電子線機器工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子線機器工学
科目番号 0059 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子機械工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書なし(ノート講義),参考書:「電子・イオンビーム光学」 裏克己(共立出版),「電子管工学」 桜庭一郎(森北出版)
担当教員 花井 孝明,西村 高志

到達目標

電磁界中での電子の運動方程式を基礎として,種々の条件の下で電子の運動を定量的に論ずることができ,電子線機器への応用として電子レンズの作用を求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子の運動に関する数式を,講義ノートを参考にして導出することができる.主な数式の間の関係を理解することができる.電子の運動に関する数式の導出や理解ができない.
評価項目2種々の電子線機器への応用について,講義ノートを参考にして定性的に機器の原理と関連付けることができる.電子線機器の応用について理解することができる.電子線機器の応用について,定性的な関連付けや理解ができない.
評価項目3電子レンズの近軸領域における電子の運動について,円筒座標系を用いた特性解析ができる.近軸領域における電子の運動を理解することができる.電子レンズの近軸領域における特性解析や理解ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
真空中を一定の速度で運動する多数の電子を電子線または電子ビームと呼ぶ.電子線を利用する機器は,クライストロン,進行波管などの高周波通信機器,陰極線管(CRT),撮像管などの画像機器,電子顕微鏡などの計測機器と幅広い.この授業では,電子線機器を知るための基礎となる電磁界中での電子の運動方程式を学び,種々の条件の下で電子の運動を定量的に論ずる手法を学ぶ.さらに,各種電子線機器に用いられる電子レンズの作用についてその概略を学ぶ.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は学習・教育目標(B)<専門>とJABEE基準1(1)(d)(2)a)に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>上記の「知識・能力」1~6の習得の度合を中間試験,期末試験,レポートにより評価する.評価における「知識・能力」の重みの目安は1,2,4,6を各15%程度,3,5を各20%程度とする.試験問題とレポート課題のレベルは,100点法により60点以上の得点を取得した場合に目標を達成したことが確認できるように設定する.
<学業成績の評価方法および評価基準>中間,期末の2回の試験の平均点を80%,レポートの評価を20%として評価する.ただし,中間試験で60点に達していない者には再試験を課し,再試験の成績が中間試験の成績を上回った場合には,60点を上限として中間試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.
<単位修得条件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は質点の力学や電気磁気学の学習が基礎となる教科である.
<レポートなど>自己学習を前提として授業を進め,自己学習の成果を評価するためにレポート提出を求めるので,日頃から自己学習に励むこと.
<備考>数式を変形する数学的な技術とともに,基礎的な物理学を実用に結び付ける応用例を学ぶ.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子の粒子性と波動性 1. 一様電界中の電子の運動を定量的に論ずることができる.
2週 電子線機器の種類と用途,電子線機器の構成要素 2. 電子線機器の種類と用途をレポートにまとめることができる.
3週 一様電界中での電子の運動とその応用 上記1.
4週 一様磁界中での電子の運動とその応用 3. 一様磁界中の電子の運動を定量的に論ずることができる.
5週 一般電磁界と直交電磁界における運動方程式 4. 直交電磁界中の電子の運動方程式を理解し,運動方程式を解いて電子軌道を求めることができる.
6週 直交電磁界中での電子の運動 上記4.
7週 直交電磁界を用いた電子エネルギー分析 上記4.
8週 前期中間試験 これまでに学習した内容に基づき,電磁界中の電子の運動を数式化できる.
2ndQ
9週 円筒座標系における運動方程式の導出 5. Bushの定理を理解し,電子の角速度を求めることができる.
10週 運動方程式と軌道方程式,Bushの定理 上記5
11週 軸対称な電磁界中での電子の運動,電子レンズ 6. 近軸軌道方程式の導出過程を理解し,近軸軌道の性質を説明することができる.
12週 近軸軌道方程式の導出 上記6.
13週 近軸電子線と電磁界のレンズ作用 7. 電子レンズの作用を理解し,基本的なレンズ公式を導くことができる.
14週 電子レンズを用いた回折パターンの観察 上記7.
15週 レンズ公式と近軸不変量 上記7.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合80200000100
配点80200000100