遺伝子工学およびタンパク質工学関連の専門的技術を習得しており,実験ノートを正しく記載し,正確なレポートが作成でき,実験の解析結果を正しく解釈できる
概要:
細胞工学,生物化学工学,蛋白質工学などの分野が工業化の中に組み込まれ生物機能を広範に利用する産業が確立されている.本実験はその基本技術となる遺伝子工学および生物化学工学関連技術の習得を目的としている.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は学習・教育目標(B)<専門>に相当する.
・授業は実習形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」は、この授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>「授業計画」における「到達目標」の確認をレポートで行う.「到達目標」に関する重みはおおむね同じである.
<学業成績の評価方法および評価基準>各実験操作の意味を理解した上で行えているかの評価をノート等を通じて行いこれを14%,与えられた実験テーマのレポートの評価を86%として100点満点で評価する.
<単位取得要件>学業成績で60点以上を習得すること.
<あらかじめ分子生物学および並行して開講される遺伝子工学の授業を深く理解すること.また,微生物学,分子生物学,細胞工学,生物化学工学の基礎知識を十分に理解していること..
<備考>各実験操作の意味についてきちんと理解すること.この実習は専攻科で履修する分子生命科学,生体機能工学,細胞情報科学で扱う範囲へ発展する内容を含んでいる.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
授業の概要:ガイダンスと 遺伝子組換え安全講習,実験室の安全性,使用機器説明,実験準備
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1. 一般的な生物実験、及び組換えDNAを作製する実験を実施する際の安全対策を理解している.
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2週 |
RNAの抽出と定量,cDNAの合成
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2. 核酸の精製方法の各過程についてその原理を理解している.
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3週 |
PCR法による核酸の増幅,電気泳動,ゲルからの回収
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3. PCR法の原理とその操作方法について説明できる.
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4週 |
ライゲーション,コンピテントセルの作製と形質転換
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4. ライゲーションの原理、コンピテントセルの特徴を理解しており、正しく扱える.
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5週 |
形質転換細胞の解析(ミニプレップ解析)とその保存
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5. プラスミドの精製方法についてその原理を理解している.
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6週 |
抽出したプラスミドのシークエンス反応
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6. ジデオキシ法によるDNA塩基配列決定法の原理とその操作方法について説明できる
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7週 |
シークエンスデータの解析 |
7. シークエンスデータから配列の解析ができる
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8週 |
実験のまとめとレポートの作成
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8. 行った範囲の実験について適切なレポートが作成できる
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4thQ |
9週 |
RNAプローブの作製
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9. in vitro RNA合成について理解している
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10週 |
ノーザンブロット・RNAの抽出と定量
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10. ノーザンブロットの原理を理解しており、mRNAの発現を解析できる
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11週 |
ノーザンブロット・泳動とブロット
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上記10
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12週 |
ノーザンブロット・ハイブリと発色
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上記10
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13週 |
タンパク質の抽出と電気泳動
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11. タンパク質の抽出法、SDS-PAGEによる分離について理解している
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14週 |
ウエスタンブロティングによるタンパク質の検出
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11. ウエスタンブロットの原理を理解しており、タンパク質発現を解析できる
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15週 |
実験のまとめ,後片付け |
12. 行った範囲の実験について適切なレポートが作成できる
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術 | 工学実験技術 | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 4 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野(実験・実習能力) | 生物工学実験 | 滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。 | 4 | |
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 4 | |
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。 | 4 | |
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。 | 4 | |