環境工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 環境工学
科目番号 0107 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「健康と環境の科学」編集:川添禎浩 講談社サイエンテフィク参考書:「新・公害防止の技術と法規 水質編」公害防止の技術と法規編集委員会編(産業公害防止協会)
担当教員 甲斐 穂高

到達目標

環境工学に関する基本的事項を理解し,水質汚濁の防止に必要な専門知識,騒音や振動の問題,生体に悪影響を与える化学物質に関する専門知識を習得し,公害防止および環境保全に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1公害の概要,それぞれの公害の原因物質や被害を説明でき,公害の対策や関係法律を説明できる.公害の概要について説明でき,発生したそれぞれの公害の原因物質や被害を説明できる.公害の概要を説明できない.
評価項目2上水の仕組みが説明でき,上水にかかる基準や法令を説明できる.上水の仕組みを説明できる.上水の仕組みを説明できない.
評価項目3下水と下水道の概要,下水処理の仕組みを説明でき,下水処理にかかる基準や法令を説明できる.下水と下水道の概要を説明でき,下水処理の仕組みを説明できる.下水処理の仕組みを説明できない.
評価項目4高度処理や有害物質を含む排水の処理方法を原理をともに説明でき,これらにかかる基準や法令を説明できる.高度処理や有害物質を含む排水の処理方法の概要を説明できる.高度処理や有害物質を含む排水の処理方法を説明できない.
評価項目5騒音と振動の物理量の表し方が説明でき,これらの悪影響および対策を説明できる.騒音と振動の悪影響を説明できる.騒音と振動の悪影響を説明できない.
評価項目6農薬の生体に対する影響を生体内代謝経路をもとに説明でき,また,農薬の規制にかかる法令や基準を説明できる.農薬の生体に対する悪影響を説明できる.農薬の生体に対する影響を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
我々が便利で快適な生活を送る上で必要な水を中心とした環境に関連した問題,水処理の基本原理,排水処理の手法を理解する.また,騒音・振動などの感覚公害,化学物質の便利さと環境への影響に関する知識を習得するとともに,環境保全の大切さを理解する.
授業の進め方・方法:
・学習内容は,すべて学習・教育到達目標(B)<基礎>に対応する.
・授業は講義とグループ学習を併用した形式で行う.講義は集中して聴講し,グループ学習では与えられた課題を積極的に取り組むこと.
・グループ学習では,与えられた課題をとりまとめて,発表を行うポスターツアー形式を取り入れて行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」は,この授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
この授業で習得する「知識・能力」]において示されている『23』の到達目標について,理論的な考え方,及びそれを利用した計算問題ができるようになること.これらについて定期試験で確認を行う.各到達目標に関する重みづけは同じである.
<学業成績の評価方法および評価基準>
1.学業成績は,前期中間・前期末・後期中間・学年末試験の得点の平均値に0.6を乗じた点数(60点分),および提出を義務付けられた課題や小テスト(40点分)を学業成績評価点とし,学業成績評価点が60点以上であれば単位認定とする.
2.再試験は実施しない.定期試験を無断欠席した場合(試験開始時までに担任等への欠席の連絡がない場合)も同様である.
<単位修得要件>
学業成績評価点が60点以上であること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
無機化学,有機化学,分析化学,物理化学,化学工学および物理学の基本的事項は理解している必要がある.
<レポート等>
前期2回、後期2回の計4回分のレポートを課す.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の進め方
環境工学とは?
公害問題(1)
1.四大公害を主とする公害の原因物質,被害,影響を説明できる.
2週 公害問題(2) 2.四大公害を主とする公害の対策を説明できる.
3週 上水(1) 3.上水施設の概要を説明できる.
4週 上水(2) 4.上水の沈殿・ろ過・消毒の原理や効果を説明できる.
5週 上水(3) 5.上水に関する法律や水質基準を説明できる.
6週 ポスターツアーⅠ(1) 6.これまでに学習した内容をもとに,現在における公害や上水の現状や課題を説明できる.
7週 ポスターツアーⅠ(2) 6.これまでに学習した内容をもとに,現在における公害や上水の現状や課題を説明できる.
8週 前期中間試験 これまでに学習した内容をもとに,現在における公害や上水の現状や課題を説明できる.
2ndQ
9週 前期中間試験を振り返って
下水処理:総論
7.下水処理施設の概要を説明できる.
10週 下水処理:各論(1) 8.活性汚泥処理を説明できる.
11週 下水処理:各論(2) 9.嫌気処理を説明できる.
12週 高度処理:脱窒 10.生物学的消化脱窒法を説明できる.
13週 高度処理:脱りん 11.生物学的脱りん法を説明できる.
14週 ポスターツアーⅡ(1) 12.これまでに学習した内容をもとに,現在における下水処理の現状や課題を説明できる.
15週 ポスターツアーⅡ(2) 12.これまでに学習した内容をもとに,現在における下水処理の現状や課題を説明できる.
16週
後期
3rdQ
1週 前期末試験の解答と解説
前期末試験を振り返って
有害物質処理:総論(1)
13.排水処理に関する法律の概要と排水基準を説明できる.
2週 有害物質処理:総論(2) 14.有害物質を含む排水の性質と一般的な前処理の概要を説明できる.
3週 有害物質処理:総論(3) 15.水酸化物沈殿法,フェライト法,イオン交換法などの有害物質処理法の概要や原理をせつめいできる.
4週 有害物質処理:各論(1) 16.水銀,クロム,ヒ素,セレンなどの重金属を含む排水の処理方法を説明できる.
5週 有害物質処理:各論(2) 17.ホウ素,フッ素,シアンなどが含まれている排水の処理法帆を説明できる.
6週 ポスターツアーⅢ(1) 18.これまでに学習した内容をもとに,実際に行われている有害物質を含む排水処理の礼を挙げて説明をすることができる.
7週 ポスターツアーⅢ(2) 18.これまでに学習した内容をもとに,実際に行われている有害物質を含む排水処理の礼を挙げて説明をすることができる.
8週 後期中間試験 これまでに学習した内容をもとに,有害物質処理法を説明できる.
4thQ
9週 中間試験の解答と解説
後期中間試験を振り返って
これまでに学習した内容をもとに,有害物質処理法を説明できる.
10週 騒音 19.騒音の定義や騒音が与える影響を説明できる.
11週 振動 20.振動の定義や振動が与える影響を説明できる.
12週 農薬と環境ホルモン(1) 21.農薬の種類や化学構造.農薬が生体に与える影響を説明できる.
13週 農薬と環境ホルモン(2) 22.環境ホルモンの種類や化学構造.環境ホルモンが生体に与える影響を説明できる.
14週 ポスターツアーⅣ(1) 23.これまでに学習した内容をもとに,農薬や環境ホルモンが引き起こしている問題を説明できる.
15週 ポスターツアーⅣ(2) 23.これまでに学習した内容をもとに,農薬や環境ホルモンが引き起こしている問題を説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合60400000100
配点60400000100