到達目標
材料の大半を占める結晶体に関して,原子の基本配列および対象性などの幾何学的理解ができ,それら結晶の構造を評価・解析するために必要な基本的手法についての知識とその理論的解釈,具体的応用法について理解している.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 2次元および3次元結晶の空間群をよく理解している | 2次元および3次元結晶の空間群をある程度理解している | 2次元および3次元結晶の空間群をよく理解していない |
評価項目2 | 結晶の構造因子からX線の回折現象をよく説明できる | 結晶の構造因子からX線の回折現象を説明できる | 結晶の構造因子からX線の回折現象を説明できない |
評価項目3 | ステレオ投影法の原理を理解し結晶の方位解析に応用できる | ステレオ投影法の原理を理解し結晶の方位解析にある程度応用できる | ステレオ投影法の原理を理解し結晶の方位解析に応用できない |
評価項目4 | 簡単なラウエパターンから単結晶の方位を求めることができる | 簡単なラウエパターンからある程度単結晶の方位を求めることができる | 簡単なラウエパターンから単結晶の方位を求めることができない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
材料が示す機械的,物理的および化学的性質の多くは,材料を構成する原子の配列(結晶構造)と密接に関連している.この授業では,結晶の基本知識として対称性, ブラヴェ格子および点群から成る空間群の基礎に加え, 結晶性材料に特有の回折現象に焦点を当て,材料解析法のひとつとして幅広く利用されるX線回折の理論的な知識,および実際の材料研究への応用を習得することを目的とする.
授業の進め方・方法:
学習・教育目標(B)<専門>,JABEE基準1(2)(d)(2)a)に対応
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>[この授業で習得する「知識・能力」]1~10の習得の度合を中間試験,期末試験により評価する.各項目の重みは同じである.試験問題のレベルは,100点法により60点以上の得点を取得した場合に目標を達成したことが確認できるように設定する.
<注意事項>結晶学の基礎はすでに基礎材料学で学んでいる.したがって,講義のかなりの部分はそれら基礎知識があるものとして進めるので,結晶の面や方向を表わすミラー指数,ミラー・ブラベー指数は十分に復習しておくこと.本教科は後に学習する材料機器分析,半導体工学,機能材料,複合材料,固体物性の基礎およびそれらに関連する教科である.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>3次元空間での結晶の広がりを取り扱うので,3次元座標,基礎的な立体幾何学,特に三角関数は十分理解しておくこと.また,空間格子や回折の議論では,ベクトル表示が多用されるので十分復習しておくこと.本教科は,無機化学,有機化学,材料組織学の学習が基礎となる教科である.
<学業成績の評価方法および評価基準>中間・期末試験までの間に小テストを最低2回実施するが, すべて60点以上の合格点を取得することを単位修得の条件とする. 学業成績の評価は中間・期末の2回の試験の平均点で評価する.ただし,中間試験で60点に達しなかったものについては再試験を行い(無断欠席の者を除く),60点を上限として再試験の成績で置き換えるものとする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
結晶の幾何学:空間格子と結晶の対称性および対称要素 |
1. 結晶の対称性を表す対称要素ならびに対称操作について理解をしている.
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2週 |
結晶の幾何学:1次元および2次元結晶の点群と空間群 |
2. 1および2次元結晶の基本的な結晶の原子(分子)配置と空間群が関連づけられる.
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3週 |
結晶の幾何学:3次元結晶の点群と空間群およびブラヴェ格子 |
3. ブラベー格子と点群について理解している.
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4週 |
結晶による回折現象:波の干渉とブラッグの条件 |
4. 結晶による回折現象ならびにブラッグの回折条件ついて理解している.
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5週 |
結晶による回折現象:回折X線の強度 |
上記4
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6週 |
結晶による回折現象:逆格子空間と構造因子 |
5. 逆格子空間の概念を理解している.
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7週 |
結晶による回折現象:各種結晶格子における構造因子の計算 |
6. 簡単な結晶の構造因子の計算とそこから導かれる回折条件を理解し結晶構造解析に応用できる.
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8週 |
中間試験 |
これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
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4thQ |
9週 |
球面投影とステレオ投影 |
7. 球面投影およびステレオ投影の原理を理解している.
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10週 |
ステレオ投影図の基本的性質 |
上記7
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11週 |
ステレオ投影の応用 |
8. ポーラーネット,ウルフネットについて理解し,それらを結晶の回転や結晶面の角度計算に利用できる.
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12週 |
ステレオ投影法に関する演習 |
上記8
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13週 |
ラウエ法による単結晶の方位決定:ラウエ法の原理 |
9. ラウエ法の測定原理を理解している.
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14週 |
ラウエ法による単結晶の方位決定に間する演習 |
10. 簡単なラウエパターンからそのステレオ投影図を描き,結晶の方位解析への利用法を理解している.
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15週 |
ラウエ法による単結晶の方位決定:解析方法 |
上記10
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 材料物性 | 代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。 | 4 | |
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。 | 4 | |
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。 | 4 | |
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。 | 4 | |
14種のブラベー格子について説明でき、描くことができる。 | 4 | |
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。 | 4 | |
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 相互評価 | 態度 | 発表 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
配点 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |