材料工学実験

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 材料工学実験
科目番号 0115 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 材料工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 教科書:実験指針を配布する. 参考書:材料工学全般および材料工学実験に関する参考書については必要な際に各自で図書館などを利用する.
担当教員 兼松 秀行,幸後 健,小俣 香織

到達目標

材料工学における材料の製造と加工,結晶構造の解析法および材料の光学的特性等に関連した専門用語および代表的な特性評価技術を理解しており,実験で得られたデータの整理および基本的な解析ができるとともに,得られた結果を論理的にまとめ,報告することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1試験片作製,圧電セラミックス,有機合成,塑性加工と熱処理,組織観察,材料試験など材料工学に関する基礎的な事項を習得し,応用することができる.試験片作製,圧電セラミックス,有機合成,塑性加工と熱処理,組織観察,材料試験など材料工学に関する基礎的な事項を説明,実践できる.試験片作製,圧電セラミックス,有機合成,塑性加工と熱処理,組織観察,材料試験など材料工学に関する基礎的な事項を説明できない.
評価項目2実験方法,実験誤差の検討,データ解析法を習得し,応用することができる.実験方法,実験誤差の検討,データ解析法を習得している.実験方法,実験誤差の検討,データ解析法を習得していない.
評価項目3理論的なレポートを作成し,考察を加えて実験結果を報告することができる.理論的なレポートを作成して実験結果を報告することができる.理論的なレポートを作成して実験結果を報告することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料の高度化・多様化より,教室での授業のみでは理解しにくい面が多くある.材料工学実験実習では種々の工作機械を用いて実際に材料強度評価用の試料を作成したり,種々の測定装置および実験機器を扱うことによって金属やセラミックス材料の諸特性評価法を実体験として学び,座学で得た知識の理解をより深めることを目標とする.      
授業の進め方・方法:
・授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>および<展開>,JABEE基準1.2(d)(2)a)に対応する.
・ガイダンスおよび実験のまとめを除き,前期,後期とも4グループ編成にして,4つのテーマを小人数にて行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
履修した8テーマに関する「知識・能力」(14項目)を,レポートの内容により評価する.評価に対する「知識・能力」の各項目の重みは同じである.満点の60%の得点で,目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>
テーマごとのレポート点(100点満点)の平均点で評価する.ただし,レポートの評価が満点の60%以下,または未提出レポートがある場合は評価を59点とする.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
機械工作法,機械工作実習,金属組織,材料強度,金属材料,無機材料等授業で履修した項目.本教科は,材料工学実験(3年)の学習が基礎となる教科である.
<自己学習> 授業で保証する学習時間とレポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が180時間の学習時間に相当する学習内容である.レポートは,実験終了後,1週間以内に提出する.
<備考>各テーマ終了後各自1週間以内にレポートを各担当教官に提出すること.レポートは独自の物に限る.
電気炉,試験機,工作機械等を使用するので,安全には十分気をつけること.
必ず,実習着を着用すること.本教科は後に学習する材料工学実験(5年)および卒業研究の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験講義 1. 実験作業における安全管理の重要性を理解し,実行できる.
2週 X線回折による結晶構造解析 2. X線回折を利用した結晶構造解析技術を利用し,物質の同定や簡単な歪計測への応用ができる.
3週 X線回折による結晶構造解析 上記2
4週 X線回折による結晶構造解析 上記2
5週 NC加工 3. 旋盤の使用方法と加工技術を理解している.
6週 NC加工 上記3
7週 NC加工 上記3
8週 前期中間試験期間
2ndQ
9週 有機化合物の合成実験 4. 有機化合物の合成プロセスを理解しており,有機実験における基本操作を理解し,実行できる.
10週 有機化合物の合成実験 上記4
11週 有機化合物の合成実験 上記4
12週 歪の精密計測 5. 歪ゲージを利用して材料の微小変形の計測法を理解し応用できる.
13週 歪の精密計測 上記5
14週 歪の精密計測 上記5
15週 実験予備日,実験まとめ 上記1~5
16週
後期
3rdQ
1週 実験講義 上記1
2週 圧電セラミックスの特性評価 6. リサージュ法によるインピーダンス測定を実験で理解でき,PZTセラミックスの周波数依存インピーダンス特性から圧電特性を実験で理解できる.
3週 圧電セラミックスの特性評価・セラミックスの光電特性評価 上記6
7. 光電管および各種光半導体素子(CdS,ホトトランジスターおよびホトダイオード)の光電変換特性を実験で理解できる.
4週 圧電セラミックスの特性評価 上記7
5週 鋼の熱処理と組織観察 8. 炭素鋼の熱処理方法と硬さとの関係を実験で理解できる.
6週 鋼の熱処理と組織観察 上記8
7週 鋼の熱処理と組織観察 上記8
8週 後期試験期間
4thQ
9週 塑性加工と焼き鈍し実験 9. 純鉄の冷間加工による硬化を実習で理解できる.
10. 純鉄の再結晶現象を結晶粒径測定実験をとおして理解できる.
10週 塑性加工と焼き鈍し実験 上記9,10
11週 塑性加工と焼き鈍し実験 上記9,10
12週 電気化学に関する基礎的実験 11. 電気化学における電位の計測法を理解できる.
12. 電流-電位曲線の計測法とその解釈を理解できる.
13週 電気化学に関する応用的実験 上記11,12
14週 電気化学に関する応用的実験 上記11,12
15週 実験予備日,実験まとめ 上記1,6~12
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料組織加工硬化、固溶硬化、析出硬化、分散硬化の原理を説明できる。4
回復機構および回復に伴う諸特性の変化を説明できる。4
再結晶粒の成長機構を説明できる。4
力学はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4
各種の荷重が作用するはりのせん断力図と曲げモーメント図を作成できる。4
中立軸、中立面の意味を理解し、曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4
分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。4
レポートの書き方を理解し、作成できる。4
金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。4
X線回折装置などを用いて、物質の結晶構造を解析することができる。4
光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。4
硬さ試験機や万能試験機などを用いて、材料の強度特性を評価できる。4
分析機器を用いて、成分などを定量的に評価をすることができる。4
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。4

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合01000000100
配点01000000100