概要:
<授業のねらい>
1年に引き続き本科目の学習を通し,物質の状態や物質の変化と平衡,その理論的な扱いを理解し,化学的なものの見方や考え方を身に付ける.またこれらを身に付けることで,高学年における実践的技術者教育の基礎をつくる
授業の進め方・方法:
<授業の内容>
前期・後期 すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<基礎>に相当する.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
週ごとの到達目標1~44に関して前期中間試験,後期中間試験,2回の定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.
また化学実験においては出席を重視し,実験レポートを評価する.百点法で60点以上の場合に目標の達成とする.
<注意事項>
「化学」には1年次の「化学基礎」と重複する項目もあるが,その部分は省略することがある.授業中に演習問題を解くので電卓は必要である.また試験時においても電卓の持ち込みは可である.前期後半の5週は化学実験を行う.本科目は後に学習する化学特講の基礎となる教科である.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
1年生からの引き続きの授業であり,1年次の「化学基礎」の習得が必要である.
<レポート等>
限られた授業時間の中で取り組む練習問題だけではその量は足りない.問題集「新課程レッツトライノート化学」に取り組み,前期末,学年末の試験時に提出する.評価割合は20%とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>
前期は課題提出と中間試験および期末試験で,後期は課題提出と中間試験および学年末試験で評価をし,学年評価には化学実験の評価を加える.
ただし,各試験のそれぞれについて60点に達していない者には再試験を課す場合がある,再試験の成績が再試験の対象となった試験の成績を上回った場合には,60点を上限としてそれぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.その他,授業中における質疑応答,演習問題への取り組み等を評価して加味する.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
シラバスを用いて授業の概要,進め方を説明する. 物質の三態とその変化 |
1.物質の三態の変化を理解し,その変化に伴う熱の出入りを理解できる. 2.物質の沸点・融点を分子間力や化学結合と関連付けて理解できる.
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2週 |
気体分子の熱運動と圧力、飽和蒸気圧と蒸気圧曲線 |
3.気体の圧力が気体分子の熱運動と密接に関係することを理解できる. 4.状態間の平衡と温度や圧力との関係について理解できる.
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3週 |
気体の法則、気体の状態方程式 |
5.ボイルの法則,シャルルの法則,ボイル・シャルルの法則について説明でき,必要な計算ができる. 6.気体の状態方程式について説明でき,必要な計算ができる.また,全圧と分圧を学習し,混合気体の平均分子量を計算できる.
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4週 |
気体の状態方程式、理想気体と実在気体 |
6.気体の状態方程式について説明でき,必要な計算ができる.また,全圧と分圧を学習し,混合気体の平均分子量を計算できる. 7.理想気体と実在気体との違いを理解できる.
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5週 |
化学結合と結晶の種類、金属結晶の構造 |
8.イオン結合,共有結合,金属結合の性質について理解できる. 9.金属結晶の構造について理解し,原子半径,充填率,密度等が計算できる.
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6週 |
イオン結晶の構造,共有結合の結晶の構造 |
10.イオン結晶の構造、共有結合の結晶の構造について理解できる.
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7週 |
分子結晶の構造、非晶質 |
11.分子間力と分子結晶の構造について理解できる. 12.非晶質の性質について理解できる.
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8週 |
前期中間試験 |
前期1~7週に学習した内容を理解し,諸問題を解くことができる.
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験返却・解説 溶解と溶液 |
13.溶解のしくみを理解し,固体および気体の溶解度を溶解平衡と関連付けて理解できる.
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10週 |
化学実験ガイダンス |
36.化学実験を行うにあたり必要な知識を身につける. 37.事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷など)を説明できる。
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11週 |
化学実験1 |
38.実験器具(電子天秤やガラス器具など)を目的と精度に応じて選択し正しく使うことができる. 39.試薬(粉体及び液体)の取扱いができる. 40.整理整頓により実験環境を適切に保ち,手順に従って安全に実験ができる. 41.実験条件やデータなどを正確に記録できる. 42.実験結果を表やグラフなどに見やすく整理できる. 43.適切な有効数字及び単位を用いて物理量を表すことができる. 44.観察・実験結果を座学などで学んだ内容と関連付けて説明できる.
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12週 |
化学実験2 |
38.実験器具(電子天秤やガラス器具など)を目的と精度に応じて選択し正しく使うことができる. 39.試薬(粉体及び液体)の取扱いができる. 40.整理整頓により実験環境を適切に保ち,手順に従って安全に実験ができる. 41.実験条件やデータなどを正確に記録できる. 42.実験結果を表やグラフなどに見やすく整理できる. 43.適切な有効数字及び単位を用いて物理量を表すことができる. 44.観察・実験結果を座学などで学んだ内容と関連付けて説明できる.
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13週 |
化学実験3 |
38.実験器具(電子天秤やガラス器具など)を目的と精度に応じて選択し正しく使うことができる. 39.試薬(粉体及び液体)の取扱いができる. 40.整理整頓により実験環境を適切に保ち,手順に従って安全に実験ができる. 41.実験条件やデータなどを正確に記録できる. 42.実験結果を表やグラフなどに見やすく整理できる. 43.適切な有効数字及び単位を用いて物理量を表すことができる. 44.観察・実験結果を座学などで学んだ内容と関連付けて説明できる.
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14週 |
化学実験4 |
38.実験器具(電子天秤やガラス器具など)を目的と精度に応じて選択し正しく使うことができる. 39.試薬(粉体及び液体)の取扱いができる. 40.整理整頓により実験環境を適切に保ち,手順に従って安全に実験ができる. 41.実験条件やデータなどを正確に記録できる. 42.実験結果を表やグラフなどに見やすく整理できる. 43.適切な有効数字及び単位を用いて物理量を表すことができる. 44.観察・実験結果を座学などで学んだ内容と関連付けて説明できる.
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15週 |
溶解と溶液、希薄溶液の性質 |
13.溶解のしくみを理解し,固体および気体の溶解度を溶解平衡と関連付けて理解できる. 14.凝固点降下,沸点上昇,浸透圧の定量的な取扱いを理解できる.
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16週 |
前期末試験 |
前期9~15週に学習した内容を理解し,諸問題を解くことができる.
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後期 |
3rdQ |
1週 |
前期末試験返却・解説 希薄溶液の性質、コロイド
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14.凝固点降下,沸点上昇,浸透圧の定量的な取扱いを理解できる. 15.コロイドを理解し,その溶液の性質を理解できる.
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2週 |
化学反応とエンタルピー変化 |
16.化学反応の前後における物質のもつ化学エネルギーの差が、熱の発生や吸収となって現れることを理解できる.
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3週 |
ヘスの法則,結合エネルギー |
17.ヘスの法則(総熱量保存の法則)について理解し,反応熱が計算できる. 18.結合エネルギーについて理解し,反応熱が計算できる.
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4週 |
化学反応と光、エントロピー |
19.化学反応には,光を放出・吸収するものがあることを理解できる. 20.吸熱反応が自発的に進む要因について理解できる.
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5週 |
電池 |
21.電気エネルギーを取り出す電池のしくみを酸化還元反応と関連付けて理解できる. 22.一次電池,二次電池について,その反応を説明できる.
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6週 |
電気分解,電気分解の応用 |
23.電気分解反応について,酸化還元反応と関連付けて説明できる. 24.ファラデーの法則による計算ができる.
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7週 |
反応速度 |
25.反応速度が単位時間内に変化する物質の量で表されることを理解できる.
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8週 |
後期中間試験 |
後期1~7週に学習した内容を理解し,諸問題を解くことができる.
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4thQ |
9週 |
後期中間試験返却・解説 化学反応の速さと濃度 |
26.反応速度と濃度との関係を理解できる.
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10週 |
化学反応の速さと温度,触媒 |
27.反応速度と温度との関係を理解できる. 28.触媒の働きとその利用を理解できる.
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11週 |
可逆反応と化学平衡,平衡定数 |
29.可逆反応と不可逆反応,および化学平衡の意味を理解できる. 30.平衡定数の意味を理解できる.
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12週 |
平衡移動 |
31.学平衡の移動について,ルシャトリエの原理を中心に理解できる.
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13週 |
電離平衡と電離定数
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32.弱酸・弱塩基の電離平衡や水の電離平衡について理解できる.
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14週 |
電離定数とpH、塩の性質と反応 |
33.pH,電離度,電離定数が計算できる. 34.塩の性質とその反応について,化学平衡の概念から理解できる.
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15週 |
緩衝液と緩衝作用、溶解度積 |
35.緩衝液と緩衝作用、溶解度積について理解できる.
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16週 |
学年末試験 |
後期9~15週に学習した内容を理解し,諸問題を解くことができる.
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学 | 化学 | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 3 | |
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。 | 3 | |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 3 | 前1,前2 |
水の状態変化が説明できる。 | 3 | 前1,前2 |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 3 | 前1,前2 |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | 前3,前4 |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 3 | 前3,前4 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | 前5,前6 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前5,前6 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 前5,前6 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前5 |
金属の性質を説明できる。 | 3 | 前5 |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 3 | 前9 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | 前9 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 3 | 前9 |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。 | 3 | |
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。 | 3 | |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。 | 3 | 後13,後14 |
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。 | 3 | 後13,後14 |
中和反応がどのような反応であるか説明できる。 | 3 | |
中和滴定の計算ができる。 | 3 | |
酸化還元反応について説明できる。 | 3 | 後5,後6 |
イオン化傾向について説明できる。 | 3 | 後5 |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 3 | |
ダニエル電池についてその反応を説明できる。 | 3 | 後5 |
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。 | 3 | 後5 |
一次電池の種類を説明できる。 | 3 | 後5 |
二次電池の種類を説明できる。 | 3 | 後5 |
電気分解反応を説明できる。 | 3 | 後6 |
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。 | 3 | 後6 |
ファラデーの法則による計算ができる。 | 3 | 後6 |
化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | 前10 |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | 前10 |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | 前11,前12,前13,前14 |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | 前11,前12,前13,前14 |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | 前11,前12,前13,前14 |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | 前11,前12,前13,前14 |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | 前11,前12,前13,前14 |
試薬の調製ができる。 | 3 | 前11,前12,前13,前14 |
代表的な気体発生の実験ができる。 | 3 | 前11,前12,前13,前14 |
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。 | 3 | 前11,前12,前13,前14 |