高分子物性

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 高分子物性
科目番号 0192 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:特になし
参考書:「基礎高分子科学」高分子学会編(東京化学同人),「入門新高分子科学」大澤善次郎(裳華房)および配布資料
担当教員 河合 里紗

到達目標

1.高分子化合物の熱的性質や力学的性質を理解し,高分子化合物の物性について説明できる.
2.高分子化合物の化学的,物理的機能等を理解し,機能性高分子の機能とその応用について説明できる.
3.高分子の構造や物性の測定法および原理を理解し,機能性高分子の分析法について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高分子化合物の熱的性質や力学的性質を理解し,高分子化合物の設計に応用できる.高分子化合物の熱的性質や力学的性質を理解し,高分子化合物の物性について説明できる.高分子化合物の熱的性質や力学的性質を理解できず,高分子化合物の物性について説明できない.
評価項目2高分子化合物の化学的,物理的機能等を理解し,機能性高分子の設計に応用できる.高分子化合物の化学的,物理的機能等を理解し,機能性高分子の機能とその応用について説明できる.高分子化合物の化学的,物理的機能等を理解できず,機能性高分子の機能とその応用について説明できない.
評価項目3高分子の構造や物性の測定法および原理を理解し,機能性高分子の分析に応用できる.高分子の構造や物性の測定法および原理を理解し,機能性高分子の分析法について説明できる.高分子の構造や物性の測定法および原理を理解できず,機能性高分子の分析法について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料は金属材料,無機材料,有機材料と多岐にわたっており,有機材料は材料工学の基礎となる科目の一つである.本授業では,高分子の基本的な性質について理解し,高分子材料を中心とした機能性有機材料の物性とその評価法について基本的知識を学ぶ.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育目標(B)<専門>に対応する.
・基本的にパワーポイント資料を用いるため、事前にアップロードされた資料を各自準備して聴講する。
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準> 下記の「知識・能力」の確認を後期中間試験および学年末試験で行う.すべての「知識・能力」に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲> 本教科の学習には,化学,有機化学,有機材料,高分子科学の習得が必要である.また,動力学や粘弾性を学ぶ際に対数,微分方程式など数学一般についても理解していることが望ましい.本教科は有機化学,高分子科学,物理化学,熱力学,材料力学,電気化学が基礎となる科目である.
<自己学習>授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験、定期試験のための学習も含む)およびレポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<学業成績の評価方法および評価基準> 後期中間,学年末試験の2回の試験の平均点で評価する.ただし,後期中間試験について60点に達していない者(無断欠席者は除く)には再試験を課すこともあり,その場合,再試験の成績が該当する試験の成績を上回った場合には,60点を上限としてその試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.
<単位修得要件> 学業成績で60点以上を取得すること.
<備考> 専門用語や式を丸暗記するのではなく,高分子の構造と物性についてよく理解してほしい.本教科は後に学習する有機材料工学(専攻科)の基礎となる教科である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 高分子固体の熱的性質 1. 高分子の温度特性について説明できる.
2週 高分子固体の粘弾性 2. 高分子の粘弾性について,MaxwellモデルやVoigtモデルを用いて説明できる.
3週 高分子溶液の性質 3. 高分子溶液の概念や溶解性について説明できる.
4週 高分子の構造解析 4. 高分子の基本的な構造解析法について概略を説明できる.
5週 高分子の応用 -化学的機能- 5. 機能性高分子の応用例とその機能性について簡単に説明できる.
6週 高分子の応用 -物理的機能- 上記5
7週 高分子の応用 -医療・医用機能- 上記5
8週 後期中間試験 これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
4thQ
9週 高分子の刺激応答性 6. 熱,光,放射線などの外部刺激に対する高分子の応答について説明できる.
10週 高分子のコロイド化学 7. 高分子のミセルや微粒子を用いた薬物輸送システム(DDS)や塗料等への応用について簡単に説明できる.
11週 高分子の表面物性―接着・粘着と摩擦― 8. 高分子材料の表面の濡れ,粘弾性を理解し,接着や摩擦について説明できる.
12週 高分子の光化学的性質と電気的性質 9. 高分子の導電性,イオン伝導性などについて理解し,説明できる.
13週 高分子ゲルの生成と性質 10. 高分子ゲルの生成と性質を理解し,その機能性について説明できる.
14週 特殊形状高分子 11. デンドリマー,ハイパーブランチポリマーなどの多分岐構造の高分子について説明できる.
15週 高分子の分解とリサイクル 12. 高分子の熱分解,光分解,生分解の機構を理解し,リサイクルの流れを説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題・レポート合計
総合評価割合1000100
配点1000100