環境分析化学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 環境分析化学
科目番号 0080 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「ビギナーズ有機構造解析」川端 潤 著(化学同人),配布プリント 参考書:エキスパート応用化学テキストシリーズ「機器分析」大谷 肇 編著(講談社)
担当教員 山本 智代

到達目標

赤外分光法(IR),核磁気共鳴分光法(NMR)についての専門知識を習得し,環境中に存在する物質の機器による分析に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1赤外分光分析の原理や装置,測定法について正しく理解し説明できる.赤外分光分析の原理や装置,測定法について理解している.赤外分光分析の原理や装置,測定法について理解していない.
評価項目2赤外スペクトルから分子構造を正しく決定できる.赤外スペクトルから部分構造を決定できる.赤外スペクトルから構造決定することができない.
評価項目3核磁気共鳴分光法の原理や装置,化学シフトについて正しく理解し説明できる.核磁気共鳴分光法の原理や装置,化学シフトについて理解している.核磁気共鳴分光法の原理や装置,化学シフトについて理解していない.
評価項目4核磁気共鳴スペクトルから分子構造を正しく決定できる.核磁気共鳴スペクトルから部分構造を決定できる.核磁気共鳴スペクトルから構造決定することができない.
評価項目5これまでに学習した機器分析的手法を用いた環境分析について正しく理解し説明できる.これまでに学習した機器分析的手法を用いた環境分析について理解している.これまでに学習した機器分析的手法を用いた環境分析について理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目で学習する機器分析法は,物理的・化学的な事象,現象を基礎とする赤外分光分析と核磁気共鳴分析である.これら手法と3年次に学習した他の機器分析的手法を用い,環境中に存在する有益または有害な物質の分析について理解を深める.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育目標の(B)の<専門>に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」は,この授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>授業計画の到達目標を網羅した問題を小テストおよび中間試験,期末試験で出題し、目標の達成度を評価する.各到達目標に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>中間試験と期末試験の結果を80%,小テストの結果を20%として評価する.ただし中間試験,前期末試験の成績が60点に満たない者のうち希望者(無断欠席の学生を除く)に対しては再試験を実施し,再試験の成績が該当する試験の成績を上回った場合には60点を上限として再試験の成績で置き換えるものとする.小テストについては再試験を行わない.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本科目は,3年次までに習った分析化学の基本的事項,物理(力学と電磁気学)の学習が基礎となる科目である.
<レポート等>理解を深めるために小テスト(または課題提出)を行う.
<備考>本科目は5年で履修する環境工学に必要な基礎的内容を多く含むので,長期的な視野を持って授業に臨んで欲しい.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【赤外分光分析】分子振動,赤外線吸収 1.分子振動と赤外線吸収との関係について理解している.
2週 【赤外分光分析】光源,試料,分光器,検出器
2.赤外分光光度計の装置と測定法に関して理解している.
3週 【赤外分光分析】特徴的な吸収,部分構造 3.赤外分光分析法における特徴的な吸収波数と部分構造がわかる.
4週 【赤外分光分析】分子構造の決定 4.赤外スペクトルから分子構造を決定できる.
5週 【1H核磁気共鳴分析】原理,σ電子による化学シフト 5.1H核磁気共鳴分析法の原理とσ電子による化学シフトが理解できる.
6週 【1H核磁気共鳴分析】π電子による化学シフトとピーク面積 6.π電子による化学シフト,ピーク面積とプロトン数について理解している.
7週 【1H核磁気共鳴分析】単純なスピン-スピン結合 7.単純なスピン-スピン結合について理解している.
8週 前期中間試験 8.到達目標1~7に関する内容について説明できる
2ndQ
9週 【1H核磁気共鳴分析】複雑なスピン-スピン結合,多重線の解析 9.複雑なスピン-スピン結合,多重線の解析ができる.
10週 【1H核磁気共鳴分析】化学交換,窒素原子の影響,スピンデカップリング 10.化学交換,窒素原子の影響,スピンデカップリングについて理解している.
11週 【1H核磁気共鳴分析】分子構造の決定 11.1H核磁気共鳴スペクトルから分子構造が決定できる.
12週 【13C核磁気共鳴分析】化学シフト,DEPT 12.13C核磁気共鳴分析における化学シフト,DEPTに関して理解している.
13週 【13C核磁気共鳴分析】分子構造の決定 13.13C核磁気共鳴スペクトルから分子構造が決定できる.
14週 【2次元核磁気共鳴分析】様々な2次元核磁気共鳴分析 14.2次元核磁気共鳴分析法の種類や解析法について理解している.
15週 様々な分析機器を利用した環境分析について 15.これまでに学習した分析機器を用いた環境分析について理解している.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4

評価割合

試験発表レポート小テスト平常点その他合計
総合評価割合80002000100
配点80002000100