材料保証学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 材料保証学
科目番号 0175 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 ノート講義.参考書:「材料強靭学」小林俊郎 著(アグネ技術センター),「ホルンボーゲン 材料」小林俊郎他 訳(共立出版㈱),「破壊力学実験法」國尾 武 他編集(朝倉書店),「金属の強度と破壊」黒木剛司郎 他共著(森北出版株式会社)など
担当教員 黒田 大介

到達目標

金属材料の長寿命化および破壊力学に関する基礎理論を理解し,き裂の検出,破壊靭性の評価,破面解析に必要な専門知識を習得し,超高温,低温,衝撃等の過酷な環境中で安全に長期間使用できる金属材料の設計・開発に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1破壊力学に関する基礎的概念および専門用語を説明できる.破壊力学に関する基礎的概念を説明できる.破壊力学に関する基礎的概念を説明できない.
評価項目2き裂の基本的な検出法とそれらの原理を説明でき,き裂の種類に応じて検出法を選定できる.き裂の基本的な検出法とそれらの原理を説明できる.き裂の基本的な検出法とそれらの原理を説明できない.
評価項目3材料力学や破壊力学のパラメータの評価法と概念,種々の破壊形態を説明でき,それらの知識を構造材料の高強度化に応用できる.材料力学や破壊力学に関する概念や代表的な破壊形態とその原因を説明できる.材料力学や破壊力学に関する概念や代表的な破壊形態とその原因を説明できない.
評価項目4破面形態と破壊力学パラメータの関係が説明でき,それらの知識を構造材料の高強度化に応用できる.破面形態と破壊力学パラメータの関係が説明できる.破面形態と破壊力学パラメータの関係を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料保証学は材料を安全に使用,適用するために「材料学」と「力学」を融合した学問領域であり,安全設計ないしは構造物保全に携わる材料技術者として理解しておくべき重要な学問である.主に欠陥の存在や発生が危惧される材料や構造物を安全に使用するために必要な専門知識や工学的手法を中心に解説するが,実際に使用されている材料の機械的特性についても理解できるように授業を進める.この科目は国立研究開発法人物質・材料研究機構において金属系構造材料のミクロ組織制御,機械的特性評価ならびに 破壊機構解析を専門として研究を行っていた教員がその経験を活かして材料技術者として習得しておくべき主要な実用材料の組織制御法, 機械的特性および破壊靭性の評価法について講義形式で授業を行うものである.あらゆる金属材料の耐久性評価を自力で行える知識と技術の習得が目的である.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>に対応する.
・授業はスライドを用いた講義形式で行う.講義中は集中して聴講すること.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を中間試験および定期試験で出題し,目標の到達度を評価する.各到達目標に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準> 中間試験, 期末試験の2回の試験の平均点を100%として評価する.ただし, 中間試験の得点が60点に満たない場合(無断欠席の者を除く)は,補講の受講の後,再テストにより再度評価し,合格点の場合は先の試験の得点を60点と見なす.期末試験の再テストは行なわない.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>「金属材料」,「材料評価学」,「鉄鋼材料」,「非鉄金属材料」の基礎事項を十分に理解しておくこと.
<レポート等>理解を深めるため,必要に応じて演習課題を与える.
<備考>授業スライド以外に補助的にプリントを配布し,その内容を講義に含めることがある.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 材料保証学とは 材料保証学の概要とその歴史的背景を説明できる.
2週 破壊力学の概念とその歴史的背景 破壊力学の概念とその歴史的背景を説明できる.
3週 各種破壊例とき裂の検出法-その1-構造物の破壊例 代表的な構造物の破壊例とその要因を説明できる.
4週 各種破壊例とき裂の検出法-その2-き裂の各種検出法 代表的なき裂の検出法とその原理を説明できる.
5週 各種破壊例とき裂の検出法-その3-き裂の各種検出法 代表的なき裂の検出法とその原理を説明できる.
6週 材料力学と破壊力学 材料力学的手法と破壊力学的手法の違いを説明できる.
7週 弾性破壊力学と弾塑性破壊力学 基本的な破壊力学パラメータを説明できる.
8週 中間試験
4thQ
9週 破壊靭性の測定法-その1-破壊靭性(KIC)の概念 破壊靭性(KIC)の概念を説明できる.
10週 破壊靭性の測定法-その2-KIC試験法の概説 KIC試験法の具体的内容を説明できる.
11週 き裂進展の測定法-その1-き裂長さの測定 き裂長さ測定の具体的手法を説明できる.
12週 き裂進展の測定法-その2-疲労き裂進展 Paris則の概念を説明できる.
13週 計装化シャルピー試験 計装化シャルピー試験の特徴を説明できる.
14週 破面の特徴とその形成機構 延性破面,脆性破面,疲労破面の特徴(形成機構)を説明できる.
15週 破面様相と破壊力学 破面形態と破壊力学パラメータの関係を説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野力学許容応力と安全率を説明できる。4
多軸応力の意味を説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合10000000100
配点10000000100