地球生命科学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 地球生命科学
科目番号 0123 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「生物基礎」吉里勝利ら編(第一学習社),「フォトサイエンス生物図録」鈴木孝仁監修(数研出版)
担当教員 坂口 林香

到達目標

各週の到達目標にあげた生命現象を理解する上での基本的な事柄を理解・習得し,これにより最新の生命科学や生物工学の内容を学ぶための基礎力を身につける.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1生物の多様性と共通性及び細胞の構造や働きに関する応用的な問題を解くことができる.生物の多様性と共通性及び細胞の構造や働きに関する基本的な問題を解くことができる.生物の多様性と共通性及び細胞の構造や働きに関する問題を解くことができない.
評価項目2遺伝現象と遺伝子の働きに関する応用的な問題を解くことができる.遺伝現象と遺伝子の働きに関する基本的な問題を解くことができる.遺伝現象と遺伝子の働きに関する問題を解くことができない.
評価項目3生物の外界からの刺激に対する応答及び生物の恒常性に関する応用的な問題を解くことができる.生物の外界からの刺激に対する応答及び生物の恒常性に関する基本的な問題を解くことができる.生物の外界からの刺激に対する応答及び生物の恒常性に関する問題を解くことができない.
評価項目4バイオームの多様性と分布及び生態系とその保存に関する応用的な問題を解くことができる. バイオームの多様性と分布及び生態系とその保存に関する基本的な問題を解くことができる. バイオームの多様性と分布及び生態系とその保存に関する問題を解くことができない.
評価項目5地学に関する応用的な問題を解くことができる.地学に関する基本的な問題を解くことができる.地学に関する問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生物学は生命について学ぶ学問であり,物理学や化学と密接な関係を持つ自然科学の1領域である. そこから得られた知見は,近年の生物工学(バイオテクノロジー)などの進展により以前にも増して我々の日常生活に深く関わってきている. 本講義では最近の生命科学の話題を加えながら生物学の基礎的事項を学ぶ. それによって,最新の生命科学や生物工学の内容を理解するための学力を養う. また,この学習を通して自然科学的な思考能力を鍛える.内容は高等学校の生物学程度とする.また後期2週は,MCC対応地学教材によるアースサイエンスの講義を行う.
授業の進め方・方法:
・内容はすべて,学習・教育到達目標(B)<基礎>に相当する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>2回の中間試験,2回の定期試験で目標の達成度を評価する.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.中間試験を50%,定期試験を50%として評価する.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間・前期期末・後期中間・学年末試験については,すべて再試験を行わない.但し,2回の中間試験及び前期期末試験の評価で,それぞれ60 パーセントに達していないものには課題を提出させ,学習への取り組み姿勢も考慮して評価を行う.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>中学校の理科の授業内容を十分に理解しておくこと.
<レポート等>必要に応じてレポートや課題を課す.
<注意事項>授業中の板書は,必要に応じてノートに取るように心がけること.授業内容は前時に連続することが多いので,授業後はその内容について十分な復習を行い次時に備えること.本教科は分子生物学概論,生命工学や分子生命科学の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生物の多様性と共通性 1.生物の多様性とその起源,生物の共通性を説明できる.
2週 生物の特性・細胞の多様性 2.すべての生物に共通する特性,細胞の多様性を説明できる.
3週 原核細胞と真核細胞 3.原核細胞と真核細胞の共通性と違いを説明できる.
4週 真核細胞の構造 4.真核細胞の構造と,その内部に存在する様々な細胞小器官について説明できる.
5週 代謝とATP 5.代謝と,それに伴って利用されるATPの構造と働きについて説明できる.
6週 光合成の反応過程 6.光合成の反応過程を説明できる.
7週 呼吸の反応過程・共生説 7.呼吸の反応過程,及び共生説について説明できる.
8週 前期中間試験 8.これまでに学習した内容を説明することができる.
2ndQ
9週 遺伝子の本体であるDNAとその構造 9.遺伝子の特徴,及びその本体であるDNAの二重らせん構造を説明できる.
10週 遺伝子研究の歴史・細胞周期 10.遺伝子研究の歴史,及び細胞周期について説明できる.
11週 遺伝情報の複製と分配 11.遺伝情報の複製と分配のしくみを説明できる.
12週 タンパク質の構造と酵素 12.タンパク質の構造と,タンパク質を主成分とする酵素の働きについて説明できる.
13週 タンパク質の合成 13.細胞内で行われるタンパク質合成の転写・翻訳の過程を説明できる.
14週 遺伝子とゲノム 14.遺伝子とゲノムについて説明できる.
15週 細胞内での遺伝子の発現 15.遺伝子の発現調節により生物がさまざまな形質を現していることを説明できる.
16週
後期
3rdQ
1週 地球の概観(MCC対応地学教材) 16.地球の概観について理解している.
2週 地球の内部と活動(MCC対応地学教材) 17.地球の内部と活動について理解している.
3週 大気と海洋(MCC対応地学教材) 18.大気と海洋について理解している.
4週 恒常性と体液 19.恒常性と脊椎動物の体液について説明できる.
5週 体液の循環 20.ヒトの血液とリンパ液の循環を説明できる.
6週 肝臓・腎臓の働き 21.肝臓と腎臓の働きを説明できる.尿成分の濃縮率を求めることができる.  
7週 自然免疫と獲得免疫 22.自然免疫と獲得免疫のしくみを説明できる.
8週 後期中間試験 23.これまでに学習した内容を説明することができる.
4thQ
9週 免疫に関する身近な疾患・医療 24.アレルギーやエイズについて説明説明できる.予防接種や血清療法の意義を説明できる.
10週 バイオームとその形成過程 25.バイオームについて説明できる.光環境と光合成の関係を説明できる.
11週 バイオームとその分布 26.世界のバイオームと日本のバイオームについて説明できる.
12週 生態系の成り立ち 27.生態系の構造と食物連鎖について説明できる.
13週 生態系内の物質循環 28.生態系内の炭素と窒素の循環,およびエネルギーの流れを説明できる.
14週 生態系のバランスと保全 29.人間活動による生態系への影響について説明できる.
15週 自然環境の保全 30.湿地や希少動植物種の保全・保護への取り組みについて説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。3
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。3
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。3
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。3
マグマの生成と火山活動を説明できる。3
地震の発生と断層運動について説明できる。3
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。3
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。3
地球上の生物の多様性について説明できる。3
生物の共通性と進化の関係について説明できる。3
生物に共通する性質について説明できる。3
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。3
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。3
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。3
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3
植生の遷移について説明でき、そのしくみについて説明できる。3
世界のバイオームとその分布について説明できる。3
日本のバイオームの水平分布、垂直分布について説明できる。3
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。3
生態ピラミッドについて説明できる。3
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。3
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。3
有害物質の生物濃縮について説明できる。3
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合10000000100
配点10000000100