材料工学の基礎となる結晶構造を理解し,ガラス細工,顕微鏡組織観察および機械工作法を体験的に学習することで,専門的な実験を実施する上での礎となる基礎知識と技術を習得する.
概要:
材料工学の基礎となる結晶構造を理解し,ガラス細工,顕微鏡観察,機械工作に関する基礎技術を習得することで、材料工学を学習するための礎となる知識と技術を習得する。
授業の進め方・方法:
・(1)結晶モデル,(2)ガラス細工,(3)顕微鏡組織観察,(4)機械工作基礎の4テーマについて実験・実習を行う。
・クラスを4つのグループに分け,3週わたって1テーマの実験・実習を行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
授業計画の「到達目標」1〜4をレポートの内容により評価する.評価に関する各項目の重みは同じである.各テーマのレポートを100点満点で採点し,以下の3つの要件を満たす場合に目標の達成を確認する.①レポートを期限内に提出すること.②各テーマのレポートの得点が60点以上であること.③全テーマのレポートの平均点が60点以上であること.
<学業成績の評価方法および評価基準>
テーマ毎のレポートをそれぞれ100点満点で採点し,全テーマのレポートの平均点により評価する.他人のレポートの全て,あるいは一部を書き写したレポートを提出したことが認められた場合には,レポートを見せた側ならびに写した側の両者の当該レポートの得点を0点とする.また,提出期限を過ぎてレポートを提出した場合ならびに未提出のレポートがある場合には当該レポートの得点を0点とする.なお,<到達目標の評価方法と基準>に記載の①~③の全ての要件を満たさない場合には,レポートの提出および再提出により最終成績を60点以上とする場合がある.
<単位修得要件>
全ての実験テーマのレポートが受理され,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
物理,化学等ですでに履修した基礎知識.また,本教科は1年次の材料工学実験と強く関連している.
<レポートなど>
レポートは,各自が所定の書式により,所定の期日までに提出すること.
<備考>
本実験は, 創造工学, 卒業研究, 応用物質工学実験(専攻科)および特別研究(専攻科)の基礎となる知識・技術を学習・修得する科目である.以下のことに注意して,実験に取り組むこと.(1)配布資料および実験指導書を予めよく読んでおくこと.(2)作業服(上・下)を正しく着用すること.(3)保護めがねを着用すること.(4)クリエーションセンターでは運動靴,SHARE IIでは体育館シューズを履くこと.(5)実験実習安全必携および実験ノートを持参すること.
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 2 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 2 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 2 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 2 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 2 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 2 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 2 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 2 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 2 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 2 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 2 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 金属材料 | 炭素鋼の状態図を用いて標準組織および機械的性質を説明できる。 | 2 | |
純銅の強度的特徴、物理的、化学的性質について説明できる。 | 2 | |
黄銅や青銅について、その成分および特徴を理解し、適切な合金を応用できる。 | 2 | |
アルミニウムの強度的特徴、物理的・化学的性質について説明できる。 | 2 | |
鋳造用・展伸用アルミニウムについて、その成分や熱処理による組織学的変化の観点から適切な合金を応用できる。 | 2 | |
有機材料 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 3 | |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 2 | |
無機材料 | セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。 | 3 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 材料系分野【実験・実習能力】 | 材料系【実験実習】 | 実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。 | 2 | |
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。 | 2 | |
レポートの書き方を理解し、作成できる。 | 2 | |
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。 | 2 | |
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。 | 2 | |