到達目標
主要な生体高分子の基礎的な代謝プロセスがどのように制御されているのかを生化学的に理解し,工学に応用できる生物代謝反応の基礎的知識を習得している.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 糖や脂質の代謝について理解しており,それに伴うエネルギー収支を計算できる. | 糖や脂質の代謝について理解している. | 糖や脂質の代謝について理解していない. |
評価項目2 | 窒素化合物の代謝について理解し,糖・脂質の代謝と結びつけて説明できる. | 窒素化合物の代謝について理解している. | 窒素化合物の代謝について理解していない. |
評価項目3 | 組織特異的代謝や代謝の細胞工学的応用について理解し,産業的な利用について説明できる. | 組織特異的代謝や代謝の細胞工学的応用について理解している. | 組織特異的代謝や代謝の細胞工学的応用について理解していない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
近年,代謝反応が分子レベルで理解されるようになり,またその膨大な知見が,網羅的にメタボロームとしてデータベース上に蓄積されつつある.この講義では,細胞工学に不可欠な主要な代謝経路について生化学に理解し,生体反応,酵素反応を化学的にとらえることにより,細胞工学への展開能力を高めることを目標とする.この科目は,企業・研究所で医薬品の研究や動物発生の研究に携わっていた教員が生化学について講義するものである.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は学習・教育目標(B)<専門>に対応する.
・授業は講義・聴講形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」は、この授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>「授業計画」における「到達目標」の確認を前期中間試験,前期末試験で行う.「到達目標」に関する重みはおおむね同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>前期中間試験・前期末試験の結果の平均値を最終評価とする.但し,前期中間試験の評価で60点に達していない学生(無断欠席の学生を除く)については再試験を行い,再試験の成績が該当する期間の成績を上回った場合には,60点を上限として前期中間試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.前期末試験については,60点に達しておらず、かつ総合成績が60点に達していない学生(無断欠席の学生を除く)については再試験を行い,本試験の成績を上回った場合は、総合成績の上限を60点として成績を置き換える.ただしこの場合も,再試験の点数を61点以上とすることはない.
<単位取得要件>学業成績で60点以上を習得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>3年次 基礎細胞生物学および生物化学の基礎知識を十分に理解していること.
<備考>教科書以外に補助的にプリントを配布し,その内容を講義に含めることがある.この講義はタンパク質化学,生物化学コース実験,生体材料工学,分子生命科学,生体機能工学の基礎となる.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
代謝の全体像
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1. 代謝の全体像を把握している
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2週 |
解糖
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2. 糖の分解と解糖系が説明できる.
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3週 |
糖新生
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3. 糖新生系が説明できる.
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4週 |
クエン酸回路の概要
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4. クエン酸回路の概要が説明できる.
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5週 |
脂質の代謝(1)
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5. 脂質の代謝について簡単に説明できる.
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6週 |
脂質の代謝(2)
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上記5
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7週 |
グリコーゲンの代謝 |
6. グリコーゲンの合成と分解が説明できる.
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8週 |
中間テスト |
7. これまでに学習した内容について説明できる.
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2ndQ |
9週 |
電子伝達系
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8. ATPの大量生産系を説明できる.
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10週 |
ペントースリン酸経路
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9. ペントースリン酸回路について説明できる.
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11週 |
アミノ酸の代謝
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10. アミノ酸の代謝について簡単に説明できる.
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12週 |
核酸の代謝
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11. 核酸の生合成と分解について簡単に説明できる.
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13週 |
器官によって異なる代謝
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12. 組織や器官の代謝の特徴を例示できる.
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14週 |
葉緑体における化学反応
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13. 光合成について説明できる.
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15週 |
代謝から細胞工学へ-細胞融合・細胞への遺伝子導入- |
14. 細胞融合・細胞への遺伝子導入について説明できる
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 4 | |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | |
単糖と多糖の生物機能を説明できる。 | 4 | |
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。 | 4 | |
グリコシド結合を説明できる。 | 4 | |
多糖の例を説明できる。 | 4 | |
脂質の機能を複数あげることができる。 | 4 | |
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。 | 4 | |
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。 | 4 | |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 4 | |
解糖系の概要を説明できる。 | 4 | |
クエン酸回路の概要を説明できる。 | 4 | |
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。 | 4 | |
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。 | 4 | |
各種の光合成色素の働きを説明できる。 | 4 | |
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。 | 4 | |
炭酸固定の過程を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 相互評価 | 態度 | 発表 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
配点 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |