有機化学特論

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 有機化学特論
科目番号 0029 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合イノベーション工学専攻(環境・資源コース) 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:構造有機化学 齊藤 勝裕著 (三共出版),参考書:軌道対称性の保存ーウッドワード・ホフマン則 伊藤・遠藤著(廣川書店)
担当教員 長原 滋

到達目標

有機分子の構造と物性の関係および有機化学反応における反応性や選択性について,分子軌道論的な観点から理解している.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有機分子の分子軌道論的な考察に基づき,物性(発色性,発光性,伝導性,磁性)が予測できる.有機分子の構造と物性(発色性,発光性,伝導性,磁性)の関係を分子軌道論的な観点から説明できる.有機分子の構造と物性(発色性,発光性,伝導性,磁性)の関係を分子軌道論的な観点から理解していない.
評価項目2有機分子の分子軌道論的な考察を合成計画の立案に適用できる.有機化学反応における基礎事項(芳香族性,結合異性,閉環・環状付加反応および選択性)を分子軌道論的な観点から説明できる.有機化学反応における基礎事項(芳香族性,結合異性,閉環・環状付加反応および選択性)を分子軌道論的な観点から理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
有機分子の物性の予測や適切な有機合成計画が立案できるように,有機分子の構造と物性の関係および有機化学反応における反応性や選択性を分子軌道論的な観点から学ぶ.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>およびJABEE基準1(2)の(d)(2)a)に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準> 授業計画の「到達目標」1~9の確認を課題レポート,前期中間試験および前期末試験で行う.評価に対する「到達目標」1~9に関する重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準> 前期中間・前期末の試験結果を80%,課題レポートの結果を20%として,それぞれの期間毎に評価し,これらの平均値を最終評価とする.再試験は行わない.
<単位修得要件> 学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲> 量子化学や分子軌道法,および有機化学や有機合成化学の基礎を理解している必要がある.
<自己学習> 授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)および課題レポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<備考> 自己学習を前提とした規定の単位制に基づき授業を進め,課題レポートの提出を課すので,自己学習に励むこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 有機分子の構造と結合(構造論) 1. 以下の事項について説明できる.
 有機化合物や中間体の構造
2週 有機分子の構造と結合(分子軌道論) 1. 以下の事項について説明できる.
有機化合物などのヒュッケル分子軌道法による取扱い
3週 有機分子の構造と結合(スペクトル) 1. 以下の事項について説明できる.
 吸収スペクトルと電子遷移
4週 有機分子の物性(発色性) 2. 発色性とクロミズムについて説明できる.
5週 有機分子の物性(発光性) 3. 化学発光と生物発光について説明できる.
6週 芳香族性 4. 芳香族性を分子軌道論的な観点から説明できる.
7週 結合異性 5. 結合異性を分子軌道論的な観点から説明できる.
8週 中間試験 これまでに学習した内容について説明できる.
2ndQ
9週 超分子的物性(有機伝導体) 6. 有機伝導体の電気伝導の原理を分子軌道論的な観点から説明できる.
10週 超分子的物性(有機磁性体) 7. 有機磁性体の磁性を分子軌道論的な観点から説明できる.
11週 熱化学反応と光化学反応 8. 閉環反応(熱反応と光反応)および閉環反応における選択性について分子軌道論的な観点から説明できる.
9. 環状付加反応(熱反応と光反応)および環状付加反応における選択性について分子軌道論的な観点から説明できる.
12週 分子内反応(閉環反応)と分子軌道-1 上記8.
13週 分子内反応(閉環反応)と分子軌道-2 上記8.
14週 分子間反応(環状付加反応)と分子軌道 上記9.
15週 分子間反応の立体選択性,配向選択性,周辺選択性と分子軌道 上記9.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題レポート相互評価態度発表その他合計
総合評価割合80200000100
配点80200000100