到達目標
タンパク質化学に関する基本的事項を理解し,生体からタンパク質を分離し,その機能や構造を解析して特性評価ができる専門知識を身に付け,タンパク質を取り扱う生物工学の技術に応用できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | タンパク質の構造と機能が生命現象に影響を与えることを説明できる. | タンパク質の構造と機能の関係を説明できる. | タンパク質の構造と機能の関係を説明できない. |
評価項目2 | 適切なタンパク質生産および精製の方法を選択・設計することができる. | タンパク質の生産と精製の方法を説明できる. | タンパク質の生産と精製の方法を説明できない. |
評価項目3 | 知りたい情報によって適切なタンパク質解析方法を選択できる. | タンパク質の解析方法と得られる情報を説明できる. | タンパク質の解析方法について説明できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
生物を構成する主要成分であるタンパク質は,多様な生理活性を有し生物の恒常性を保つために働く重要な物質である.そこでタンパク質化学では,タンパク質の性質,タンパク質の分離・精製,タンパク質の特性評価についての専門知識の習得を通して,タンパク質の扱い方や生理活性について理解する.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>,JABEE基準1(2)(d)(2)a)に相当する.
・授業は講義形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で修得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>「知識・能力」1~14の確認を前期中間試験・前期末で行う.1~14に関する重みは同じである.合計点の60%の点数を得ることによって目標の達成が確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間・前期末の2回の平均点を最終評価とする.ただし,前期中間試験が60点に達していない学生には再試験を行い,再試験の成績が当該試験の成績を上回った場合には,60点を上限として該当する試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.ただし中間試験を無断欠席した学生には再試験を実施しない.なお,当該試験の平均点の40%以上の成績であることならびに当該試験の実施日までに出された課題のレポートを全て提出していなければ,当該試験の再試験を受けることができないものとする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を習得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科の学習には,微生物学Ⅱ,分子生物学,細胞工学,生物化学工学の習得が必要である.
<自己学習>授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)及びレポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が90時間に相当する学習内容である.
<注意事項>各週の授業でキーワードをあげるので,これらについて理解しておく必要がある.本教科は後に学習する分子生命科学(専攻科),生体機能工学(専攻科),細胞情報科学(専攻科)の基礎となる教科である.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
生体分子として働くタンパク質の特性 |
1. 生物の持つ5つの特性について説明できる.タンパク質の機能を説明できる.
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2週 |
アミノ酸の構造と性質 |
2. タンパク質を構成するアミノ酸の種類と化学的性質を説明できる. タンパク質の構造と機能の相関性を説明できる.
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3週 |
タンパク質の高次構造 |
3. タンパク質の構造について説明ができる.
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4週 |
タンパク質の構造ドメインと機能ドメイン |
4. タンパク質の構造ドメインと機能ドメインを説明できる.
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5週 |
タンパク質の修飾 |
5. タンパク質の翻訳後修飾について説明できる.
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6週 |
タンパク質の構造と機能の改変 |
6. 遺伝子の変異によるアミノ酸残基の置換が説明できる.タンパク質の構造・機能の改変の原理と方法を説明できる.
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7週 |
タンパク質の変異体の作製 |
7. タンパク質を構成するアミノ酸残基の置換法を説明できる.ランダムな変異の導入方法について説明できる.
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
中間試験の解説 タンパク質の発現・生産 |
8. 組換えタンパク質の発現・生産方法について説明できる.
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10週 |
タンパク質の分離と精製 |
9. 多様なタンパク質の分離・精製法を説明できる.タンパク質のタグについて説明できる.
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11週 |
カラムクロマトグラフィを用いたタンパク質の精製 |
10. カラムクロマログラフィによるタンパク質の分離精製法の原 理を説明できる.
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12週 |
タンパク質の特性評価 |
11. タンパク質の分子量,大きさ,形状,荷電,サブユニット構造と,その解析方法を説明できる.
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13週 |
タンパク質の電気泳動 |
12. タンパク質に適用されるさまざまな電気泳動法について説明できる.
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14週 |
タンパク質の分析超遠心 |
13. 超遠心法による分析法と,それによって得られる情報を説明できる.
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15週 |
タンパク質のアミノ酸配列の決定法とタンパク質の質量分析 |
14. タンパク質の配列および修飾の決定方法を説明できる.生体高分子の質量を決定する方法を説明できる.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 分析化学 | イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。 | 4 | |
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。 | 4 | |
基礎生物 | ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
配点 | 100 | 100 |