1. 周期律表を基に,原子やイオンについての電子配置,量子数,イオン化エネルギー,電子親和力,電気陰性度,半径等の基礎知識を理解できる.
2. 代表的な単体(金属,非金属)や化合物の結晶構造,共有結合分子およびイオン結晶の化学結合(特に分子軌道法による共有結合の電子状態,イオン結合)を理解する.
3. 配位化合物(錯体)の構造,命名法および配位子場理論(結晶場理論)によりd電子の電子状態を理解できる.
概要:
無機化学は,次のことを理解することを目標とする.
周期律表を基に,原子やイオンについての電子配置,量子数,イオン化エネルギー,電子親和力,電気陰性度,半径等の基礎知識を理解し,これらの基礎知識を基に,無機化合物(共有結合分子,イオン結晶,配位化合物)の結合電子および関与する電子の状態を理解する.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,すべて材料工学科 学習・教育到達目標(B)<専門>に対応している.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>この授業で習得する「知識・能力」]1~11の習得の度合いを中間試験および期末試験により評価する.各項目の重みは概ね均等とする.
<学業成績の評価方法および評価基準> 中間試験・期末試験の2回の試験(100点満点)の平均点を最終評価点とする.ただし,中間試験が60点に達していない者(無断欠席者は除く)には1回の再試験を課し,再試験の成績が中間試験の成績を上回った場合には,60点を上限として中間試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.期末試験については再試験を行わない.
<単位修得要件>学業成績で60 点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は,1,2年生で学んだ化学の知識をさらに深めるため,化学で学んだ原子構造や特徴について復習しておくことが望ましい.
<レポートなど>授業で保証する学習時間と,予習・復習に必要な標準的な学習時間の総計が,45 時間に相当する学習内容である.
<備考>計算演習を行うので電卓を持参すること.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
講義の進め方,周期表 |
1. 元素の種類,原子の構成粒子を理解し,原子番号,質量数,同位体が分かり,原子の構造がわかる.
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2週 |
原子の構造と電子配置と量子数 |
2. 殻,電子軌道が分かり,主量子数,方位量子数,磁気量子数および電子スピン量子数がわかる.
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3週 |
原子の構造と電子配置と量子数 |
3. 軌道のエネルギー準位,エネルギー最低の原理,パウリの排他原理,フントの規則から原子およびイオンの電子の配置を示すことができる.
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4週 |
原子の構造と電子配置と量子数 |
4. Bohrの原子模型を理解し,水素原子の電子のエネルギーが推定できる.
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5週 |
イオン化エネルギー,電子親和力,電気陰性度,原子(イオン)半径 |
5. 周期律および電子配置に基づき,イオン化エネルギー,電子親和力,電気陰性度,原子半径およびイオン半径を推定できる.
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6週 |
化学結合 |
6. 化学結合の種類(イオン結合,共有結合,金属結合,水素結合,ファンデルワールス結合)やその結合様式がオクテット則,ルイス構造などを用いて特徴を説明できる.
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7週 |
化学結合 |
上記6
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8週 |
中間試験 |
上記1~6
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2ndQ |
9週 |
共有結合と分子軌道法 |
7. 簡単な分子に対して分子軌道法(原子価結合法)から共有結合が理解できる.
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10週 |
結晶構造と格子 |
8. 安定な配位数,金属の結晶構造と充填率,ブラベー格子,代表的な無機化合物の結晶構造について理解できる.
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11週 |
イオン結合,イオン結晶と格子エネルギー |
9. イオン結合,イオン結晶について格子エネルギーおよびマーでリング定数について理解できる.
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12週 |
イオン結合,イオン結晶と格子エネルギー |
上記9
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13週 |
配位化学 |
10. 錯体,その命名法,中心金属(遷移金属等),配位子,配位数などを説明できる.
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14週 |
配位化学 |
11. d軌道の分裂,ヤーンテラー効果,d電子の配置,高スピン状態,低スピン状態など理解できる.
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15週 |
配位化学 |
上記11
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 材料物性 | 陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。 | 4 | |
ボーアの水素原子模型を用いて、エネルギー準位を説明できる。 | 4 | |
4つの量子数を用いて量子状態を記述して、電子殻や占有する電子数などを説明できる。 | 4 | |
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。 | 4 | |
無機材料 | 原子の構成粒子を理解し、原子番号、質量数、同位体について説明できる。 | 4 | |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。 | 4 | |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | |
化学結合の初期理論としてのオクテット則(八隅説)により電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | |
原子価結合法により、共有結合を説明できる。 | 4 | |
イオン結合の形成と特徴について理解できる。 | 4 | |
金属結合の形成と特徴について理解できる。 | 4 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比などの基本的な計算ができる。 | 4 | |
代表的な非金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | |
代表的な金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | |