材料工学実験

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 材料工学実験
科目番号 0102 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 材料工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:実験指針を配布する. 参考書:材料工学全般および材料工学実験に関する参考書については必要な際に各自で図書館などを利用する.
担当教員 小西 宏和

到達目標

材料工学における材料の製造と加工,結晶構造の解析法および材料の光学的特性等に関連した専門用語および代表的な特性評価技術を理解しており,実験で得られたデータの整理および基本的な解析ができるとともに,得られた結果を論理的にまとめ,報告することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1試験片作製,シーケンサー制御,塑性加工と熱処理,組織観察,材料試験など材料工学に関する基礎的な事項を習得し,応用することができる.試験片作製,シーケンサー制御,塑性加工と熱処理,組織観察,材料試験など材料工学に関する基礎的な事項を説明,実践できる.試験片作製,シーケンサー制御,塑性加工と熱処理,組織観察,材料試験など材料工学に関する基礎的な事項を説明できない.
評価項目2実験方法,実験誤差の検討,データ解析法を習得し,応用することができる.実験方法,実験誤差の検討,データ解析法を習得している.実験方法,実験誤差の検討,データ解析法を習得していない.
評価項目3理論的なレポートを作成し,考察を加えて実験結果を報告することができる.理論的なレポートを作成して実験結果を報告することができる.理論的なレポートを作成して実験結果を報告することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料の高度化・多様化より,教室での授業のみでは理解しにくい面が多くある.材料工学実験実習では種々の工作機械を用いて実際に材料強度評価用の試料を作製したり,種々の測定装置および実験機器を扱うことによって金属材料,有機材料や無機材料の諸特性評価法を実体験として学び,座学で得た知識の理解をより深めることを目標とする.      
授業の進め方・方法:
・授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>および<展開>に対応する.
・4班に分かれて実験を実施する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
履修した8テーマに関する「知識・能力」(8項目)を,レポートの内容により評価する.評価に対する「知識・能力」の各項目の重みは同じである.各テーマのレポートを100点満点で採点し,以下の3つの要件を満たす場合に目標の達成を確認する.①レポートを期限内に提出すること.②各テーマのレポートの得点が60点以上であること.③全テーマのレポートの平均点が60点以上であること.
<学業成績の評価方法および評価基準>
各テーマのレポートを100点満点で採点し,全テーマのレポートの平均点により評価する.他人のレポートの全てあるいは一部を書き写したレポートを提出したことが認められた場合にはレポートを見せた側,写した側共に当該テーマのレポートの得点を0点とする.また,提出期限を過ぎてレポートを提出した場合ならびに未提出のレポートがある場合には当該レポートの得点を0点とする.なお,<到達目標の評価方法と基準>に記載の①~③のすべての要件を満たさない場合には,レポートの提出および再提出により最終成績を60点以上とする場合がある.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
機械工作法,機械工作実習,金属組織,材料強度,金属材料,無機材料等授業で履修した項目.本教科は,材料工学実験(3年)の学習が基礎となる教科である.
<自己学習> 授業で保証する学習時間とレポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が180時間の学習時間に相当する学習内容である.レポートは,実験終了後,1週間以内に提出する.
<備考>各テーマ終了後各自1週間以内にレポートを各担当教官に提出すること.レポートは独自の物に限る.
電気炉,試験機,工作機械等を使用するので,安全には十分気をつけること.
必ず,実習着を着用すること.本教科は他に学習する卒業研究Ⅰ(4年生)および卒業研究(5年生)の基礎となる教科である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験講義 1. 実験作業における安全管理の重要性を理解し,実行できる.
2週 電気化学に関する基礎的実験 2. 電気化学における電位の計測法を理解できる.
3. 電流-電位曲線の計測法とその解釈を理解できる.
3週 電気化学に関する応用的実験 上記2,3
4週 電気化学に関する応用的実験 上記2,3
5週 電気化学実験まとめ 上記2,3
6週 シーケンサー
4. 電気部品の取り扱いとリレーによる制御を理解できる.
5. 基本的なセンサーやアクチュエータを用いた基本的なシーケンス制御を実行できる.
7週 シーケンサ 上記4,5
8週 シーケンサまとめ 上記4,5
2ndQ
9週 NC加工 6. 旋盤の使用方法と加工技術を理解している.
10週 NC加工 上記6
11週 NC加工まとめ 上記6
12週 X線回折 7. X線および電子線の特性や回折現象を利用して結晶構造や物質の定性ができる.
13週 X線回折 上記7
14週
X線回折まとめ
上記7
15週 実験予備日,実験まとめ 上記1~7
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術工学実験技術物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学材料系分野力学イオン化傾向と電池の電極および代表的な電池について説明できる。3
電気分解に関する知識を用いてファラデーの法則の計算ができる。3
分野別の工学実験・実習能力材料系分野(実験・実習能力)材料系分野(実験・実習能力)実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。4
レポートの書き方を理解し、作成できる。4
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。4
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し計測できる。4
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削りなどの作業ができる。4
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。4
金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。4
X線回折装置などを用いて、物質の結晶構造を解析することができる。4
光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。4
硬さ試験機や万能試験機などを用いて、材料の強度特性を評価できる。4
分析機器を用いて、成分などを定量的に評価をすることができる。4
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。4

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合01000000100
配点01000000100