相変態工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 相変態工学
科目番号 0032 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合イノベーション工学専攻(環境・資源コース) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 ノート講義 適宜,資料を配付する.
担当教員 小林 達正

到達目標

材料の性質をコントロールする組織制御技術に不可欠な相変態の基本的概念を把握し,実用材料の問題解決に適用できる応用力の修得を目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1平衡状態図の基礎についての理解し,各種状態図を様々な現象の理解に応用できる.平衡状態図の基礎について理解している.平衡状態図の基礎を理解していない.
評価項目2均質核生成,不均質核生成モデルについての理解し,それをもとにいくつかの金属材料の凝固現象について考察できる.均質核生成,不均質核生成モデルについて理解している.均質核生成,不均質核生成モデルについて理解していない.
評価項目3固・液界面の構造と理論について理解し,それをもとにいくつかの物質の凝固現象について考察できる.固・液界面の構造と理論との関係について理解している.固・液界面の構造と理論との関係について理解していない.
評価項目4一方向凝固における溶質の分布についての理論を理解し,それを応用できる.一方向凝固における溶質の分布についての理論を理解している.一方向凝固における溶質の分布についての理論を理解していない.
評価項目5融液からの単結晶製造法について理解し,それを応用できる.融液からの単結晶製造法について理解している.融液からの単結晶製造法を理解していない.
評価項目6位相界面の構造とエネルギの計算法について理解し,いくつかのモデル的材料についてエネルギーを計算できる.位相界面の構造とエネルギーの計算法について理解している.位相界面の構造とエネルギーについて理解していない.
評価項目7マルテンサイト変態およびベイナイト変態について理解し,それを応用できる.マルテンサイト変態およびベイナイト変態について理解している.マルテンサイト変態およびベイナイト変態について理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
産業社会のインフラとして,また,新技術の開発に対して,材料の果たす役割は重要である.材料の性質をコントロールする組織制御技術に不可欠な相変態の基本的概念を把握し,実用材料の問題解決に適用できる応用力の修得を目標とする.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)〈専門〉およびJABEE基準1(2)(d)(2)(a)に対応する.
・授業は,質問を受け付けながら,理解の度合いを確認できる演習を含め,講義形式で進める.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を中間試験および定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.授業計画の「到達目標」に関する重みは概ね均等とし,中間・期末の2回の試験の平均点を85%,小テストを15%として評価する.ただし,中間試験が60点に達していないものには再試験を1回のみ課すこともある.その場合,再試験の成績が該当する試験の成績を上回った場合には,60点を上限として成績を再試験の成績で置き換えるものとする.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科の学習には、基礎材料学、材料組織学、結晶解析学、鉄鋼材料の学習が基礎となる教科である.〈備考〉本科で学習した関連科目の復習をしっかり行い,日頃の勉強に力を入れること.本教科は、後に学習するセンサ工学、物性工学の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 成分系,2成分系および3成分系状態図の基礎 事項についての復習 1.平衡状態図の基礎について説明できる.
2週 成分系,2成分系および3成分系状態図の基礎 事項についての復習 上記1
3週 状態図に関する小テスト 上記1
4週 均質核生成および不均質核生成について 2.均質核生成,不均質核生成モデルについて説明できる。
5週 純金属の凝固(固・液界面,結晶成長速度,欠陥の生成) 3.固・液界面の構造について説明できる.
6週 合金の凝固 ― 凝固モデルと溶質の分布 4.一方向凝固における溶質の分布について説明できる.
7週 合金の凝固 ― 組成的過冷却と凝固組織 上記4
8週 中間試験
4thQ
9週 融液からの単結晶製造法 5.融液からの単結晶製造法について説明できる.
10週 位相界面の構造とエネルギー 6.位相界面の構造とエネルギーについて説明できる.
11週 位相界面の構造とエネルギー 上記6
12週 位相界面の構造とエネルギー 上記6
13週 マルテンサイト変態およびベイナイト変態 7.マルテンサイト変態およびベイナイト変態についての理解
14週 マルテンサイト変態およびベイナイト変態 7.マルテンサイト変態およびベイナイト変態についての理解
15週 金属材料破損事故原因の金属学的究明に関する演習問題
上記1~7
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合10000000100
配点10000000100