到達目標
1. 有機化合物の電子状態,結合状態および立体化学を理解し,電子の流れを示しながら反応を説明できる.
2. 各種官能基の構造や性質を理解し,それらの代表的な反応および反応機構を説明できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 有機化合物の電子状態,結合状態および立体化学を理解して反応を説明でき,有機化合物の設計に応用できる. | 有機化合物の電子状態,結合状態および立体化学を理解し,電子の流れを示しながら反応を説明できる. | 有機化合物の電子状態,結合状態および立体化学を理解できず,電子の流れを示しながら反応を説明できない. |
評価項目2 | 各種官能基の構造や性質を理解し,それらの反応を有機化合物の設計に応用できる. | 各種官能基の構造や性質を理解し,それらの代表的な反応および反応機構を説明できる. | 各種官能基の構造や性質を理解できず,それらの代表的な反応および反応機構を説明できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
材料分野において,プラスチックで代表される有機材料は有機高分子から構成されており高分子の基礎となるのが有機化学である.本授業では,命名法,分子構造,化学的性質,立体化学等の基本的事項を基礎として,有機化合物の製法,性質,反応機構など有機化学の専門的な知識を習得する.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は学習・教育目標(B)<専門> に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を前期中間および前期末の2回の定期試験と課題で出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における各「到達目標」の重みは均等である.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準> 中間,期末の2回の試験の点数(90%)と課題点(10%)の合計点により評価する.成績が60点に達しない場合には再試験を行う場合があり,再試験が60点を上回った場合には,60点を上限として置き換える.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を習得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は化学の中でも特に有機化学の学習が基礎となる教科である.
<レポート等>授業中に出題する課題の提出.
<備考>昨年度の有機化学で学習した有機化合物の命名法,分子構造,混成軌道,共鳴などの事項を基礎とし,各種官能基の特徴や置換反応,脱離反応などの各種反応について解説するため,整理して理解してほしい.本教科は有機化学を学ぶ上で重要であり,有機材料,高分子科学および高分子物性の基礎となる.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
アルケンの求電子付加反応 |
1. アルケンの求電子付加反応についてその特徴や反応性およびアルケンの相対的安定性を理解し説明できる.
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2週 |
アルケンおよびアルキンの反応 |
2. カルボカチオンの安定性,位置選択性,転位反応,水和反応について理解し説明できる.
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3週 |
アルケンおよびアルキンの反応 |
3. アルケン・アルキンの求電子付加反応,ケト―エノール互変異性体についてその特徴や反応性を理解し説明できる.
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4週 |
ジエンと芳香族化合物の反応 |
4. Diels-Alder反応,共鳴寄与体、ジエンの反応について理解し説明できる.
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5週 |
ジエンと芳香族化合物の反応 |
5. 化合物の芳香族性,芳香族化合物の求電子置換反応、Friedel-Craft反応について理解し説明できる.
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6週 |
ハロゲン化アルキルの置換反応-SN2反応、SN1反応- |
6. SN2反応、SN1反応についてその特徴や反応性を理解し説明できる.
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7週 |
ハロゲン化アルキルの脱離反応-E1脱離反応、E2脱離反応- |
7. E1脱離反応,E2脱離反応についてその特徴や反応性を理解し説明できる.
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8週 |
中間試験 |
これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
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2ndQ |
9週 |
アルコール,エーテルの反応 |
7. アルコール,エーテルの性質と反応性について説明できる.
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10週 |
エポキシド,アミン,チオールの反応 |
8. エポキシド,アミン,チオールの性質と反応性について簡単に説明できる.
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11週 |
カルボン酸とカルボン酸誘導体の反応 |
9. カルボニル化合物の性質や反応性を理解し,種々の反応機構と特徴を説明できる.
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12週 |
カルボン酸とカルボン酸誘導体の反応 |
上記9
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13週 |
アルデヒド,ケトン,カルボン酸誘導体の反応 |
10. カルボニル化合物の性質、カルボン酸誘導体・エステル反応について理解し説明できる.
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14週 |
アルデヒド,ケトン,カルボン酸誘導体の反応 |
11. ヒドリド還元剤の反応、イミン生成、グリニャール反応の特徴を簡単に説明ができる.
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15週 |
カルボニル基のα炭素の反応 |
12. エノラートの性質、アルドール反応、クライゼン縮合反応の特徴について簡単に説明ができる.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 物理化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 4 | |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造と名前の変換ができる。 | 4 | |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 4 | |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 4 | |
ルイス構造を書くことができ、それを反応に結びつけることができる。 | 4 | |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 4 | |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 4 | |
構造異性体、幾何異性体、鏡像異性体などについて説明できる。 | 4 | |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 4 | |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 90 | 10 | 100 |
配点 | 90 | 10 | 100 |