数学特講Ⅰ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 数学特講Ⅰ
科目番号 0110 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:配布プリント,ミニマム線形代数 大橋常道, 加藤末広, 谷口哲也共著 コロナ社参考書:教養の線形代数 村上, 佐藤, 野澤, 稲葉共著 培風館 大学編入試験問題 数学/徹底演習 林義実・小谷泰介共著 森北出版
担当教員 伊藤 清

到達目標

ベクトル,行列,行列式,連立1次方程式,固有値・固有ベクトル等の復習やベクトル空間・線形写像などの抽象的だが重要な概念や発展的な内容を学び,大学編入学試験にも対応できる学力を養う.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1行列式の「定義」およびその性質・図形的な意味を理解し, 発展的な問題で適切に計算・応用することができる. 行列式の「定義」およびその性質・図形的な意味を理解し, 基本的な問題で適切に計算・応用することができる. 行列式の「定義」およびその性質を理解しておらず, 基本的な問題でも計算することができない.
評価項目2ベクトル空間および線形写像の概念と考え方を理解し, 発展的な問題で適切に計算・応用することができる. ベクトル空間および線形写像の概念と考え方を理解し, 基本的な問題で適切に計算・応用することができる. ベクトル空間および線形写像の概念と考え方を理解しておらず, 基本的な問題でも適切に計算することができない. 
評価項目3固有値と固有ベクトルの「定義」およびその性質・行列の対角化との関連を理解し, 発展的な問題で適切に計算・応用することができる. 固有値・固有ベクトルの「定義」およびその性質・行列の対角化との関連を理解し, 基本的な問題で適切に計算・応用することができる. 固有値・固有ベクトルの「定義」およびその性質を理解しておらず, 基本的な問題でも計算することができない. 

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
工学において重要な概念である線形代数について学習する.行列の取り扱い方などの基礎事項の復習に加えて発展的な内容も学び,大学編入学試験にも対応できる学力を養う.また,ベクトル空間・線形写像など抽象的だが重要な概念に慣れ,理解することを目標とする.
授業の進め方・方法:
学習・教育到達目標(B)<基礎>及びJabee基準1.2(c)に対応する.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
授業計画項目の習得の度合を,中間試験,期末試験及び,小テストにより評価し,各項目の重みは概ね均等とする.評価結果において百点法で60点以上の成績を取得したとき目標を達成したとする.
<学業成績の評価方法および評価基準>中間・期末の各試験を85%,小テストの成績を15%として評価する.ただし,中間試験で60点に達していない者には再試験を課し,再試験の成績が試験の成績を上回った場合には,60点を上限として再試験の成績に置き換える.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>線形代数Ⅰ・Ⅱで学習した全ての内容の修得が必要である.
<レポート等>全体で6回の小テストを行う.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 行列とベクトル, 内積, 1次変換 1. 行列とベクトル及び1次変換の基本を理解し,計算ができる.
2週 行列式と定義およびその性質 2. 行列式の定義を理解し,またその諸性質も理解し,計算ができる.
3週 余因子, 余因子展開,余因子行列 3. 行列の余因子と余因子行列を理解し、具体的な計算ができる.
4週 消去法と行列のランク, 連立1次方程式への応用 4. 消去法を用いて,いろいろな連立1次方程式の解を求められる.
5週 ベクトルの1次独立と1次従属 5. ベクトルの1次独立,従属の意味と定義ついて理解している.
6週 線形空間,基底と次元 6. 線形空間の定義を理解し, 具体的な例で基底や次元を求められる.
7週 線形写像,像空間と核空間, 線形代数の基本定理 7. 線形写像及び像空間と核空間について理解できる.
8週 中間試験 これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
2ndQ
9週 シュミットの直交化法と射影 8. シュミットの直交化法と射影を理解し,計算ができる.
10週 ベクトルの外積, R^3の幾何学 9. ベクトルの外積の意味とその計算法について理解する.
11週 固有値と固有ベクトル 10. 固有値と固有ベクトルの定義を理解し,簡単な例で計算ができる.
12週 行列の固有値とその固有空間 11. 固有値と固有ベクトルの重複度等を理解している.
13週 行列の対角化 12. 行列の対角化の仕組みを理解し,具体的な計算ができる.
14週 行列のべき乗,2次形式 13. 行列のべき乗や2次形式に固有値等を応用できる.
15週 2次曲線への応用 14. 固有値・固有ベクトルを2次曲線へ応用して概形が描ける.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3前1
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合85150000100
配点85150000100