科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 化学
科目番号 0023 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 材料工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「高等学校 化学」 山内薫 他(第一学習社)問題集:「新課程レッツトライノート化学Vol.1,2 」 東京書籍編集部(東京書籍)参考書:「フォトサイエンス化学図録」 数研出版編集(数研出版)
担当教員 山崎 賢二

到達目標

<この授業の達成目標>
「化学基礎」および「化学」に関する基本的事項を理解し,物質の状態,物質の変化と平衡,有機化合物,無機物質に関する知識,原理や用語を理解し,関連する問題を解くことができ,化学実験を通して,実験の方法や実験器具の扱い方を身に付けるとともに,実験結果を整理して,実験レポートを作成できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物質の状態に関する知識,原理や用語を理解し,関連する応用的な問題を解くことができる.物質の状態に関する知識,原理や用語を理解し,関連する基本的な問題を解くことができる.物質の状態に関する知識,原理や用語を理解しておらず,関連する問題を解くことができない.
評価項目2物質の変化と平衡に関する知識,原理や用語を理解し,関連する応用的な問題を解くことができる.物質の変化と平衡に関する知識,原理や用語を理解し,関連する基本的な問題を解くことができる.物質の変化と平衡に関する知識,原理や用語を理解しておらず,関連する問題を解くことができない.
評価項目3化学実験を通して,実験方法や実験器具の扱い方を身に付けるとともに,実験結果を整理して実験レポートを作成できる.化学実験を通して,基本的な実験方法や実験器具の扱い方を身に付けるとともに,助言を受けることで実験結果を整理して,実験レポートを作成できる.化学実験を通して,基本的な実験方法や実験器具の扱い方を身に付けられず,助言を受けても実験結果を整理することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
<授業のねらい>
 1年に引き続き本科目の学習を通し,物質の状態や物質の変化と平衡,その理論的な扱いを理解し,化学的なものの見方や考え方を身に付ける.またこれらを身に付けることで,高学年における実践的技術者教育の基礎をつくる
授業の進め方・方法:
<授業の内容>
前期・後期 すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<基礎>に相当する.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
「知識・能力」1~28に関して前期中間試験,後期中間試験,2回の定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.
また化学実験においては出席を重視し,実験レポートを評価する.百点法で60点以上の場合に目標の達成とする.

<注意事項>
 「化学」には1年次の「化学基礎」と重複する項目もあるが,その部分は省略することがある.授業中に演習問題を解くので電卓は必要である.また試験時においても電卓の持ち込みは可である.前期後半の5週は化学実験を行う.本科目は後に学習する化学特講,化学総論の基礎となる教科である.

<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
1年生からの引き続きの授業であり,1年次の「化学基礎」の習得が必要である.

<レポート等>
 限られた授業時間の中で取り組む練習問題だけではその量は足りない.問題集「新課程レッツトライノート化学」に取り組み,前期末,学年末の試験時に提出する.

<学業成績の評価方法および評価基準>
 前期は課題提出と中間試験および期末試験,化学実験評価で,後期は課題提出と中間試験および学年末試験で評価をする.
ただし,各試験のそれぞれについて60点に達していない者には再試験を課す場合がある,再試験の成績が再試験の対象となった試験の成績を上回った場合には,60点を上限としてそれぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.
その他,出席状況,授業中における質疑応答,演習問題への取り組み等を評価して加味する.

<単位修得要件>
 学業成績で60点以上を取得すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスを用いて授業の概要,進め方を説明する.
物質の三態とその変化
1.物質の三態の変化を理解し,その変化に伴う熱の出入りを理解できる.
2.物質の沸点・融点を分子間力や化学結合と関連付けて理解できる.
2週 気体分子の熱運動と圧力、飽和蒸気圧と蒸気圧曲線 3.気体の圧力が気体分子の熱運動と密接に関係することを理解できる.
4.状態間の平衡と温度や圧力との関係について理解できる.
3週 気体の法則、気体の状態方程式 5.ボイルの法則,シャルルの法則,ボイル・シャルルの法則をそれぞれ理解し,その応用を理解できる.
6.気体の状態方程式を理解し,公式を用いた計算ができる.また,全圧と分圧を学習し,混合気体の平均分子量を計算できる.
4週 気体の状態方程式、理想気体と実在気体 6.気体の状態方程式を理解し,公式を用いた計算ができる.また,全圧と分圧を学習し,混合気体の平均分子量を計算できる.
7.理想気体と実在気体との違いを理解できる.
5週 化学結合と結晶の種類、金属結晶の構造  8.イオン結合,共有結合,金属結合の性質について理解できる.
9.金属結晶の構造について理解し,原子半径,充填率,密度等が計算できる.
6週 イオン結晶の構造,共有結合の結晶の構造  10.イオン結晶の構造、共有結合の結晶の構造について理解できる.
7週 分子結晶の構造、非晶質  11.分子間力と分子結晶の構造について理解できる.
12.非晶質の性質について理解できる.
8週 前期中間試験 前期1~7週に学習した内容を理解し,諸問題を解くことができる.
2ndQ
9週 前期中間試験返却・解説
溶解と溶液
13.溶解のしくみを理解し,固体および気体の溶解度を溶解平衡と関連付けて理解できる.
10週 化学実験ガイダンス 35.化学実験を行うにあたり必要な知識を身につける.
11週 化学実験1 36.各実験テーマを理解して,実験の方法や実験器具の扱い方を身に付ける.
37.実験結果を整理して,実験レポートを作成できる.
12週 化学実験2 36.各実験テーマを理解して,実験の方法や実験器具の扱い方を身に付ける.
37.実験結果を整理して,実験レポートを作成できる.
13週 化学実験3 36.各実験テーマを理解して,実験の方法や実験器具の扱い方を身に付ける.
37.実験結果を整理して,実験レポートを作成できる.
14週 化学実験4 36.各実験テーマを理解して,実験の方法や実験器具の扱い方を身に付ける.
37.実験結果を整理して,実験レポートを作成できる.
15週 溶解と溶液、希薄溶液の性質 13.溶解のしくみを理解し,固体および気体の溶解度を溶解平衡と関連付けて理解できる.
14.凝固点降下,沸点上昇,浸透圧の定量的な取扱いを理解できる.
16週 前期末試験 前期9~15週に学習した内容を理解し,諸問題を解くことができる.
後期
3rdQ
1週 前期末試験返却・解説
希薄溶液の性質、コロイド
14.凝固点降下,沸点上昇,浸透圧の定量的な取扱いを理解できる.
15.コロイドを理解し,その溶液の性質を理解できる.
2週 化学反応とエンタルピー変化 16.化学反応の前後における物質のもつ化学エネルギーの差が、熱の発生や吸収となって現れることを理解できる.
3週 ヘスの法則,結合エネルギー 17.ヘスの法則(総熱量保存の法則)について理解し,反応熱が計算できる.
18.結合エネルギーについて理解し,反応熱が計算できる.
4週 化学反応と光、エントロピー 19.化学反応には,光を放出・吸収するものがあることを理解できる.
20.吸熱反応が自発的に進む要因について理解できる.
5週 電池 21.電気エネルギーを取り出す電池のしくみを酸化還元反応と関連付けて理解できる.
6週 電気分解,電気分解の応用 22.外部から加えた電気エネルギーによって電気分解が起こることを,酸化還元反応と関連付けて理解できる.
23.反応に関与した物質の変化量が流れた電気量に比例することを理解できる.
7週 反応速度 24.反応速度が単位時間内に変化する物質の量で表されることを理解できる.
8週 後期中間試験 後期1~7週に学習した内容を理解し,諸問題を解くことができる.
4thQ
9週 後期中間試験返却・解説
化学反応の速さと濃度
25.反応速度と濃度との関係を理解できる.
10週 化学反応の速さと温度,触媒 26.反応速度と温度との関係を理解できる.
27.触媒の働きとその利用を理解できる.
11週 可逆反応と化学平衡,平衡定数 28.可逆反応と不可逆反応,および化学平衡の意味を理解できる.
29.平衡定数の意味を理解できる.
12週 平衡移動 30.学平衡の移動について,ルシャトリエの原理を中心に理解できる.
13週 電離平衡と電離定数
31.弱酸・弱塩基の電離平衡や水の電離平衡について理解できる.
14週 電離定数とpH、塩の性質と反応 32.pH,電離度,電離定数が計算できる.
33.塩の性質とその反応について,化学平衡の概念から理解できる.
15週 緩衝液と緩衝作用、溶解度積 34.緩衝液と緩衝作用、溶解度積について理解できる.
16週 学年末試験 後期9~15週に学習した内容を理解し,諸問題を解くことができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3後1,後4,後5,後6,後7,後9,後10
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3後1,後4,後5,後6,後7,後9,後10
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前3
水の状態変化が説明できる。3前3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前4,前5
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前4,前5
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前1,前2
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前1,前2
共有結合について説明できる。3前2
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前1
金属の性質を説明できる。3前1
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前6
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前6
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前6
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3前14
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3前14
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3前14
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3前15
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3前15
中和滴定の計算ができる。3前15
酸化還元反応について説明できる。3前11,前12
イオン化傾向について説明できる。3前11,前12
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3前11,前12
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3前11
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3前11
一次電池の種類を説明できる。3前11
二次電池の種類を説明できる。3前11
電気分解反応を説明できる。3前12
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3前12
ファラデーの法則による計算ができる。3前12
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3後11
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3後11
測定と測定値の取り扱いができる。3後12,後13,後14,後15
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3後12,後13,後14,後15
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3後12,後13,後14,後15
ガラス器具の取り扱いができる。3後12,後13,後14,後15
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3後12,後13,後14,後15
試薬の調製ができる。3後12,後13,後14,後15
代表的な気体発生の実験ができる。3後12,後13,後14,後15
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3後12,後13,後14,後15

評価割合

試験課題相互評価態度発表実験レポート合計
総合評価割合642000016100
配点642000016100