材料工学実験

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料工学実験
科目番号 0042 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 材料工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 配布作成した材料工学科実験指針
担当教員 南部 智憲,小俣 香織

到達目標

材料工学の基礎となる結晶構造を理解し,ガラス細工,顕微鏡組織観察および機械工作法を体験的に学習することで,専門的な実験を実施する上での礎となる基礎知識と技術を習得する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1結晶系とブラベー格子について説明し,3次元モデルを構築できる.結晶系とブラベー格子について説明できる.結晶系とブラベー格子について説明できない.
評価項目2ガラス細工の方法を説明し,実験器具を作製できる.ガラス細工の方法を説明し,切断,曲げなどの基礎的なガラス加工ができる.ガラス細工の方法を説明できず,基礎的な加工もできない.
評価項目3金属顕微鏡の構造,取扱い方法を説明し,種々組織の観察い応用できる.金属顕微鏡の構造,取扱い方法を説明し,標準組織の観察ができる.金属顕微鏡の構造,取扱い方法を説明できず,組織観察もできない.
評価項目4機械工具の種類,取扱い方法を説明し,種々機械工作に活用できる.機械工具の種類,取扱い方法を説明し,各工具を用いた工作ができる.機械工具の種類,取扱い方法を説明できず,工具を用いた工作ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料工学の基礎となる結晶構造を理解し,ガラス細工,顕微鏡観察,機械工作に関する基礎技術を習得することで、材料工学を学習するための礎となる知識と技術を習得する。
授業の進め方・方法:
・(1)結晶モデル,(2)ガラス細工,(3)顕微鏡組織観察,(4)機械工作基礎の4テーマについて実験・実習を行う。
・クラスを4つのグループに分け,3週わたって1テーマの実験・実習を行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
授業計画の「到達目標」1〜4をレポートの内容により評価する.評価に関する各項目の重みは同じである.各テーマのレポートを100点満点で採点し,以下の3つの要件を満たす場合に目標の達成を確認する.①レポートを期限内に提出すること.②各テーマのレポートの得点が60点以上であること.③全テーマのレポートの平均点が60点以上であること.

<学業成績の評価方法および評価基準>
テーマ毎のレポートをそれぞれ100点満点で採点し,全テーマのレポートの平均点により評価する.他人のレポートの全て,あるいは一部を書き写したレポートを提出したことが認められた場合には,レポートを見せた側ならびに写した側の両者の当該レポートの得点を0点とする.また,提出期限を過ぎてレポートを提出した場合ならびに未提出のレポートがある場合には当該レポートの得点を0点とする.なお,<到達目標の評価方法と基準>に記載の①~③の全ての要件を満たさない場合には,レポートの提出および再提出により最終成績を60点以上とする場合がある.

<単位修得要件>
全ての実験テーマのレポートが受理され,学業成績で60点以上を取得すること.

<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
物理,化学等ですでに履修した基礎知識.また,本教科は1年次の材料工学実験と強く関連している.

<レポートなど>
レポートは,各自が所定の書式により,所定の期日までに提出すること.

<備考>
本実験は, 創造工学, 卒業研究, 応用物質工学実験(専攻科)および特別研究(専攻科)の基礎となる知識・技術を学習・修得する科目である.以下のことに注意して,実験に取り組むこと.(1)配布資料および実験指導書を予めよく読んでおくこと.(2)作業服(上・下)を正しく着用すること.(3)保護めがねを着用すること.(4)クリエーションセンターでは運動靴,SHARE IIでは体育館シューズを履くこと.(5)実験実習安全必携および実験ノートを持参すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(安全教育,実験概要およびレポートの書き方) 1. 実験,実習時の安全,安全行動,実験記録の記入法,プレゼンテーション資料の作成方法や報告書のまとめ方を理解できる.
2週 1. 結晶モデル 2. 結晶の種類と構造を説明できる.
3週 1. 結晶モデル 上記2
4週 1. 結晶モデル 上記2
5週 2. ガラス細工 3. ガラスを加熱,加工し,ガラス細工の方法を説明できる.
6週 2. ガラス細工 上記3
7週 2. ガラス細工 上記3
8週 実験報告書作成 上記1,2,3
2ndQ
9週 3. 顕微鏡組織観察 4. 金属顕微鏡を用いて標準組織を観察し,結晶組織について説明できる.
10週 3. 顕微鏡組織観察 上記4
11週 3. 顕微鏡組織観察 上記4
12週 4. 機械工作基礎 5. 機械工具を用いて基礎的な機械工作ができる.
13週 4. 機械工作基礎 上記5
14週 4. 機械工作基礎 上記5
15週 実験結果報告書作成 上記1,4,5
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2
専門的能力分野別の専門工学材料系分野金属材料炭素鋼の状態図を用いて標準組織および機械的性質を説明できる。2
純銅の強度的特徴、物理的、化学的性質について説明できる。2
黄銅や青銅について、その成分および特徴を理解し、適切な合金を応用できる。2
アルミニウムの強度的特徴、物理的・化学的性質について説明できる。2
鋳造用・展伸用アルミニウムについて、その成分や熱処理による組織学的変化の観点から適切な合金を応用できる。2
有機材料有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。2
無機材料セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。2
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。2
レポートの書き方を理解し、作成できる。2
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。2
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。2

評価割合

試験レポート相互評価態度発表その他合計
総合評価割合01000000100
配点01000000100