タンパク質化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 タンパク質化学Ⅱ
科目番号 0088 科目区分 専門 / (生)コース必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:使用しない.配布資料,参考書:「生物物理化学の基礎 -生体現象理解のために-」白浜啓四郎ほか(三共出版),「クーパー生物物理化学 生命現象への新しいアプローチ」A. Cooper 著 有坂文雄 訳(化学同人),「やさしい原理からはいるタンパク質科学実験法1 タンパク質をつくる -抽出・精製と合成」,長谷俊治・高尾敏文・高木淳一 編(化学同人),「やさしい原理からはいるタンパク質科学実験法3 タンパク質のはたらきを知る -分子機能と生体作用」長谷俊治・高尾敏文・高木淳一 編(化学同人)
担当教員 今田 一姫

到達目標

タンパク質化学に関する基本的事項を理解し,生体からタンパク質を分離し,その機能や構造を解析して特性評価ができる専門知識を身に付け,タンパク質を取り扱う生物工学の技術に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酵素の機能がどのように応用できるか説明できる.酵素の機能について説明できる.酵素の機能について説明できない.
評価項目2抗体の機能がどのように応用できるか説明できる.抗体の構造と機能について説明できる.抗体の構造と機能について説明できる.
評価項目3タンパク質の立体構造解析とその有用性について説明できる.タンパク質の立体構造解析について説明できる.タンパク質の立体構造解析について説明できない.
評価項目4タンパク質のデータベースから適切な情報を得ることができる.タンパク質のデータベースで検索することができる.タンパク質のデータベースを扱うことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生物を構成する主要成分であるタンパク質は,多様な生理活性を有し生物の恒常性を保つために働く重要な物質である.そこでタンパク質化学では,タンパク質の性質,タンパク質の分離・精製,タンパク質の特性評価についての専門知識の習得を通して,タンパク質の扱い方や生理活性について理解する.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>,JABEE基準1(2)(d)(2)a)に相当する.
・授業は講義形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で修得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>「知識・能力」1~14の確認を前期中間試験・前期末で行う.1~14に関する重みは同じである.合計点の60%の点数を得ることによって目標の達成が確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間・前期末の2回の平均点を最終評価とする.ただし,前期中間試験が60点に達していない学生には再試験を行い,再試験の成績が当該試験の成績を上回った場合には,60点を上限として該当する試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.ただし中間試験を無断欠席した学生には再試験を実施しない.なお,当該試験の平均点の40%以上の成績であることならびに当該試験の実施日までに出された課題のレポートを全て提出していなければ,当該試験の再試験を受けることができないものとする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を習得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科の学習には,微生物学Ⅱ,分子生物学,細胞工学,生物化学工学の習得が必要である.
<自己学習>授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)及びレポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が90時間に相当する学習内容である.
<注意事項>各週の授業でキーワードをあげるので,これらについて理解しておく必要がある.本教科は後に学習する分子生命科学(専攻科),生体機能工学(専攻科),細胞情報科学(専攻科)の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 酵素反応とその利用 1. 酵素の機能と応用について説明できる.
2週 酵素反応速度の測定条件 2. 酵素活性の測定法を説明できる.
3週 酵素反応速度論と速度パラメーターの測定 3. 実験値をもとにミカエリス定数Kmと最大速度Vを求めることができる.酵素活性を表す種々の単位を説明できる.
4週 抗原に対する抗体の認識 4. 抗体がどのようにして抗原を認識するかを説明できる.
5週 進化分子工学の抗体への適用 5. 抗体の機能改変について説明できる.抗体触媒について説明できる.
6週 生体内におけるタンパク質の可視化 6. 生体内でのタンパク質の可視化の方法を説明できる.
7週 タンパク質と物質の相互作用の解析 7. タンパク質間またはタンパク質とその他の物質の相互作用の解析方法について説明できる.
8週 中間試験 これまでに学習した内容を,例を挙げたり,説明することができる.
4thQ
9週 中間試験の復習
タンパク質の分割と融合による機能の創出
8. タンパク質のドメインを分割・融合することによる応用例を挙げることができる.
10週 タンパク質の分光学的構造解析 9. 分光学的手法によるタンパク質の構造解析法を説明できる.
11週 タンパク質の微視的構造解析 10. タンパク質の構造解析方法を挙げることができる.核磁気共鳴法によるタンパク質の構造解析法を説明できる.
12週 タンパク質のX線結晶構造解析 11. タンパク質のX線結晶構造解析法を説明できる.
13週 顕微鏡を用いたタンパク質の構造解析 12. 電子顕微鏡や原子間力顕微鏡によるタンパク質の構造解析について説明できる.
14週 タンパク質の構造・機能とバイオインフォマティクスとの関係 13. タンパク質の構造と機能についてバイオインフォマティクスのデータベースから抽出できる.
15週 バイオインフォマティクスによるタンパク質の構造・機能予測 14. タンパク質のデータベースを利用したプログラムを用いて,タンパク質の構造・機能の予測ができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
配点100100