材料工学実験

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 材料工学実験
科目番号 0045 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 材料工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 配布作成した材料工学科実験指針
担当教員 南部 智憲,小俣 香織

到達目標

国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)で公開されているムービーライブラリを視聴して新素材に関する興味・関心を高めるとともに,簡単な道具や設備を用いて工夫した実験を行うことで,材料や工作の基礎知識と技術を習得する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1動画から得た情報に基づいて発展的に調査し,自身の言葉で新素材の特性や活用法を説明できる.自身の興味に応じて,動画を選択・視聴し,動画から得た新素材の知識を説明できる.動画を選択・視聴することができず,新素材に関する知識を得ることができない.
評価項目2素材の特性を評価する実験方法を立案し,わかりやすく説明できる.素材の特性を評価する実験方法を立案できる.素材の特性を評価する実験方法を立案できない.
評価項目3計画に基づいて実験を行い,必要に応じて計画を改善することができる。計画に基づいて実験を行うことができる.計画に基づいて実験を行うことができない.
評価項目4実験の目的,方法,結果について発表し,適切に質疑応答ができる.実験の目的,方法,結果について発表することができる.実験の目的,方法,結果について発表することができない.
評価項目5実験結果に基づいて,発展的な報告書を作成できる.実験結果に基づいて,報告書を作成できる.実験結果に基づいて,報告書を作成できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)で公開されているムービーライブラリを参考に新素材の特性ならびにその評価方法を学習し,材料の魅力や工作のおもしろさを知ることで,これから学ぶ材料工学分野の専門教科への学習意欲を向上する.また材料の特性を評価する実験計画を立案し,その実験を実施することで,実験方法の工夫,実験記録の記入法,データの整理法,プレゼンテーションの方法,ならびに報告書のまとめ方を学ぶ.
授業の進め方・方法:
・授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>および<展開>に対応する.
・NIMSのムービーライブラリ(https://www.nims.go.jp/publicity/digital/movie/index.html)を参考に個人で実験計画を立案し,実験を実施する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」1〜7をレポートの内容により評価する.評価に関する各項目の重みは同じである.満点の60%の得点で,目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>ムービーライブラリ視聴報告書,実験計画報告書,討論会資料報告書,実験報告書をそれぞれ100点満点で採点し,その平均点を100点満点に換算して評価を行う.
<単位修得要件>全ての報告書を提出し,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>物理,化学等ですでに履修した基礎知識.また,本教科は1年次の材料工学実験と強く関連している.
<レポートなど>Word,Excel,PowerPointを活用して報告書を作成して提出する.
<備考>実験開始前のガイダンスを行うので説明をよく聞き,実験計画を立案,実施する.また,各自の自宅等で実験を行うので,安全には十分注意すること.必ず作業服を着用するとともに,必要に応じて安全眼鏡をかけること.実験作業については逐一実験ノートに状況を記録し,写真撮影等,適宜工夫して実験結果を記録すること.遅刻,欠席をしないこと.正当な理由のない遅刻,欠席は減点の対象となる.この科目は,後に学ぶ3年~5年の材料工学実験の基礎となるものである.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(安全教育,実験概要およびレポートの書き方) 1. 実験,実習時の安全,安全行動,実験記録の記入法,プレゼンテーション資料の作成方法や報告書のまとめ方を理解できる.
2週 NIMSムービーライブラリ視聴1 2.新素材の特性や活用方法を説明できる.
3週 NIMSムービーライブラリ視聴2 上記2
4週 実験計画立案 3. 素材の特性を評価する実験方法を立案できる.
5週 実験計画報告1・個別実験1 4. 立案した実験方法を説明するとともに,実験を実施できる.
6週 実験計画報告2・個別実験2 上記4
7週 個別実験3 上記4
8週 個別実験4 上記4
2ndQ
9週 個別実験5 上記4
10週 実験結果討論会資料作成 5. 実験結果を整理し,プレゼンテーション資料を作成できる.
11週 実験結果討論会1 6. 実験の目的,方法,結果について発表し,質疑応答ができる.
12週 実験結果討論会2 上記6
13週 実験結果討論会3 上記6
14週 実験結果討論会4 上記6
15週 実験結果報告書作成 7. 実験報告書を作成できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2
専門的能力分野別の専門工学材料系分野金属材料炭素鋼の状態図を用いて標準組織および機械的性質を説明できる。2
純銅の強度的特徴、物理的、化学的性質について説明できる。2
黄銅や青銅について、その成分および特徴を理解し、適切な合金を応用できる。2
アルミニウムの強度的特徴、物理的・化学的性質について説明できる。2
鋳造用・展伸用アルミニウムについて、その成分や熱処理による組織学的変化の観点から適切な合金を応用できる。2
有機材料有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。2
無機材料セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。2
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。2
レポートの書き方を理解し、作成できる。2
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。2
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。2

評価割合

試験レポート相互評価態度発表その他合計
総合評価割合01000000100
配点01000000100