環境工学総論

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 環境工学総論
科目番号 0266 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 材料工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 図解 公害防止管理者 国家試験合格 基礎講座 水質編(産業環境管理協会)
担当教員 甲斐 穂高

到達目標

環境工学に関する基本的事項を理解し,化学物質の性質と排水処理の観点から,水質汚濁の防止に必要な専門知識を習得し,公害防止および環境保全に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有害物質(一般的な金属類)を含む排水処理の概要や原理とそれらの化学的条件について,関連法や規制の内容ともに説明できる.有害物質(一般的な金属類)を含む排水処理の概要や原理を説明できる.有害物質(一般的な金属類)を含む排水処理の概要や原理を説明できない.
評価項目2一般的な処理法が適用できない有害物質を含む排水処理(主に重金属類)の概要や原理とそれらの化学的条件について,関連法や規制の内容ともに説明できる.一般的な処理法が適用できない有害物質を含む排水処理(主に重金属類)の概要や原理を説明できる.一般的な処理法が適用できない有害物質を含む排水処理(主に重金属類)の概要や原理を説明できない.
評価項目3一般的な処理法が適用できない有害物質を含む排水処理(重金属類以外の化学物質)の概要や原理とそれらの化学的条件について,関連法や規制の内容ともに説明できる.一般的な処理法が適用できない有害物質を含む排水処理(重金属類以外の化学物質)の概要や原理を説明できる.一般的な処理法が適用できない有害物質を含む排水処理(重金属類以外の化学物質))の概要や原理を説明できない.
評価項目4農薬の種類を説明でき,それらが生体に与える影響をメカニズムや代謝に関することと共に説明できる.農薬が生体に与える影響を説明できる.農薬が生体に与える影響を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
我々が便利で快適な生活を送る上で必要な製造や事業等で発生する排水や化学物質に関して,それらの性質や生体に与える影響,発生した排水の適正処理の概要と技術,これらに関連する規制や法律を理解する.
授業の進め方・方法:
・学習内容は,すべて学習・教育到達目標(B)<基礎>に対応する.
・授業は講義とグループ学習を併用した形式で行う場合がある.講義は集中して聴講し,グループ学習では与えられた課題を積極的に取り組むこと(遠隔授業となった場合は実施しない).
・授業の単元ごとにレポートを課す.
・グループ学習では,与えられた課題をとりまとめて,発表を行うポスターツアー形式を取り入れて行う場合がある(遠隔授業ではない場合).
・「授業計画」における各週の「到達目標」は,この授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
この授業で習得する「知識・能力」において示されている『14』の到達目標について,理論的な考え方,及びそれを利用した計算問題ができるようになること.これらについて定期試験で確認を行う.各到達目標に関する重みづけは同じである.
<学業成績の評価方法および評価基準>学業成績は,次のとおりに評価する.
1.後期中間試験(100点満点)と学年末試験の得点(100点満点)の平均を「試験得点」とする.
2.提出を求めるレポートまたは課題の平均を「課題得点」とする.なお,「課題」の提出は,後期中間試験前と学年末試験前の2段階で設けて,それぞれの期間内の課題を電子化(PDF化)して1ファイルでまとめて提出することとする.また,いかなる理由であれ,提出期限後の課題は一切受理しない.
3.「試験得点」を8割,「課題得点」を2割の配分として学業成績評価点とし,これが60点以上であれば単位認定とする.
4.再試験は実施しない.定期試験を無断欠席した場合(試験開始時までに担任等への欠席の連絡がない場合)も同様である.
<単位修得要件>
学業成績評価点が60点以上であること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
無機化学,有機化学,分析化学,物理化学,化学工学および物理学の基本的事項は理解している必要がある.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 カドミウムによる問題(公害)と排水処理 1.カドミウムの性質,起こった問題(公害)と影響,カドミウム排水処理の概要を説明できる.
2週 水銀による問題(公害)と排水処理 2.水銀の性質,起こった問題(公害)と影響,水銀排水処理の概要を説明できる.
3週 金属系有害物質を含む排水の処理(1) 3.多種類の金属を含む排水処理の概要を説明できる.
4週 金属系有害物質を含む排水の処理(2) 4.有害物質を含む排水処理に関連する分析項目や関連法を説明できる.
5週 クロムによる問題と排水処理 5.クロムの性質,起こった問題と影響,クロム排水処理の概要を説明できる.
6週 ヒ素による問題と排水処理 6.ヒ素の性質,起こった問題と影響,ヒ素排水処理の概要を説明できる.
7週 ホウ素とフッ素による問題と排水処理 ホウ素とフッ素の性質,7.起こった問題と影響,これらの排水処理の概要を説明できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の解答解説
ビデオ学習1:異常気象と自然災害
8.異常気象による自然災害の脅威を説明できる.
10週 セレンとシアンによる問題と排水処理 9.セレンとシアンの性質,起こった問題と影響,これらの排水処理の概要を説明できる.
11週 有機塩素化合物,ジオキサンよる問題と排水処理 10.有機塩素化合物とジオキサン性質,起こった問題と影響,これらの排水処理の概要を説明できる.
12週 PCBによる問題と排水処理 11.PCBの性質,起こった問題と影響,PCB排水処理の概要を説明できる.
13週 農薬の種類と作用 12.農薬の種類と作用を説明できる.
14週 窒素とリンを含む排水の処理 13.窒素とリンを含む排水の処理方法を説明できる.
15週 生物膜法と嫌気的な排水処理 14.生物膜法と嫌気的な排水処理法を説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境環境と人の健康との関わりを説明できる。4
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。4
水の物性、水の循環を説明できる。4
水質指標を説明できる。4
水質汚濁の現状を説明できる。4
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。4
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。4
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。4
物質循環と微生物の関係を説明できる。4
汚泥処理・処分について、説明できる。4
微生物の定義(分類、構造、機能等)を説明できる。4

評価割合

試験課題(レポート)相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000