反応工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 反応工学
科目番号 0076 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「改訂版 反応工学」 橋本健治著(培風館), 参考書:「反応工学概論」 久保田宏・関沢恒男著(日刊工業新聞社)
担当教員 船越 邦夫

到達目標

反応工学に関する基本的事項を理解し,回分反応器・連続槽型反応器・管型反応器の設計方程式や反応速度解析法などの知識を修得し,各種の反応器の設計に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1定常状態近似法による反応速度式の導出や,律速段階近似法による反応速度式の導出に関する応用的な問題を解くことができる.定常状態近似法による反応速度式の導出や,律速段階近似法による反応速度式の導出に関する基礎的な問題を解くことができる.定常状態近似法による反応速度式の導出や,律速段階近似法による反応速度式の導出に関する問題を解くことができない.
評価項目2回分反応器や連続槽型反応器,管型反応器の設計方程式の導出や,反応時間,空間時間などの算出に関する応用的な問題を解くことができる.回分反応器や連続槽型反応器,管型反応器の設計方程式の導出や,反応時間,空間時間などの算出に関する基礎的な問題を解くことができる.回分反応器や連続槽型反応器,管型反応器の設計方程式の導出や,反応時間,空間時間などの算出に関する問題を解くことができない.
評価項目3積分法および微分法を用いた回分反応器の単一反応の反応速度解析や,積分反応器,微分反応器,連続槽型反応器などによる単一反応の反応速度解析に関する応用的な問題を解くことができる.積分法および微分法を用いた回分反応器の単一反応の反応速度解析や,積分反応器,微分反応器,連続槽型反応器などによる単一反応の反応速度解析に関する基礎的な問題を解くことができる.積分法および微分法を用いた回分反応器の単一反応の反応速度解析や,積分反応器,微分反応器,連続槽型反応器などによる単一反応の反応速度解析に関する問題を解くことができない.
評価項目4回分反応器,連続槽型反応器,管型反応器の設計に関する応用的な問題を解くことができる.回分反応器,連続槽型反応器,管型反応器の設計に関する基礎的な問題を解くことができる.回分反応器,連続槽型反応器,管型反応器の設計に関する問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
反応工学は,化学反応や生物化学反応の速度過程を物質移動や熱移動を考慮して解析し,反応装置を合理的に設計し,安全に操作するために必要な知識を体系化した工学である.反応工学では,反応速度式や反応器設計の基礎式等を学習し,回分反応器・連続槽型反応器・管型反応器の設計や操作に必要な専門知識について学ぶ.この科目は研究所で無機材料に関する研究を担当していた教員が,その経験を活かし,反応速度論や反応器設計等について授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>(JABEE基準1.2(d)(1))に相当する.
・授業は講義形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で修得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>「授業計画」における「到達目標」1~6の確認を課題,中間試験,期末試験で行う.1~6に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>中間・期末試験の成績の平均点を80%,課題を20%として学業成績を評価する.ただし中間試験の成績が60点に達していない者のうち希望者に対して再試験を実施し,再試験の成績が中間試験の成績を上回った場合には60点を上限として再試験の成績で置き換えるものとする.期末試験については再試験を行わない.
<単位修得要件>与えられた課題レポートを全て提出し,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は,数学(微分・積分学の基礎)や物理(力学),化学(物質の状態),物理化学Ⅰ(相平衡,熱力学),および化学工学Ⅰ(3年)の学習が基礎となる教科である.
<自己学習>授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)及び課題作成に必要な標準的な学習時間の総計が,45時間に相当する学習内容である.
<注意事項>本教科は,後に学習する化学工学Ⅱ,化学設計製図,応用化学コース実験,および移動現象論の基礎となる教科である.数式の背景にある物理的意味をきちんと理解することが重要である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 反応工学の概要
化学反応の分類,反応装置の分類
1. 反応装置の操作法・形式と構造,流通反応装置内の反応物質の流れについて説明できる.
2週 反応速度の定義,定常状態近似による反応速度式の導出(定常状態の近似) 2. 定常状態近似法による反応速度式の導出や,律速段階近似法による反応速度式の導出を行うことができる.
3週 定常状態近似による反応速度式の導出(酵素反応) 上記2
4週 律速段階近似法による反応速度式の導出,Arrheniusの式 上記2
5週 単一反応の量論関係,限定反応成分反応率による物質
量・濃度等の表現
3. 回分反応器や連続槽型反応器,管型反応器の設計方程式の導出ができ,それらをもとに反応時間,空間時間などの計算ができる.
6週 反応器の物質収支式,回分反応器の設計方程式 上記3
7週 連続槽型反応器(CSTR),管型反応器(PFR)の設計方程式,空間時間 上記3
8週 中間試験
4thQ
9週 単一反応の反応速度解析,回分反応による反応速度解析(微分法) 4. 積分法および微分法を用いた回分反応器の単一反応の反応速度解析や,積分反応器,微分反応器,連続槽型反応器などによる単一反応の反応速度解析について説明できる.
10週 単一反応の反応速度解析,回分反応による反応速度解析(積分法) 上記4
11週 PFRによる反応速度解析,CSTRによる反応速度解析 上記4
12週 回分反応器の設計 5. 回分反応器,連続槽型反応器,管型反応器の設計ができる.
13週 多段CSTRの設計(代数的解法,図解法) 上記5
14週 PFRの設計,多管型PFRの本数の決定 上記5
15週 自触媒反応の最適設計 6. 自触媒反応の最適操作について説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
配点8020100