる.
7週 実存企業の貸借対照表,損益計算書から経営指標を求め同業他社との比較およびレーダーチャート作成 上記 6
8週 中間試験 これまでに学習した内容について説明できる.
2ndQ
9週 熱交換器の設計_1 : 二重境膜説を基本とした熱交換器設計の基礎概説 7. 境膜伝熱係数,総括伝熱係数から伝熱面積が計算できる.
10週 熱交換器の設計_2 : Sieder-Tateの式を用いた境膜伝熱係数の推算 8. Sieder-Tateの式を用いて境膜伝熱係数が計算できる.
11週 熱交換器の設計_3 : 操作条件を変化させた場合の境膜伝熱係数,総括伝熱係数,伝熱面積および用役使用量への影響についてのケーススタディー(Excel VBA) 9.操作条件を変化させた場合の境膜伝熱係数,総括伝熱係数および伝熱面積への影響のケーススタディーができる.
12週 MacCabe-Thiele図法による蒸留塔設計の基礎概説, Excel VBAによる蒸留塔シミュレーションモデルの作成 10. Excel VBAを用いて簡易シミュレーションモデルが作成できる.
13週 蒸留塔の設計 : 簡易シミュレーションモデルを用いた蒸留塔操作条件最適化と経済性 11. モデルを用いて還流比の製品純度,収量等に与える影響が計算できる.
14週 リサイクル反応プロセス物質収支作成(平衡反応) 12. リサイクル反応器の物質収支が作成できる.
15週 エネルギー消費量推算,反応条件最適化と経済性 13. 反応条件の最適化と経済性計算ができる.
16週 学年末試験 これまでに学習した内容について説明できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4
化学工学化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4
蒸留の原理について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4

評価割合

試験課題レポート相互評価態度発表その他合計
総合評価割合10000000100
配点10000000100