応用化学コース実験

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 応用化学コース実験
科目番号 0084 科目区分 専門 / (化)コース必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 生物応用化学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 6
教科書/教材 教科書:「化学工学実験テキスト」 生物応用化学科編著参考書:「化学工学便覧」化学工学会編(丸善),「化学便覧」日本化学会編(丸善),「改訂新版化学工学通論Ⅰ」疋田晴夫(朝倉書店),「反応工学」橋本健二(培風館)
担当教員 船越 邦夫,澤田 善秋,森田 誠一

到達目標

①~⑧の実験テーマに関する「知識・能力」について,報告書の内容,プレゼンテーションおよび口頭試問の結果により評価する.評価に対する「知識・能力」の各項目の重みは同じである.満点の60%の得点で目標の達成を確認する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学工学の典型的な系の実験を通して単位操作を理解し,化学プロセスの設計,合理化に応用できる.化学工学の典型的な系の実験を通して単位操作を理解している.化学工学の典型的な系の実験を通して実験を行ったが単位操作を理解していない.
評価項目2化学工学の実験結果を論理的にレポートでき,プロセスの設計に応用できる.化学工学の実験結果を論理的にレポートできる.化学工学の実験結果を論理的にレポートできていない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「応用化学コース実験」では,化学工学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲおよび反応工学の授業で学習した内容について,実際に典型的な系にて実験を行い理解を深めるとともに,実験およびその整理法を通じて「化学工学的手法」ならびに「工学の意義」について理解する.
授業の進め方・方法:
・以下の内容は,すべて,学習・教育到達目標(B)<専門>(JABEE基準1(2)(d)(1),(d)(2)a)に相当する.
・授業は実験形式主体で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準> ①~⑧の実験テーマに関する「知識・能力」について,報告書の内容,プレゼンテーションおよび口頭試問の結果により評価する.評価に対する「知識・能力」の各項目の重みは同じである.満点の60%の得点で目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準> 10テ-マのレポ-ト点(10点 / テ-マ)の合計点(100点)に,実験結果報告会(第4週)(20点)および口頭試問(第15週)の20点を加算した点(140点)を100点に換算して評価を行う.
<単位修得要件> 与えられた実験テ-マのレポートを全て提出し,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲> 本教科は,数学(微分・積分学の基礎)や物理(力学),化学(物質の状態),物理化学Ⅰ(相平衡,熱力学),物理化学Ⅱ(反応速度論),情報処理応用,化学工学Ⅰ(3, 4年),化学工学Ⅱ,反応工学の学習が基礎となる教科である.
<自己学習> 授業で保証する学習時間とレポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が135時間の学習時間に相当する学習内容である.レポートは,実験終了後2週間以内に各人が提出する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス_1(実験概要説明) 化学工学実験の意義,内容と安全知識を把握する。
2週 ガイダンス_2(実験概要説明) 化学工学実験の意義,内容と安全知識を把握する。
3週 第1回実験
2~3人一組の班別に,基礎測定・流動・熱移動・拡散操作・機械的操作・反応操作の実験をローテーションにより行う.
(①気相拡散係数)1. 顕微鏡法による拡散速度の測定法を説明できる.2. 最小二乗法による回帰式が求められる.3. 拡散係数・蒸気圧・飽和蒸気圧について説明できる.
4週 第1回実験結果のプレゼンテーション(班別) 実験テーマ①~⑧を第1回目に行った班が,次の班に操作内容を確実に申し送れるようにするべく,実験報告会を行う。
5週 第2回実験 (②次元解析)1. 次元解析の手法について説明できる.2. 両対数方眼紙による実験定数の決定と誤差評価ができる.
6週 第3回実験 (③比表面積)1. 空気透過法による比表面積測定の原理を説明できる.2. Blaine法と恒圧通気法について説明できる.3. 比表面積代表粒子径について説明できる.
7週 第4回実験 (④熱伝導度)1. 伝導伝熱のメカニズムとFourierの式について説明できる.2. 非定常法による熱伝導度測定の原理を説明できる.3. 最小二乗法によるデータ整理ができる.4. 気体・液体・固体の熱伝導度の大きさについて説明できる.
8週
2ndQ
9週 第5回実験 (⑤総括伝熱係数)1. 総括伝熱係数について説明できる.2. 二重管式熱交換器の熱収支を説明できる.3. 測定値から境膜伝熱係数を計算することができる.
10週 第6回実験 (⑥気液平衡)1. Abbeの屈折計により,溶液の組成を求めることができる.2. Raoult の法則,相対揮発度について説明できる.3. 理想溶液・非理想溶液について説明できる.
11週 第7回実験 (⑦単蒸留試験)1. 物質収支式に基づく誤差評価ができる.2. Rayleighの式について説明できる.
12週 第8回実験 (⑧固体の乾燥速度の決定)1. 水分,含水率,限界含水率,平衡含水率,乾燥特性曲線について説明できる.2. 恒率乾燥期間では,材料の表面温度がほぼ一定になる理由について説明できる.3. 実測デ-タをもとに乾燥特性曲線を求めることができる.
13週 第9回実験 (⑨反応速度定数の測定)1. 定容回分反応器の設計方程式について説明できる.2. 滴定値より可逆反応の正・逆反応速度定数と平衡定数が算出できる.
14週 第10回実験 (⑩反応吸収)1. 二重境膜説に基づく物理吸収速度について説明できる.2. 迅速反応領域の気液反応を伴う吸収速度について説明できる.3. 滴定値から反応吸収速度と見掛けの液側容量係数が算出できる.
15週 実験レポートに関する口頭試問(個人別). 各実験はグループで実施しているが,個人が確実に理解しているかどうかを確認するべく,一人ずつ口頭試問にて確認する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4

評価割合

試験(口頭試問)課題レポート相互評価態度発表その他合計
総合評価割合157000150100
配点157000150100