材料力学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 材料力学
科目番号 0208 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 材料工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「材料力学」 PEL編集委員会監修 久池井 茂編著(実教出版),参考書:「図解・材料強さ学の学び方」川田・町田 著 (オーム社),「材料力学入門」 中山 秀太郎 編 (大河出版)など
担当教員 黒田 大介

到達目標

1. 集中荷重と等分布荷重が作用する各種はりの不静定問題について,力とモーメントのつり合い,図心,断面二次モーメント,断面係数,曲げ応力,たわみ角とたわみが計算でき,SFDとBMDがかける.
2. ねじり応力の作用する棒のせん断応力とねじれ角を計算できる.
3. 平面応力状態における主応力や主せん断応力ならびにそれらに関連する値を計算あるいはモールの応力円から求めることができる.
4. 各部材のひずみエネルギーを計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1集中荷重と等分布荷重が作用する各種はりの不静定問題について,力とモーメントのつり合い,図心,断面二次モーメント,断面係数,曲げ応力,たわみ角とたわみが計算でき,SFDとBMDがかける.集中荷重と等分布荷重が作用する各種はりの静定問題について,力とモーメントのつり合い,図心,断面二次モーメント,断面係数,曲げ応力,たわみ角とたわみが計算でき,SFDとBMDがかける.集中荷重と等分布荷重が作用する各種はりについて,力とモーメントのつり合い,図心,断面二次モーメント,断面係数,曲げ応力,たわみ角とたわみが計算できない.SFDとBMDがかけない.
評価項目2ねじり応力の作用する棒のせん断応力とねじれ角を計算でき,実際の設計に応用できる.ねじり応力の作用する棒のせん断応力とねじれ角の計算方法を説明でき,基本的な値を計算できる.ねじり応力の作用する棒のせん断応力とねじれ角の計算方法を説明できない.
評価項目3平面応力状態における主応力や主せん断応力ならびにそれらに関連する値を計算あるいはモールの応力円から求め,実際の設計に応用できる.平面応力状態における主応力や主せん断応力ならびにそれらに関連する値,計算方法を説明でき,基本的な値を計算あるいはモールの応力円から求めることができる.組合せ応力の意味や平面応力状態における主応力や主せん断応力ならびにそれらに関連する値の計算方法を説明できない.
評価項目4各部材のひずみエネルギーを計算でき,それぞれの変位の算出に応用できる.各部材のひずみエネルギーを計算でき,それぞれの変位の算出に応用できる.各部材のひずみエネルギーの求め方を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料力学は機械設計に役立てるために材料の力学的性質を評価する学問である.この科目はNIMSにおいて金属材料の強度特性を専門的に評価していた教員が,その経験を活かして主に材料強度学の初歩的なことがら,構造体に作用する応力,変形などの概念的基礎を説明した上で,講義形式の授業と演習を通じて構造体に作用する力学的問題を自力で解決できるようにするのが目的である.
授業の進め方・方法:
・全ての内容は,学習・教育目標(B)<専門>に対応する.
・授業は同時双方向型の遠隔講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を課題および期末試験で出題し,目標の到達度を評価する.なお,中間試験は実施しないため,中間試験に代わる課題の提出により目標の到達度を評価する.各到達目標に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの課題および試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>中間試験に代わる課題を50%,期末試験を50%として,それらの合計により評価する.ただし, 課題と期末試験のいずれにおいても再提出および再テストは行なわないため,日常的な予習と復習,課題に対して計画的に取り組むこと.未提出の課題がある場合には,最終成績を59点とする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本科目は,材料工学科第3年次までに学習した数学(三角関数,微分,積分など),物理(ベクトル・モーメントの概念など),材料強度学(応力,ひずみなど)に関する基礎知識が必要な科目である.
<レポート等>理解を深めるため,必要に応じて演習課題を与える.
<備考>本科目は,材料設計学および材料強度工学(専攻科)と強く関連し,これらの科目の基礎となる科目である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 力学の基礎,引張と圧縮 1. 力学の基礎,引張,圧縮に関連する値を計算できる.
2週 ねじり 2. ねじりに関連する値を計算できる.
3週 片持ちはりのせん断力図(SFD)と曲げモーメント図(BMD) 3. SFDとBMDに関連する値を計算し,SFDとBMDを描くことができる.
4週 単純はりのせん断力図(SFD)と曲げモーメント図(BMD) 上記3
5週 はりの応力-曲げ応力 4. はりの曲げに関する種々のパラメータを計算できる.
6週 図心と断面二次モーメント 上記4
7週 はりのたわみ 5. 種々のはりのたわみとたわみ角を求めることができる.
8週 到達目標1~5の知識の復習・確認 これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
2ndQ
9週 複雑なはりの問題 6. 不静定はりの問題を解くことができる.
10週 応力状態とひずみ-三次元の応力状態,平面応力と平面ひずみ 7. 引張やせん断方向に対して任意の角度傾いた断面に生じる応力を求めることができる.
11週 応力状態とひずみ-傾斜した断面に生じる応力,モールの応力円 8. 引張やせん断方向に対して任意の角度傾いた断面に生じる応力について,モールの応力円を用いて求めることができる.
12週 組み合わせ応力 9. 組み合わせ応力を受ける球殻や軸の応力や設計値を計算できる.
13週 ひずみエネルギー 10. 静的な荷重を受けた弾性体のひずみエネルギーを計算できる.
14週 エネルギー原理とその応用 11. カスティリアノの定理を活用して変位等を計算できる.
15週 到達目標6~11の知識の復習・確認 これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野力学荷重と応力、変形とひずみの関係について理解できる。4
応力-ひずみ曲線について説明できる。4
フックの法則を用いて、縦弾性係数(ヤング率)、応力およびひずみを計算できる。4
許容応力と安全率を説明できる。4
荷重の方向、性質と物体の変形様式との関係について説明できる。4
引張、圧縮応力(垂直応力)とひずみ、物体の変形量を計算できる。4
縦ひずみと横ひずみを理解し、ポアソン比およびポアソン数を説明できる。4
せん断応力(接面応力)とせん断ひずみ(せん断角)を計算できる。4
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4
各種の荷重が作用するはりのせん断力図と曲げモーメント図を作成できる。4
中立軸、中立面の意味を理解し、曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を計算できる。4
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4
トルクとねじりの関係を説明できる。4
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4
多軸応力の意味を説明できる。4
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力を計算できる。4
ひずみエネルギーを説明できる。4
垂直応力、垂直ひずみ、縦弾性係数を用いてひずみエネルギーを計算できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合50500000100
配点50500000100